サノスの大義が本心であれば、自分の死をもってけじめをつけるべきなのでは。と本気で考えるくらいよくできたストーリー。
けっして煽らない脚本と演出が良かった。登場人物が多いのに話が散漫にならないのはさすが。
映像のセンスはさすがという感じ。同じタイプだと「エレファント」の方がはるかに好きだが。
韓国映画にありがちな、主人公を変に持ち上げ過ぎるシーンのない、まさに「骨太」な作品だった。ノアール物としても秀逸。
若松組のスタッフになったような気分が味わえる映画。白石監督が尖った助監督だったことを知る。
前半〜中盤はいい感じなのに後半が…。ラストがどうにもダサい。CWのくだりは蛇足、それがなければちょうど良い尺になった感じ。
無駄な音楽や効果音、セリフを入れないで緊迫感をうまく表現しているすごい映画。今どきの日本映画の監督に見習ってもらいたい。