床ずれさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

床ずれ

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郊遊 ピクニック(2013年製作の映画)

4.0

「行者」シリーズで李康生は都市を異化する「異物」であったが、ここでは人間立て看板として風景と同化し、埋没する。震えながら歌う歌から聴こえる力強い抵抗の意思。野良犬の闘いは長くて静かでアツい。

迷子(2003年製作の映画)

4.0

忘却、喪失、不安、孤独
画面といい、音の使い方といい、とても良く撮れているしめっちゃ好きなんだが、周りの評価低くて笑った。

江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者(1976年製作の映画)

4.0

覗く快楽、覗かれる快楽、殺す快楽、痛めつけられる快楽。。
ラスト5分の展開が神がかりすぎ

マレーと少年(1999年製作の映画)

2.0

パリパリドナドナパリパリドナドナ

突然のしんのすけとMizae
わけがわからないよ

ヴァンパイア(2008年製作の映画)

3.5

藤岡弘の探検隊をアピチャッポンがやったらここまで幻想的になるのか。背中に塗りたくられる血がリアル。人間の声とは思えない声で叫ぶ探検隊。夜の森は人を人でなくさせる。

カクタス・リバー(2012年製作の映画)

3.0

前半の早送りと、後半のコマ送り。アピチャッポン特有の静止画で宙吊りにされる身体。啓示的に画面に映り込む言葉。「Nong Khai is red, ghost is black」

ブンミおじさんへの手紙(2009年製作の映画)

4.0

2度反復して読み上げられる手紙は、正しく宛先へ届けられるのだろうか。迷彩服の男が掘っているのは一体何か。幽霊の視点で、埋められた記憶を掘り起こしているような気分。

My Mother’s Garden(2007年製作の映画)

2.5

バッタを捕らえる茎。毒々しく輝く宝石は食虫植物のよう。

第三世界(1998年製作の映画)

3.0

白黒の画面と、夢の話をする男の声。夢の中で母は年老いていた。雑音の中で誰かの記憶の深淵を覗いている気分。

3.11 A Sense of Home Films(2011年製作の映画)

3.0

アピチャッポン『Monsoon』
東日本大地震への思いを込めて作った3分11秒の短編作品。明滅する蛍の光。指先で蛍と戯れる男。最後に蛍は飛んで男は笑みを浮かべる。

ワールドリー・デザイアーズ(2005年製作の映画)

3.5

深い森の中で撮影クルーがチープなドラマやMVを撮影している。ゴダールの『ウィークエンド』や『東風』を彷彿させるメタ映画。
「遠い丘では人や獣が集い、森に埋めた夢を祭る」

エメラルド(2007年製作の映画)

4.5

誰もいないホテルの一室、大量の羽毛がゆったりと宙を漂っている。ノーンカーイの夢。兵隊の夢。男の顔が幻影となって現れる。ジェンおばさんの声が聴こえる。「あなたが帰るのを待っている……」

国歌(2006年製作の映画)

4.0

アピチャッポン自選短編集の全てのプログラムの冒頭で上映されるので、計4回観た。『光りの墓』の王女が登場する四阿に似たような場所で果物を食べたり、洪水の話をしていたり、おばさんが超能力を試してみたり、明>>続きを読む

続人間革命(1976年製作の映画)

4.0

丹波哲郎扮する創価学会2代目会長戸田城聖の頭脳に直接ドーン!し、折伏する日蓮大聖人役の仲代達矢!観てるこっちもパーンします。

人間革命(1973年製作の映画)

4.0

片山杜秀ゼミの授業中に鑑賞。東宝大スター達を揃えて創価教育学会設立の歴史を描くシナノ企画のスケールのデカさよ!
「そのときこそ!
人 間 革 命 」

悲情城市(1989年製作の映画)

4.0

牯嶺街と同じく、一度観ただけじゃ全然消化しきれない。歴史の重みとあっという間の2時間40分。

にっぽん’69 セックス猟奇地帯(1969年製作の映画)

3.5

君のためにダビングしてあげたよと、学部時代の指導教官からDVDを戴き、鑑賞。
アングラ、学生運動、乱交パーティー、性倒錯者、美容整形、ストリップ劇場、1969年の貴重な資料がてんこ盛り。頑張って修士論
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青春神話(1992年製作の映画)

4.5

水の上を漂うゴキブリのような青春。鬱な映像だが、不思議と心地が良い。ずっと漂っていたい。

男はつらいよ(1969年製作の映画)

4.0

これが1969年の作品というのに驚いた。政治の匂いが一切無い。あるとすれば、博の働く工場の労働者たちが寅さんに抗議するシーンくらいか。いずれにせよ、時代を問わず普遍的な傑作であることは間違いない。

ザ・ガーデン(1990年製作の映画)

4.0

ケネス・アンガー的悪夢
庭園が人工美を追求する営みの場だとすれば、この映画はまさに、人間の悪魔的な業を刮目する賽の河原であり、「魂の市庭」であるに違いない。

太陽(2005年製作の映画)

4.5

子供のような昭和天皇。無邪気な子供の笑った顔を見て嬉しくなるのと同じように、イッセー尾形扮するこの昭和天皇の笑う顔を見ると無性に嬉しくなる。

ロド二ー・キング(2017年製作の映画)

4.0

マイク一本で喋ってるだけなのに、こんなに「痛み」が伝わるのがすごい。憑依しちゃってんじゃないのってくらい、一瞬時が止まる…

LA 92(2017年製作の映画)

-

ロス暴動の勉強用に鑑賞。誰も何も得のしない暴動。なんの夢もない暴動。ただただ痛くて悲しい。

All My Life(原題)(1966年製作の映画)

-

アピチャッポンに影響を与えた監督の実験映画。
柵と花と空。ある意味、境目。

ラブホテル(1985年製作の映画)

4.0

題名からは想像もできない良作。
中島みゆきの「うらみ・ます」がなぜか頭の中でリフレインする。映画内では流れていないが。

魂のジュリエッタ(1964年製作の映画)

4.0

お祭り騒ぎが急に静まって、闇の中どこからともなく微かな囁き声が聴こえてくる。そして不思議な笑い声。フェリーニの映画でいつも好きな瞬間。

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

4.8

幽霊の視点で、壮大なロシア史の宴の中を96分間ノーカットで踊り歩いてゆく。時間の蝶番が外れてしまった「箱舟(ark)」。「未来のことはよく知っているが、過去のことはわからない」

悦楽(1965年製作の映画)

4.0

金が芳しく蒸発してゆく。香水のように…。
『修羅』といい、中村嘉葎雄はこういう役が似合う。

ドイツ零年(1948年製作の映画)

4.0

寺山修司の『ポケットに名言を』の中に、「歴史意識とは──しまった、とんでもないことをしてしまった、どうしようという悶えだ。」という小林秀雄の言葉が載ってあったが、この映画にもその悶えが映されてあった。>>続きを読む

無防備都市(1945年製作の映画)

4.5

おお、なんという強度……
「肉体は死んでも霊魂は死なない」という言葉が、こんなに恐ろしい呪詛となって聞こえたのは初めて。

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.5

今更ながら初めて黒沢清を観たが、いいねえ。ドグラ・マグラのアンポンタン・ポカン君のような殺人者。記憶は誤魔化され、殺人は反復され、すべてのものが予兆となる。

赫い髪の女(1979年製作の映画)

3.5

雨と血とセックス
石橋蓮司でないと手に負えん女