麻菜さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

麻菜

麻菜

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恋におちて(1984年製作の映画)

4.5

あんなにも美しいと思える日は初めてだった
たとえ終わりのように感じられても人生は、少年少女のような輝きをみせることがある
あれから私たちは、何度も同じ列車に乗り、それぞれの家へ帰った
彼のことは何も知
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

4.2

アートザクラウンが帰ってきたーーー
他作でまだなかった中世の拷問を、カットすることなくオールドスクールのエフェクトで観せた1作目
あれをしっかりと超えてきた中盤のシーンは、ゴア好きがちょっと引くレベル
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.9

酔っ払って家に帰り、なんとなくこの映画をつけた
メルヴィルの見事な小説「白鯨」で、語り手は海での体験を話す
本の最初で自らをイシュメールと名乗り、海辺の小さな町で1人の男と同宿している
名前はクイーク
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追憶(1973年製作の映画)

4.7

今日は月曜、政府転覆の日だ
私はこうして、人生に椅子を失くした
あの人は自分の育った国と似ている
あなたを愛することで私がなにを得ているか、あなたにだけは知られたくない
森のような匂いの、美しい追憶よ
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シックス・センス(1999年製作の映画)

4.8

突如amazon primeに現れたので、小学生ぶりに鑑賞
夢も見ずに良く眠れた秋晴れの朝、久しぶりに穏やかな気持ちになった
人間、見方をひとつ変えると、不幸だったはずの世の中が幸せに見えてくる
肉体
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パトリック(1978年製作の映画)

4.3

人間は、誰もが愛する者を殺す
誰しも覚えがあるはずだ
臆病者はキスで、勇敢な者は剣で殺す
僕はもう行くよ、君を愛している
魂はいま肉体を離れた
監督は、ヒッチコックの後継者と呼ばれ、後にサイコ2を手が
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.8

神は僕の弱みを知っている
僕を落ち込ませ、ここで花の香りを楽しむ君を愛していることを
ここを去って生き延びるか、留まって死を迎えるか
血だまりの上に立って笑う、エリとオスカー
他の人間なんてどうだって
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

4.5

私の人生はゴミ溜めみたいだった
もう我慢できないと思ったとき、そこに突然天使が現れた
その子はお菓子の香りがした
みんな特別になりたがり、自分が一番でないと落ち着かない
ピクルス抜きのチーズバーガーも
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僕たちは変わらない朝を迎える(2021年製作の映画)

4.0

あの頃はいつもお祭りだった
家を出ると何もかもが美しくて、とくに夜はそうだった
死ぬほど疲れて帰ってきても、まだ何か起こらないか願っていた
前戯に使ったローマの休日
このシーンはアドリブなんだよ、と得
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.0

ペニーレインの景色が、この目や耳に残っている
4ペンスのフィッシュ&チップスとフィンガーパイ
夏になると思い出が蘇ってくる
人生にダイヤの指輪などいらない
素晴らしい音楽たちと、共に生きられるこの世界
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

4.7

僕の父親は変人だった
パリではタバコを吸いに行ったはずが、素っ裸でセーヌ川に浮いていた
そして、知らない人の葬儀に行くことが好きだった
今日あるものが、明日あるとは限らない
自分のものだとも限らない
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オープン・ユア・アイズ(1997年製作の映画)

4.5

顔を損傷したハンサムな青年の、夢とも現実ともつかない世界を描いたスリラーで、後に数々の模倣作品を生み出したSF映画の傑作
バニラスカイとしてハリウッドリメイクもされているけれど、わたしはオリジナルが絶
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友情にSOS(2022年製作の映画)

4.3

アメリカ社会に根深く残る人種差別を背景に、思わぬトラブルに巻き込まれた大学生3人の運命を描くコメディスリラー
差別という問題を議論するとき、被害者と加害者が存在することは紛れもない事実だが、大抵の場合
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.8

グランジ前夜、カートコバーンの自殺によって消滅した人間の脆さと世代の破滅
レーガン政権の好景気に見捨てられた80年代は、間違いなく彼らのものだった
理由などなくとも共に生きていきたいと感じた、二人のア
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ウォー・ドッグス(2016年製作の映画)

4.7

武器商人の若者の成功と転落を、実話を基に描いたコメディドラマ
現代戦争とトッドフィリップス?こんなの観るしかないだろう
子供、障害者、人種、宗教、何であろうと彼の手にかかれば容赦なくコメディの材料にさ
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死霊の盆踊り(1965年製作の映画)

4.0

澄み切った夜には月の光が冷たく輝く
犬や狼が吠え、忌まわしいものが汚泥から這い出す
そして、死霊どもの饗宴が始まるのだ
映画評論サイトRotten Tomatoesで0%のスコアを叩き出し、史上最低の
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草の上の昼食(1959年製作の映画)

4.3

ぬるい葡萄酒をすする真昼、夏はまだ遠い
乗合馬車の時代も悪くなかった
どちらかの裸体主義で別れるまでは
多分、幸福とは自然の秩序に従うことなのだろう
浮わずった喜びは、とてもとても軽いもので
神様が大
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

4.3

空は落ちガラスのごとく砕け、神の指は大地を焼き払い、永遠の闇が人類を覆う
人生のけじめと祈りをありがとうシャマラン、神はまだ死んでない
世界の災厄という極大なるものは、家族という極小なるものに運命を託
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レア・セドゥのいつわり(2021年製作の映画)

4.5

夫が愛人から贈り物を受けた
シューベルトのレコード
人生をかけた愛、世紀の恋人に着想を得た曲だと、ジャケットに書いてあった
相手は野心と嫉妬にまみれた気取り屋の女
なぜ自分で買ったと言わなかったのだろ
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アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年製作の映画)

4.5

子供の頃は誰もが自信に満ちている
お腹が出ていても、思い切り踊ってパンツを食い込ませる
でも、砂場で誰かに意地悪なことを言われ何度も自分を疑ううちに、全ての自信を失う
私たちはそれに打ち勝たなければい
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YUMMY ヤミー(2019年製作の映画)

4.3

整形手術のために訪れた美容クリニックで、ゾンビパンデミックが発生するというベルギー産ホラー
展開は王道、オーソドックスなゾンビ映画だった
大枠に新鮮さはなくとも、設定の扱い方と、どこかシニカルなブラッ
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ローラ(1961年製作の映画)

4.7

降臨祭の良く晴れた日の朝
君に似た女の子と出会った
明日で休暇は終わり、シェルブールへ経つ
ミシェルという男に似てたから、君は僕と寝たんだろうか
子供じみているかもしれないけれど
笑ってよ、ちゃんと
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スプリー(2020年製作の映画)

4.5

カートワールドのレッスンへようこそ!
デジタル時代、ソーシャルメディアと自己承認欲求に囚われた人間の闇を痛烈に描いた、ジェットコースタースリラー
コメディ版タクシードライバーというより、スラッシャー版
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カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

4.5

我が心に歌う、ジェーンフローマン
先週の映画は確か、ホテルのポーターがオペラ歌手になる話だった
ウェイトレスの仕事終わり
もう5回も観て台詞も覚えた、カイロの紫のバラ
僕は彼女に恋をしている
街は君の
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

4.8

土砂降りの香港、引き連れたアイロンの蒸気
あれは確かに、そして紛れもなく恋だった
25インチのウエストを、24だと嘘をついてくれた男
冷静と情熱のあいだ、日々は耐えがたい浪費だろう
だから私は、長い旅
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スクリーム(1996年製作の映画)

4.5

ホラー映画の鉄則
1.逃げるとき2階に上がらない
2.セックス、ドラッグ、アルコールはほどほどに
3.すぐ戻ると言わない
1996年、1本の電話が世界を一変させた
ドリューバリモアが手にした固定電話の
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.0

世の中にある数々のどんでん返し映画
人生で初めて、騙される快感を味わった映画がエスターだった
どんな作品にも付き纏う2作目の呪いは、エスターファーストキルにもかかったのかを確かめるべく鑑賞
公開から1
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

4.2

醜きものは死なり
私が美しい限り、私は生きている
羽根をつけて地上に降りた火曜日
新調した服を着て、ナンバーに4がつくタクシーに乗った
大いなる感動には、小さな虚栄がある
偉大な精神にも、愚行がある
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.3

どんな選択をしても避けられない運命があるならそこに希望はなく、絶望的な仕組みの中の駒でしかない
相変わらずのインテリホラー、今回も異常なほどの伏線とメタファーで、途中バファリン飲みました
メインプロッ
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ブリジット・ジョーンズの日記(2001年製作の映画)

4.8

良いセックスがしたい、お酒を浴びるほど飲みたい、ご飯を好きなだけ食べたい、そして大好きな人と結ばれて結婚したい
なのに気が付くと、部屋でひとり赤ワインを飲みながら、ラジオから流れるエリックカルメンのA
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

4.5

アメリカの精神の闘いは、ビデオロームで行われる
見る者を狂気の世界に陥れる殺人映像に魅入られた男の顛末を描く、鬼才デビッドクローネンバーグによるSFホラー
ビデオドロームは、もはや警告ではない
スマホ
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ウェディング・プランナー(2001年製作の映画)

4.0

300組に1組が、結婚式当日破談になる
そして、5年以内に3組に1組が離婚する
愛は魔法とは違う
おとぎ話でも、一目惚れでさえも違う
華麗なるギャッツビーのような装飾に、オスカーデラレンタのウエディン
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堕ちた果実(2020年製作の映画)

4.9

16歳の誕生日
愛してると言って母親は、クリスチーネFの本をくれた
へそ出しと厚化粧で、ロイスのジーンズを履いた、メラニーベレーの夏
太陽の光に映えるような水着を選んだ
あなたの目が、深い海の色をして
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サタニックパニック(2019年製作の映画)

4.8

豪華な邸宅に足を踏み入れたピザ配達員が、悪魔崇拝の儀式に巻き込まれるカルトコメディ
寝落ち用で適当に再生したら、おもろすぎて寝れなくなった
清々しいほどのお下劣スラッシャー
B級好きにはたまらない作品
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カルメンという名の女(1983年製作の映画)

4.7

人生は至高の善ではない
私があなたを愛したら終わり
太陽が消えると、ゴッホは黄色を探した
全てが台無しになっても、日は昇り息をする
もし私が、月まで行ったら手紙をくれるだろうか
その映画がハッピーエン
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ブラインド・デート(1987年製作の映画)

4.5

条件はただひとつ
彼女に酒を飲ませないこと
コメディ映画の名手、ブレイクエドワーズ監督が、ブラインドデートを題材に製作したロマンティックコメディ
そして、当時コメディ俳優として売り出し中だった、ブルー
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