まさわさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

まさわ

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女であること(1958年製作の映画)

4.0

弁護士・森雅之と妻・原節子は、担当する殺人事件の被告人の娘・香川京子を家で面倒みている。そこへ妻の親友の娘・久我美子が転がり込んできた。

久我美子の魅力的すぎて男女問わずすべての人間関係をぶっこわし
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田園交響楽(1938年製作の映画)

3.0

敬虔なクリスチャン教師・高田稔が、孤児となった盲目の野生児・原節子を「神から与えられた子供」を育て上げたいと思い上がりで引き取り、結局は若紫症候群的に女として愛してしまうし、原節子も娘としてではなく愛>>続きを読む

生命の冠(1936年製作の映画)

3.0

流氷や町の様子、缶詰工場など当時の景色は面白く見た。

誘惑(1948年製作の映画)

3.0

両親を突然亡くした医学生・原節子は、父親の教え子で議員の佐分利信の家に住み込み家庭教師となる。妻・杉村春子は胸を病み湘南で療養しているので、原は家庭の主婦のように佐分利と子供たちを世話しているうちに…>>続きを読む

わが青春に悔なし(1946年製作の映画)

4.0

『白痴』を見たときも「よくある原節子像」と違う役柄であったけど、その前にこの作品でこういう女性を演じさせた黒澤明…もっと組んで、新しい原節子を見せてほしかったな。
原節子は法学者の娘役、父の教え子男子
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阿片戦争(1942年製作の映画)

3.0

英国による阿片密輸を厳しく取り締まった林則徐を二代目市川猿之助、盲目の妹・高峰秀子の治療をするために街へやってきた姉を原節子が演じる。中国人もイギリス人も日本人が日本語で演じてるから、舞台っぽい雰囲気>>続きを読む

新しき土(1937年製作の映画)

2.5

ドイツ人監督だから仕方ないとはいえ、「日本の美しいところたくさん撮りました」とばかり富士山!桜並木越しの富士山!(山梨?)海越しの富士山!(静岡?)、え、庭から厳島神社の鳥居が!?横浜に着いて帝国ホテ>>続きを読む

荒れ地(2020年製作の映画)

3.5

映像はとてつもなく美しい。しかし内容は、
あまりにも救いがない。物語は「正しく」なくてもよいものだが、ここまで淡々と苦しめなくてもいいじゃないか……

悪は存在せず(2020年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭で、あらすじも監督も何も知らずに、イラン映画というだけで選んだ。
4つの作品のオムニバスで、まずはじめはテヘランに暮らす中年男性が主人公。妻子持ちのサラリーマンで、少し離れたマンションに
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国境の夜想曲(2020年製作の映画)

3.5

息子が殺された部屋で嘆く母、精神科病院で祖国の歴史を芝居にする患者、IS統治下での惨劇を絵にして語るヤジディ教の子供たち(後述)…自身の痛みを語ることで癒していく言葉以外に意味のある会話はとても少なく>>続きを読む

弱くて強い女たち(2020年製作の映画)

3.8

古希祝いの日に音信不通だった夫の訃報が入る。女手ひとつで飲食店を営みながら3姉妹を育てた自負が娘たちへの干渉になったり、夫の内縁の妻へのしこりとなったり、の家族ドラマ。修羅場をくぐってきた女の決断は、>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.5

貧困やDV、差別と子供たちを取り巻く環境は厳しい…スケートボードで繋がった世界が唯一の居場所である少年たちが抱える葛藤を、膨大な記録映像と絶妙な編集で見せる、とても面白い映画だった。

みな父親や継父
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港へ来た男(1952年製作の映画)

4.0

捕鯨船の船長・志村喬と銛を撃つ三船のブロマンスです。志村喬が入れ込んでるカフェの娘・久慈あさみから告白されても三船は「俺は船長が好きなんだ」って断るくらいの片思いだけど…。三船が若くて、ほんとに整って>>続きを読む

酔いどれ天使(1948年製作の映画)

4.0

口の悪い町医者・志村喬と結核を患うチンピラ・三船。
黒澤が脚本で関わった谷口千吉『銀嶺の果て』では突然退場したのに、これは三船の死に方がものすごく凝ってる!ペンキにまみれ、洗濯物の翻るベランダにもたれ
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吹けよ春風(1953年製作の映画)

3.9

タクシードライバー三船が客とのエピソードをモノローグで繋ぐオムニバスみたいな映画。三船のナレーション!珍しい!役柄にあわせて優しい穏やかなトーンの甘い声で、やっぱり声がいいんだよなー。役柄でも大スタア>>続きを読む

暗黒街の対決(1960年製作の映画)

3.6

三船敏郎と鶴田浩二の対決と友情モノ。劇画的アクション、殺し屋3人組+ひとりの「消えちゃえ」ソングのエンターテイメント。

銀嶺の果て(1947年製作の映画)

4.0

温泉宿の客による推理からほのぼの始まり、逃亡中の仲間割れのサスペンスを経由して、山小屋の人々のあたたかさと「山の掟」に触れ改心するというヒューマニズムに終わる……映画のトーンは定まらないが、山岳シーン>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.9

原作小説は「現代女性が被る理不尽のルポルタージュ」のように読んだが、映画のキム・ジヨンは本で読んだときよりもずっと「憑坐(よりまし)」だと思った。これはジヨン個人だけの経験や苦悩ではなく、今まで生きて>>続きを読む

壁あつき部屋(1956年製作の映画)

4.0

朝鮮戦争が始まり日本を再軍備させたいアメリカ占領下の巣鴨プリズンが舞台。上官の命令に従い現地民間人を殺し戦犯になった男が、一時保釈時に上官を訪ね復讐を果たすかどうかを軸に、戦争の罪やヒューマニズムを問>>続きを読む

男性No.1(1954年製作の映画)

3.6

女をたぶらかし、「頭で稼ぐ」二枚目のダフ屋・鶴田浩二と、鶴田にシマを荒らされた三船の対決と友情。クールにずる賢く立ち回る鶴田と、人がいいけど喧嘩っぱやく古くさい男らしさのある三船の対称性。最後の三船が>>続きを読む

赤毛(1969年製作の映画)

3.5

赤報隊の先鋒として故郷の沢渡宿へ乗り込み、遊女や農民を解放する三船が「本当のヒーロー」になる映画だけど、あと20年若ければなあ…というキャラだった。三船49才…監督とは仲良しだし、あて書きなのかもしれ>>続きを読む

どぶろくの辰(1962年製作の映画)

3.8

山を崩しての道路建設中に不発弾が出て何人も死ぬが社長や現場監督は工期が伸びるのが嫌で労働者はコマ扱い、さながら強制収容所。命が掛かる仕事を無理強いするために東京から女をたくさん呼んで「いい思いさせてや>>続きを読む

妻の心(1956年製作の映画)

3.8

「女なんて損な役割ばっかり!」というフェミニズム映画。しかし最後は丸く収まるので「足りない」気持ちはするんだけど、姑、兄嫁、義理の妹、叔母、独身の女友達、芸者など、生き方や立場の違う女性がたくさん出て>>続きを読む

馬喰一代(1951年製作の映画)

3.5

真っ直ぐな気質だが、喧嘩と博打に明け暮れる馬喰・三船は妻の死をきっかけに心を入れ替え、残された一人息子を育てる。イカサマ博打で儲けた金で高利貸をする志村喬、やもめの三船を何くれとなく面倒見る娼妓・京マ>>続きを読む

婚約指輪(1950年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

網代で病気療養中の夫・宇野重吉に代わって銀座の宝石店を切り盛りする田中絹代と、夫の主治医・三船敏郎の、不倫になりそうな、ならなそうな、貞操観念と医療者の矜持と、健康な肉体をもて余す、ギリギリのせめぎあ>>続きを読む