saorinoさんの映画レビュー・感想・評価

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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

同じような繰り返しの毎日でも、一日として同じ日はない。人生は木漏れ日だ。そう気づいた瞬間から、小さなしあわせは積み重なり、人生にしあわせが循環しはじめる。

脚本担当の高崎卓馬さんは、恩師の一人。数々
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.9

人生の下り坂の入り口に立った時、ひとはふたつの選択肢を委ねられる。自分がしあわせになれる道を見つけるか、あきらめてどん底に向かうか。うまくいかない時ほど、もがき過ぎず、これまでの歩みを眺めてみるのもい>>続きを読む

セブン(1995年製作の映画)

3.9

ある日起こった、連続猟奇的殺人。犯人はなぜ殺しをするのか?次はだれが殺されるのか?自己顕示欲が強い知能犯に翻弄されつつも、不器用だが優秀で妻を愛する刑事との戦いの幕が開ける。後味わるい系映画で絶望的な>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

4.0

恋とはなんだ。恋とは本能と学習でできているのではないか、という話。いつまで経っても「私を下げる人」を選ぶ人は、大事にされないことがその人の中の恋の定義に入っているからなのかもしれない。軽そうに見えて本>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.0

40年前の少女失踪事件。その解決を依頼された刑事が捜査に挑む。行き詰まる中、出会ったのは情報収集能力に長けた、タトゥーとピアスだらけの謎の女。果たして少女は見つかるのか?

真相に近づくほど何者かから
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死霊館(2013年製作の映画)

3.6

死霊館、というあからさまな放題が勿体無い気がした。実話に基づくとはいうが、どこまで実話なのかはわからない。エクソシストのような仰々しさもなく、静的な恐怖感も描かれていて好きだった。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

逞しく勇敢なピーチに、まだ力及ばぬマリオ。この構造がまるで現代社会を描いているようだな、と思いながらもストーリーは王道で。マリオの名言が心に刺さる、と聞いてはいたがそこまで響かず、どことなく物足りなさ>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

4.0

三者三様の薄気味悪さがあって、だれが真犯人かわからない。森山未來、松山ケンイチ、綾野剛。それぞれの何者かわからない感、さらには言葉にならない感情を全身で表現する渡辺謙と広瀬すずに惹き込まれる。役者陣が>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.5

死んだ夫は知らない男だった。この男は一体誰だ?はじまりから謎が謎を呼び、調べれば調べるほど、この男が誰かわからなくなっていく。

原作が好きすぎる映画は、観ることが憚れるけど、安藤サクラなら、と思って
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.6

グロいエイリアンでも、侵略者でもない。人間をペットとして飼う。それが本作に出てくる宇宙人。美しい声で流暢に会話し、近未来的な造形物や生物に囲まれた生活を見ていると、なんとも奇妙な気持ちになる。カンヌで>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

4.3

愛する娘はどこへ行った?友人宅へ行き、一緒に感謝祭を祝う真昼間、忽然と姿を消した子供。

おそらく誘拐された。しかし手がかりは掴めど、まったく真相に辿り着けない。

物語の肝は、巧妙な伏線。本当にあっ
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ゲーム(1997年製作の映画)

4.0

トゥルーマン・ショーのサイコスリラー版?!次から次へと起こる予測できない展開。だれも信じられなくなる恐怖。真相がまったく明らかにならない不気味さは、あっという間に引き込まれる。デヴィットフィンチャーの>>続きを読む

The Taste of Nature 世界で一番おいしいチョコレートの作り方(2021年製作の映画)

3.6

コンビニに並んでる1枚100円ちょっとの板チョコではなく、1,600円の板チョコを選ぶ理由。それは、チョコレート作りに並々ならぬコストをかけているから。

27時間かけて産地へ。そこからアマゾンに赴き
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

世界も自分のことも知らない。恐れがない者の前には、本能的な幸福が差し出されている。それなのに、世界を知りたがるのはなぜだ。欲望の前にひれ伏し、利己的な愛に飲まれて己を見失う。哀れなるものとは、私たちの>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.4

超狂気版トゥルーマン・ショーの開幕!って感じの作品でした。テーマは、親子の愛憎劇。実は本作、観るかどうか迷っていたんです。なぜなら、とある方は「ミッドサマーのヤバさを10倍にして煮詰めたもの」と評し、>>続きを読む

私の頭の中の消しゴム(2004年製作の映画)

3.7

「許すとは、心の部屋をひとつ空けること」。一番印象に残ったセリフです。たとえ相手に非があっても、相手と向き合うことを選べば自分を受け入れることができる、かもしれない。気性の荒い狼のような彼が彼女の腕の>>続きを読む

コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

3.9

世間で騒がれた人やもういなくなってしたった人も。どんな人も受け入れて愛で包んでしまうのが本作。すべてはダー子の愛の力?!笑。スターやジェシーの存在を匂わせるシーンも粋だったなぁ。英雄は一人ひとりの心の>>続きを読む

コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

欲がなく、純粋無垢な子が自分の善意でしあわせを掴んでいく。まるで宝くじを掴んでいくように。小さくてもいいからそういう幸福の訪れが、今の世の中にもどこかで起こっていますように。

はっちゃけたまさみと、
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.4

強靭な肉体!一瞬で街を焼き尽くす破壊力!!仕掛けられても挑む精神!!!決断力と実行力!!!最強陣営も太刀打ちできない強さ!!!!カッコ良すぎでしょ、ゴジラ。。マチアプで出会うどんな男よりも男気がある。>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.2

もしかしてウェスアンダーソンって日本好き?!日本の文化、どこまで本気で思ってるのだろうと思わずツッコみたくなる描写もあるけれど、島国の文化って外国から見たらやっぱ特別感あるんだろうな。日本独特の文化や>>続きを読む

コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019年製作の映画)

4.1

予想を裏切るどんでん返しというのがわたしは、好きだ。一本のストーリーの枠の外に、もう一本のストーリーを走らせる。黒幕はだれなのか?幕が開けたら、観客も交えた騙し討ちのはじまりだ。

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.7

生きてはいけるけど、満ち足りてはいない。さみしいことに、言葉にしたくない「貧しい」暮らしが前よりも身近になってきた今。クラフトチョコレートが届けるしあわせってなんだろう。

今の時代、自分をしあわせに
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

82歳にしてここまでやるか。。誰でもわかるようなコンテンツばかり望まれる現社会でこういう映画を投じること、子どもも観る最後のジブリ作品としてこういう作品を遺すのが本当に感無量。衝撃的すぎて動けなかった>>続きを読む

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.7

職場で「別にコナンとか観ないし」という子が急に灰原哀推しになったらしく、会うたびにコナンの話をされるので、観に行きました。なにやら、コナンも今っぽくなってるとのこと。小中学生の頃にコナンを観ていた身と>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.7

富がなくとも、知恵で戦え。王に屈するな、民で団結せよ。信じられるのは、鋼のように強い志と情熱、ただそれだけ。さぁ、今こそ強者を揺るがすインド大国の本領発揮!あぁ、キンキンに冷えた部屋で口の中が焼けるよ>>続きを読む

クローバー(2014年製作の映画)

1.0

原作は中学生の頃に読んだ記憶。なんでだろうか。演者、脚本、演出。ぜんぶ目を当てられない。監督はいったいどういう方針で撮っていたんだ?!

ママレード・ボーイ(2018年製作の映画)

4.0

遊役を吉沢亮にしてくれてありがとう。吉沢亮、生まれてきてくれてありがとう。吉沢亮のお母様、産んでくださってありがとうございます。酷評が目立ちますが、この作品は、ママレードボーイの遊を吉沢亮が演じてくれ>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.7

舞台挨拶の最後、高橋一生さんのコメントが素晴らしかったので、割愛して紹介させてください。

「(中略)露伴の「露」には儚いという意味があるそうです。作品の消費されるスピードが速くなっている時代ですが、
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.4

別れ話をする直前の真っ昼間に、2人して無言で鑑賞した思い出の一本(笑)。今でも覚えています。「空気はすごい悪いけど、映画最高すぎる。どうしよう」となった記憶。でも名作中の名作。死ぬまでに観ておきたい一>>続きを読む

スパイダーマン2(2004年製作の映画)

3.4

「ノーウェイホーム」を存分に味わいたいなら、絶対に観ておきたい一本。マーベルにハマる時期、というのが映画ファンなら人生に一度は訪れるだろう。。愛、友情、憂い、嘆き、歓び。スパイダーマンにはすべてがある>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.6

歌手だったっけ、と思うほどの演技力を魅せるレディー・ガガ。ずる賢く美しい。でもその行き過ぎたズルさが仇になって、すべてを失っていく。本能のままに、振り向きもせずヒールでカツカツ歩む姿は、羨ましくもある>>続きを読む

嘘を愛する女(2018年製作の映画)

3.1

恋人の生きてきた背景をすべて知ってる。そんな人は、いたとしても稀だろう。信頼している恋人がいる。結婚もしたいと思っている。でも、話してないことはある。話せないこともある。人間関係というのは、そういうも>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.6

力でねじ伏せる存在を「強者」と呼ぶのか?目立っている出来事だけが、評価されるべきものなのか?宇宙から見たら、人類は「弱い」のか?異星人を通して人類を俯瞰することで、いろんな概念や固定概念を覆される。>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.6

天才でも、秀でた才能があるわけでもない。将来を期待された兄を持つ青年の視点で描かれた、奇跡の最終試合の幕が開ける。

試合中盤で20点差。だれが見ても背水の陣。よく戦った、と場外の観客は声を上げる。そ
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