イワシさんの映画レビュー・感想・評価 - 39ページ目

イワシ

イワシ

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ベテラン(2015年製作の映画)

3.6

ジャッキー・チェンを彷彿とさせる冒頭のコミカルなアクションも良かったけど、ユ・アインが上院議員の車に乗り込んだDIOみたいに逃走するクライマックスが超面白かった。罪状の読み上げからのテンションのブチ上>>続きを読む

AI崩壊(2020年製作の映画)

3.0

邦画特有の愁嘆場に『デジャヴ』へのオマージュを紛れ込ませるのでけっこうウルッときた。この世からいなくなって久しい人のことを思いもよらぬときに思い出す。

犯罪王ディリンジャー(1945年製作の映画)

3.9

経済的な語り口の極限みたいな映画。脱獄するため樽のなかに隠された銃を拾い上げた次の瞬間にはもう銀行を襲っている。いよいよ追い詰めれたローレンス・ティアニーが鏡を見ながら変装する場面のメルヴィル的な仕草>>続きを読む

プロフェシー/恐怖の予言(1979年製作の映画)

3.5

クローネンバーグみたいなデロデロの熊のビジュアルが凄いが、暴れっぷりも凄い。寝袋の子供が一直線に殴り飛ばされ、岩に激突した瞬間に爆発したように羽毛が舞い飛ぶ。アーマンド・アサンテが逃走する場面も小屋を>>続きを読む

アルファ、殺しの権利(2018年製作の映画)

3.8

麻薬組織のアジト強襲作戦が展開される夜のシークエンスは手持ちカメラのデジタル画質とフィリピンのスラムの風景も相まって『ブラックハット』を連想する。内通者が麻薬を小分けし、鳩の足に括り付け、検問のある街>>続きを読む

風の電話(2020年製作の映画)

4.0

1945年の広島、2011年の東北、2018年の埼玉現在クルド人コミュニティ、2019年のそれら。さまざまな人物の語りによって現在は幾つもの層を持ち、互いに溶け合いながら総体としての現在が立ち現れてく>>続きを読む

キャッツ(2019年製作の映画)

2.0

邪教の儀式、と一言でばっさり切ってしまいたいのだがいかんせんふつうにつまらないのでそんなこと言うのもなって感じ。

人間の頭部のフォルムをまったく隠すことなく猫耳つけてるのがヤバいと思う。後頭部の丸み
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ラストレター(2020年製作の映画)

2.7

まあ、ふつう。福山雅治が著書にサインを施すよって、手紙を元に書かれた小説はノスタルジックな過去と別れを告げる手紙としての機能を取り戻す。

ヴァン・ゴッホ~最期の70日~(1991年製作の映画)

4.1

ルノワールのような陽の下の昼食や川辺での祝祭(踊りによって舞い上がった土埃が光線をくゆらせる)が描かれるもシークエンスはジャック・デュトロンの身投げで結ばれる。笑い話で済まされるも希死観念がすでに濃い>>続きを読む

ゴッホ(1990年製作の映画)

3.3

アルトマンによる4時間のテレビシリーズを140分に編集した作品。兄弟の関係に焦点を絞った物語だが、空間を漂うカメラが場面の進行とは無関係なものにズームしていくカメラワークが物語上の主題と画面の細部を分>>続きを読む

炎の人ゴッホ(1956年製作の映画)

3.3

オーソドックスで古典的な伝記映画。ロケーションやセット、人物の配置ははゴッホの絵画をもとに設定され、逆説的にショットが撮られている。ゴッホの画風の変化に合わせて色彩も大きく変わり、炭鉱町の燻んだ黒っぽ>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.8

イーストウッドが目指したフィルム・ノワールへの志向はサム・ロックウェルとニナ・アリアンダを私立探偵と秘書のように会話させ、オリヴィア・ワイルドに色仕掛けを演じさせる。ワイルドが編集長に詰め寄る場面でブ>>続きを読む

男の世界(1934年製作の映画)

3.7

原題のメロドラマが意味するのは男同士の関係性であり、クラーク・ゲーブルからウィリアム・パウエルへの無償の奉公である。罪を一身に背負うゲーブルと真実に涙を流すパウエル。冒頭の時間経過描写はパウエルの見つ>>続きを読む

デモンズ3(1989年製作の映画)

3.5

今日観た他の2作に比べたらちょっと落ちる。自宅で襲われたバーバラ・クピスティがノータイムで窓を突き破って逃げるシーンが好き。

デモンズ’95(1994年製作の映画)

4.0

夜な夜な蘇る死者たちにヘッドショットをぶちかますのが日課のルパート・エヴェレットと相棒のフランク・ラジー・ハザロのコンビがかわいい。愛を誓ったアンナ・ファルチが死に、蘇り、殺し、別人になり、そしてまた>>続きを読む

アクエリアス(1986年製作の映画)

4.0

精神病院から脱走したサイコパスが劇団員を殺しまくる話。バーバラ・クピスティが通路で血のついたハイヒールを見つけた次に繋げれる縦構図のロングショットが孤立無援感を見事に表してた。ステージの下から鍵を抜き>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.8

スピーチをするマット・デイモンとクリスチャン・ベールとの視線の交差は、のちにベールとレモ・ジローネのそれとしてサングラスと高低差という反復とスピーチで名前をあげたヘンリー・フォード2世という差異を伴っ>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.5

塩田明彦がいうところの〈底〉が出てくる映画。豪雨の中ひたすら階段を下り、坂を下り、街を下っていくシーンに『悪の力』のラストを想起。小便や大雨という垂直軸に降下する液体のバリエーションの中に雪という流動>>続きを読む

サイモン・キラー(2012年製作の映画)

4.0

彼女にフラれたアメリカの元学生がパリの夜を徘徊し、ナンパしたり風俗に行ったりする。変な方向に思い切りのいい行動するから、コンスタンス・ルソーとデートしてるときにひっきりなしにかかってくる電話からとんで>>続きを読む

雄呂血(1925年製作の映画)

4.0

兎にも角にも人が多い。阪東妻三郎と追いかけ追い詰め捕縛せんとする捕手との大立ち回りは『キートンのセブン・チャンス』の剣戟版。

『カツベン!』のエンドロールの影響で観たんだが、剣戟シーンは中島貞夫『多
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ヒックとドラゴン 聖地への冒険(2019年製作の映画)

3.3

主人公のネガとしての悪役が物語の政治性を引き立ててる。ドラゴンの聖地が美しければ美しいほど、そのような場所が人間の世界には存在しないことが際立ってくる。

映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!(2019年製作の映画)

3.6

宇宙人の女の子ルーラがとってもかわいい。クレイアニメの質感、色彩のグラデーション、なめらかだけどなにか引っかかるような動き。『ジョーズ』のパロディはめまいショットまで再現してたのも良かった。

カツベン!(2019年製作の映画)

3.9

子ども時代、偶然にも牧野省三の活動写真に出演し、活動弁士と女優を志す成田凌と黒島結菜。スクリーンの内/外で結ばれる視線を予感していたが、予想以上の内/外の峻別が描かれた結末に驚く。二人の行く末を別つの>>続きを読む

フライト(2012年製作の映画)

3.5

再見。公聴会前夜に物音に誘われて隣室の酒をデンゼル・ワシントンが発見するシーンの物音はデッドボルトが出しっ放しのドアが風に吹きつけられたからなんだけど、これって『渚にて』みたいだと思った。

ダウンレンジ(2017年製作の映画)

3.8

90分、半径50メートルの映画。男女6人がスナイパーに狙われるという単純な設定から多くの危機とその打開策を次々打ち出してて超面白い。1時間経ったあたりから被害の規模と最初の死者の身体の損壊具合がひどく>>続きを読む

イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

3.5

自殺志願者のルイス・ガスマンを思い留まらせるのにジム・キャリーがギター片手にサード・アイ・ブラインドのジャンパーを歌うシーンが最高だった。ガスマンのみならず、下に居た人々や駆けつけた消防隊員も巻き込む>>続きを読む

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018年製作の映画)

3.7

‪PC的配慮が一切ないギャグとアクションの連鎖がスラップスティックの領域まで突入していくので困りながら大爆笑。スクラップ工場での格闘シーンは一瞬挿入されるエロディ・フォンタン視点のロングショットが大変>>続きを読む

フェルショー家の長男(1963年製作の映画)

3.6

ニューヨークからニューオリンズまでのロケーションによるアメリカ的風景とダニエル・ゲレが手がけたどことなく非現実的なセットとの奇妙な混ざり合いがほどよく心地良い。シャルル・ヴァネル扮するフェルショーは、>>続きを読む

抜き射ち二挺拳銃(1952年製作の映画)

3.9

オーディ・マーフィーのガラスぶち破りアクションが最高!『刑事グラハム/凍りついた欲望』に並ぶガラスぶち破りアクション映画ベスト。

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.8

カイリー・カランが超能力で野球少年殺害現場を特定するときの俯瞰の車列のショット、ユアン・マクレガーが運転係を務めるミニチュア機関車のネガティブな反復(安寧な眠りと苦痛の死の対比)なんだけど、死のメタフ>>続きを読む

地獄少女(2019年製作の映画)

3.3

地獄通信に名前を書き込んだ大場美奈が地獄を僅かに味わうとき、首から下が芋虫のような身体になるのだが、彼女を加害した森優作が地獄送りになる直前に布団をかぶって寝ているその姿が前述した大場美奈の姿によく似>>続きを読む

ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.7

明らかに『ランド・オブ・ザ・デッド』を参照しながら楽園の崩壊というこのジャンルにありがちな展開を回避し、祭典としての活劇を見せるクライマックスが素晴らしかった。ゾーイ・ドゥイッチのスプレーとおまけ映像>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

『もののけ姫』やん。

暗殺遊戯/キャンパスは凶弾のデスマッチ(1982年製作の映画)

4.0

ロバート・キャラダインの部屋にリンダ・ハミルトンが逃げ込むシーンの光と影に目が眩む。瞳と唇のクローズアップ、光の移ろいに誇張され、影が描く模様に隠される。存在の美しさが実像以上になる。映画が見せるもの>>続きを読む