松竹時代の吉田喜重は苦手なものが多い。勢いだけの太陽族的な若者像がバカっぽくて苦手。
若き日のジョルジョ・アガンベン(22歳!)が12使徒の1人として登場します。
奇跡を起こした時に突然鳴り響く音楽がとても良い。やはり映画は神がかっていないと面白くないのかもしれない。
パゾリーニ自身は>>続きを読む
ストーリーはよくわからないし、わかったとしても特に深くも面白くもなさそうだが、1980年代的な、ジメッとしつつも開放的な空気感はとても良かった。
若かりし頃の蜷川幸雄が、顔も演技も役柄もみんなマヌケで笑ってしまった。池野成の音楽もちょっと滑稽に聞こえてしまう。
しかし、真冬の北海道の雪山ロケという過酷な環境でも、安定してバチバチに決めてくるカメ>>続きを読む
正直これは微妙だった。他の若松映画のほうがもっとヤバい。これはヤバさが薄い。
「屋上を密室にすれば面白い映画が撮れるんじゃねえか」という若松孝二の自信がどこから来るのか謎。
とは言え音楽はやはりカッコ>>続きを読む
彫刻のように美しい岡田茉莉子。その他の人々の肉体も、石のように硬く、静かに配置されているように見える。不安定に並べられたそれらの石は、いつしか音もなく静かに崩れ落ちてゆく。ちょうど、真鶴の石切場で静か>>続きを読む
小山明子、石堂淑朗らインタヴューを受ける証言者たちの音声より、ナレーションや無駄なSEの方が音が大きい。どうして大島渚と全く関係のない酷い茶番劇を見なけりゃならないのか。完全に大島組を侮辱している。見>>続きを読む
柔らかい陽射しに照らされて現れる亡霊。手酷いシーンや魔術的な演出もあったが、全体的に柔らかい映画だった。5時間あっという間の面白さではあったが、もっと緊張感のあるベルイマンの方が好みだな。
静かな浜辺、異様な存在感のある廃船を前にただただ不思議な時間が流れてゆく感じが、確かにアントニオーニやフェリーニを彷彿とさせる。
これまたバチバチにキマりまくっている。
初めてベルイマンやアラン・レネ、フェリーニを観た時の衝撃に近い。
撮影・鈴木達夫、音楽・一柳慧、もう言うことなし。最高。
新宿に亡霊が出る──新宿マッドという亡霊が……。
若松作品の中で今のところ1番好きかもしれない。最高だった。
タイトルからは想像もつかないが傑作だった。
これだけシンプルで寡黙な演出だと、暴力の凄惨さが引き立って良い。
後半からぐんぐん面白くなってくる。喜劇から悲劇へ。
渋谷実は軽そうで重い、重そうで軽い。不思議な重力感。
ここまで観客の神経をヒリヒリと逆撫でしてくれる映画もなかなか無い。
溝口健二は演技指導で俳優に「反射していますか」と言っていたそうだが、この映画も反射しまくっている。反射し合う俳優の身体がまず先にあっ>>続きを読む
毎年クリスマスの夜になると、一人お酒を飲みながら中島みゆきを聴いています…
こんなアジールのような空間に住んでみたい。
インド・バラナシにある伝説のゲストハウス「久美子の家」と登場人物が同じ名前なのが個人的に気に入ってる。
このレビューはネタバレを含みます
2011年の原発事故を経て、不気味にもアクチュアリティを持ってしまったように見える黒澤明の反原水爆映画。不安に打ちのめされて狂ってしまった老人は、精神病院に入れて「アンダーコントロール」するしかない。
なぜ、今『ヒロシマモナムール』のリメイクをやるのか、その問いにうまく答えられない諏訪監督。「忘れてしまうのが怖い」というセリフを何度も失敗するベアトリス。演技がぎこちない町田康。この作品の映画内映画で>>続きを読む
暗くて不明瞭な画面の中、死んだはずの人間の面影がちらつく、亡霊感のある映画だった。
ガラスで皮膚を切り裂くときの、鋭い痛みの感覚が、鮮烈な赤色を通して、次第に快楽へと漸進的に横滑りしてゆく…。
笠智衆が他人の家で暴れまくり、ちゃぶ台や窓や引き戸をぶち壊しまくるシーン以外退屈でしょうがなかった。
異常なテンションとスピードで、異世界まで連れていってくれる川島雄三大好き。
映画100年の歴史の最後に自分の顔のイメージで締めくくるゴダール。誇大なナルシシズム。
ヒトラーもナポレオンも果たすことのできなかった「宇宙のコントロール」を成し遂げたヒッチコック。
字幕で一回だけ大島渚の『青春残酷物語』の文字が出てきたけど、映像での引用はないし、特に言及もされないのは少し寂しい。
「映画とは何か? 何でもない」「映画は何を望むか? すべてを」「映画に何ができるか? 何かを」
この章、力強くてかっこいい
「命がけの美」というタイトルの通り、美や芸術や映画に関する情熱的でロマンチックな言葉が数多くあって、アツかった。
ジュリー・デルピーの良さ。
ゴダールはちゃんと人と対話できないのかね。
「何も変えてはならない すべてが変わるために」
20世紀のすべての映画の歴史であると同時に、来たるべきすべての映画の予告編でもあるという浅田彰の解説が面白かった。
『映画史』以降のゴダールは抑鬱的雰囲気があるが、その直前のゴダールは底抜けに躁だった。
後悔と微笑みを同時に浮かべるゴダールの顔がいつになく優しい顔をしていた。
言葉で語るのではなく、ただ見ることに内在して思考する。
ゴダールは編集室で一人イメージをシコシコいじっていて楽しいのか疑問になる。