sghrytさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.5

欲望のリミッターを解除してアクセル全開、フルスロットルで爆走した男の物語。スカッとするな!

アビエイター(2004年製作の映画)

3.5

圧倒的に莫大な情念を抱いてしまった人間は眼前の障害を悉く粉砕して行くところまで行く。自分の人生を人質に取られてとんでもないところーー往々ににして破滅ーーまで連れて行かれる。天才の孤独を象徴する整然と並>>続きを読む

デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)

4.0

なぜ人間はこうも易々と罪悪感の前に膝を屈してしまうのか。なぜ人間の太々しさ図々しさは罪悪感の一撃によって木っ端微塵に打ち砕かれてしまうのか。

罪悪感に制圧されない人間はそもそも自分が悪いことをしたと
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

3.5

登場人物、全員被害者。分不相応な望みを叶えようと平易ならざる鍛錬の末に満を持して念願の果実をもぎ取ろうとした瞬間に明かされた衝撃の事実を前に腰を抜かし膝を屈して心身ともに一気に萎え萎んだ挙句に悟りを開>>続きを読む

π(1997年製作の映画)

3.5

論理的狂人。ハイゼンベルクの不完全性定理によって万物理論の可能性は否定されたが、不可能の可能性に挑戦する過程で副産物が生まれることはある。それも、たまにあるのではなくて、よくああり、アリ、蟻、蟻、蟻蟻>>続きを読む

バベル(2006年製作の映画)

3.0

風が吹けば桶屋が儲かる。だが、風はなんの気なしにただ吹いただけであり、桶屋は儲かった原因を知らない。性欲の対象にならない限り自分の性を自認できない青春の苦悩。

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

3.5

頑固一徹偏屈ジジイは伊達に年を取っているわけではない。

アメリカン・ハッスル(2013年製作の映画)

4.0

FBIの囮捜査に協力した詐欺師の爆笑コメディ。主人公はFBIを出し抜く前に観客を出し抜く。「え!この主人公、クリスチャン・ベイルなの!?」と腰を抜かしたわ。まさに詐欺。『アメリカンサイコ』といい『マシ>>続きを読む

コンスタンティン(2005年製作の映画)

2.5

封魔の呪文がチープすぎて萎える。"IN NOMINE PATRIS"(主の御名において)のワンフレーズだけ連呼されても。

凶悪(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

人間が本当に悪くなると、人を傷つけて喜ぶことのほかに興味を持たなくなる(ゲーテ)。

悪人とは、人を傷つけて喜ぶことのほかに興味を持たない人間のことである。

「楽しかったんでしょ。こんなに狂った事件
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かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

4.5

泣いた。

かぐや姫を迎えに来る仏陀パレードは至高。愁嘆場に不相応なーーというか無意味なミュージックこそ永遠の別れに相応しい。死は人間の都合など一切お構いなしに訪れるのだから。

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

子供の死が革命を産み落とす。

ジャヴェールは神に従った結果、神に見放されるしかなかった。エリ・エリ・レマ・サバクタニ!

JAVER
“The world I have known is lost
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

前半「まあ面白いけど、ここまで評判になるか?」
中盤「ん?なんぞなんぞ」
後半「もうやめて…息ができない…」

窒息するまで観るんやで。

愛を読むひと(2008年製作の映画)

3.0

ハンナ・アーレント著『エルサレムのアイヒマン』(悪の凡庸さ)のオマージュ。

「あなただったらどうしましたか?」という純粋な疑問は普遍的だ。私だったらどうするだろうか?どうしようもないのである。命令違
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ステキな金縛り(2010年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

泣き言を言おうが八つ当たりをしようが死者は何にも答えてくれやしない。それがどんなに寂しいか。それでもふと申し訳なさそうな死者の顔が浮かぶ。それがどんなに切なそうか。やれやれ、死人に口なしとはよく言った>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.0

生き抜くためにホタテの形みたいに捩くれて進化した異常巻きのアンモナイトの物語。あそこまで捩くれたのは勝手に震えていたからだ。

「歪かあ……だから私、どっか自分と重ねちゃうんだなあ。アンモナイトがさあ
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.5

真理は醜い(見にくい)。ゆえに人間は真理より錯誤(今風に言えばフェイクニュース)を好む。ゆえにソクラテスの昔から愛国者ほど国民から糾弾される。これも「悪の凡庸さ」の一種だろう。
平凡な人間が国家の歯車
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キャロル(2015年製作の映画)

3.5

恋愛の超越性。恋愛は落雷のように上から降ってくる。痺れるとはよく言ったもんだ。あるいは落とし穴のように後ろから突き落とされる。恋に落ちるとはよく言ったもんだ。そこに性別は関係ないらしい。あまり。

D
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突入せよ!「あさま山荘」事件(2002年製作の映画)

3.0

警察側から見た浅間山荘事件。『実録・連合赤軍 浅間山荘への道程』と合わせて観たい。

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

4.0

連合赤軍から見た浅間山荘事件。

ある言葉に魔物が憑く時がある。この事件では「総括」という言葉に魔物が憑いた。

「お前は自分のやったことが分かっているのか!?言ってみろ!」「なんだそれは!全然分かっ
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2001年宇宙の旅 新世紀特別版(1968年製作の映画)

4.5

宇宙映画はだいたい宇宙を舞台にした映画であって、宇宙の映画ではない。たとえば、『スターウォーズ』は宇宙を舞台にした神話の物語、『スタートレック』は宇宙を舞台にした国家の物語、『インターステラー』は宇宙>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.5

アウトロー(法の外部者)。主人公がほくそ笑んだ口の歪み方、矯正器具で瞬きを禁じられた目ん玉に目薬を刺しまくる名シーンの数々。

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

3.5

決定論に対するアンチテーゼ。完全なる幸福が設計された人生は生きるに足りない。それでは、自由が与えられた人生ならば生きるに足るか?自由とは無秩序の代名詞に他ならないのに?問題は決定論か自由論かにあるので>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.5

足元に境界線がある。私はこちらにいて、彼はあちらにいる。ところで、私はどうしてこちら側にいるのだろうか?

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.0

敵の不在。殺意の欠落。日本に暮らす常民の感性にとって戦災が天災の一種であることがよく分かる。

哀しき獣(2010年製作の映画)

3.5

最善を尽くした結果、最悪の結末に至る。因果関係とやらはどうなっているのか。朝鮮民族は韓国、北朝鮮、朝鮮族の三つに分断されている事実を改めて知る。

チェイサー(2008年製作の映画)

3.5

間に合ってほしいことほど間に合わない。暴力の生々しさは肉体的な恐怖心に裏付けられる。

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.0

人間の悲劇は一つの出来事から二つ以上の意味が生まれるところから始まる。あるいは、一つの言葉から二つ以上の意味が生まれるところから始まる。自分の舌から離れた言葉はもう自分の言葉ではない。

王になった男(2012年製作の映画)

3.0

王の王たる所以は何か。血統か徳か。存在か行為か。王とは他者から王と認められた者である。その前提が崩れると革命が起きる。これは個人の自我でもそうである。

野獣死すべし(1980年製作の映画)

4.0

発狂しかけながら生きている正気の人間が「この世界は狂っている」と言うと、普通に生きている狂人から狂人扱いされる。

蘇える金狼(1979年製作の映画)

3.5

戦争のない時代に生まれた男の不幸。戦争に遅れた世代の不運。

(1985年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

この世の主役は人間だ。神や仏は脇役である。しかし、脇役がいなければ主役もない。

「この世には神や仏はいないのか!いるなら聞け!お前らは気まぐれな悪戯小僧だ!退屈しのぎに虫けらの様に人間を殺して喜んで
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(1990年製作の映画)

4.0

おそらく夏目漱石の夢十夜に由る。夢(非現実)のリアリティ。俺が俺という夢を見ているならば、夢を見ているのは誰か。誰だ。

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.5

利根川「こうした安定した場所で見ているともうそれだけで……しみじみと感じられる……普段感じることのできぬ『セーフティー』という名の悦楽……『安全』であることの愉悦……!」

Nobody’s faul
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