じゅんPさんの映画レビュー・感想・評価 - 34ページ目

じゅんP

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早春(1970年製作の映画)

1.4

これだけ絶賛しか見かけないとさすがに怯むけど、まったく好きじゃなかった。

直情的なメタファーの数々なんかどーでもいいくらい、何でこいつらのどこまでも自分だけしかない気色悪い話に耳を傾けなきゃいけない
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フォロウィング(1998年製作の映画)

3.0

ネタ探しのため街ゆく人を尾行していた作家の男が、ある人物を追いかけ過ぎたが故に迷い込む先の見えない螺旋階段。

低予算を全く感じさせないノーランのセンスは既に垣間見えるもののどこかパズル的。

ピース
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ぼくのおじさん(2016年製作の映画)

3.0

セリフ然としたセリフ回しも荒唐無稽の波状攻撃も超越して、この映画自体が丸々「ちょっと変わった親戚のおじさん」を体現していた。

狂言回しを担う小学生男子が良くも悪くも普通のいい子なので、そこにあまり面
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タンジェリン(2015年製作の映画)

2.6

日常を日常として切り取ってみせた「全編iPhone5Sで撮影」には素直に驚嘆するけど、編集も色味も音楽もガチャガチャと騒がしい。

ギラついた陽射しの中、トランスジェンダーの娼婦たちを中心に繰り広げら
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デンジャラス・ミッション(2016年製作の映画)

3.8

カンフーと80年代ハリウッド大作アクションに魅せられた、タランティーノフォロワー界の味は確かなジャンクフード。

展開のための展開が多用されてたり、コミック的な演出のダサさだったり、オマージュ元が超ド
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フォロー・ミー(1972年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

どーいう映画か全然知らずに観られてよかったー!

FOLLOW ME!の意味合い、追う追われるの関係性が次々と移り変わっていくスピード感と、相手が楽しんでくれたら自分も楽しいってのを観てるこっちまで巻
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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

4.2

物語を信じ、二本の弦と数えきれない技術・努力に託された思い。
俺も虫だったらまばたきせずに観れたのに!

語ること自体のハードルが高い分、良い意味で記号化された美しいstoryにすっかり浄化されました
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賭博師ボブ(1955年製作の映画)

3.4

な、何か変な手ざわりの映画だった。

酒と女とギャンブル、ギラギラしたモンマルトルを舞台に、主人公のボブがスマートに一世一代のバクチ打つ話かと思いきや、意外にも思慮深さに欠ける奴ばっかり。
めちゃくち
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海の沈黙(1947年製作の映画)

3.4

限定された空間、シチュエーションから生み出される緊迫感と感情の波。

たった一言に、ぐばっと持ってかれる。

モラン神父(1961年製作の映画)

3.4

序盤こそ宗教映画として真面目ぶってるんだけど、途中から完全に神父の虜になってしまった未亡人の独り相撲と化す踏み絵ラブコメ。

罪と欲の狭間で信仰心ブレッブレになってもなお、実直に導こうと手を差し伸べて
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いぬ(1963年製作の映画)

3.8

長回しのオープニングだけでも惚れ惚れするかっこよさで、延々と見ていられる。

終盤の二転三転、そこから薫り立つ男気、タイトル(原題)に回帰するラストカットまで、騙されること自体がエンターテインメントと
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

観てる最中も、観終わって考えてる今も、ずっと迷走してる気がする。

これはどっち目線で見ても復讐として成立してなくない?俺が読み取れてないだけ?

タイトルと母親の存在に引っ張られて、(弱い=繊細な獣
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グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.8

疾り出したら止まらない!
短絡思考で周りを盛大に巻き込み、泥沼めがけてダイブする猪突猛進ムービー。

スピード感とセンスで走り抜ける刺激的な時間を経て、エンドロールで残された爪痕が地味にいつまでもヒリ
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マイティ・ソー バトルロイヤル(2017年製作の映画)

3.8

オーディンの子育て失敗奮闘記 第3弾。

チートキャラ大集結で繰り広げる壮絶なドツき合い、というかドツき漫才。

迷いなくキャラクターを愛でることに特化したサービス精神は1作目、2作目に足りなかったと
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セルフレス/覚醒した記憶(2015年製作の映画)

3.8

90年代後半〜ゼロ年代頭くらいにかけてアホほど見たような設定のSFなんだけど、あざとすぎない流麗な親子関係の変遷と作り込まれたビジュアルで、似たような映画群よりも洗練されていた。

オマージュ全開なラ
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シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

1.0

たとえダメウーマンを演じようとアン様ほどの美貌をお持ちの方なら、男だけでも35億もいる世界でちょっとくらい人を虐殺してもめでたしめでたしになるんですね。

無自覚に性格ひねくれてんなー。

そもそもの
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.8

阿部サダヲにこれだけ雑味なく、それでいて可笑しい愛すべきキャラクターを演じさせた時点で大勝利。

掃除力の限界とか、あの演出に柿ピー使うとか、そこはかとなく漂う生活感が悲しい。

地べた這いずり廻って
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

(クライマックスの試合会場で、自衛隊に入りたいボーイが、バリカンの父親の めしいた目の代わりによく見て教えてあげるとこ、ナウシカみたいだなぁと思いました。)



演者は皆めちゃくちゃ体張ってるから言
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

2.6

前半はとにかく、語られる意思が恐怖や怒り一辺倒の辛気臭い悲劇。

最初は違和感でしかなかった母親のオペラが、荘厳な母性に昇華して父子を救うに至るところに感動はあるんだけど、全体的に発せられる熱量に欠け
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サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

3.8

ストーリーしっかり追える!笑

父の血を刻まれ、母の呪縛に包まれ、着実に育っていくモンスターの自我と偏愛の葛藤。
哀しき解放に心打たれる。

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

2.2

選ばれしものによる、自分との戦いの側面が強すぎて、完全に置いてけぼり食らいました。

島を出る前と出た後に、それぞれモアナの障害となる父親とマウイ、実はこんな悲しい過去が…みたいな後出し設定で誤魔化し
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天国と地獄(1963年製作の映画)

5.0

おもしろー!

企業の権力争いで魅せる冒頭からエンジンかかるのめっちゃ速いし、そこから誘拐、犯人とのやりとり、身代金受け渡し、警察の捜査とどんどんシフトチェンジして、話が分厚くなりつつ加速してくんだけ
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Mr.&Mrs. スパイ(2016年製作の映画)

4.2

二組の夫婦が互いのいいとこ吸収し合って友情はぐくむ様子が、コメディータッチでライトに盛り込まれてて好感。

ボケの手数に頼らずあくまでストーリー重視で、下ネタすらこの4人の関係性には必然だった。

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

銃規制強化法案を巡り、終始鋭いセリフの弾丸が飛び交う超超超超激しい言葉の銃撃戦。


皮肉って言葉が辿る皮肉な結末や、アダム・スミスもびっくりの天の恵みなど、天秤揺るがす大小様々な仕掛けに振り回されて
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

取り繕ってるつもりで本音ダダ漏れてるジジイとババアの究極のアンチエイジング。

よくそんなデリカシーないことするなぁと笑ってた言動が全部、品定めだったとわかるところで寒気を覚えるし、攫ってくる担当の若
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

2.6

この設定と恋愛映画の食い合わせがあまり良くないように感じました。苦悩が圧倒的に後手かつ足りない。

大事な時はいっつもスタイル良くて画一的なイケメンになってるけど、そこはかわいい老人とかめっちゃ美女と
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ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

5.0

理科の便覧ばりの生き物オンパレード。

『エル・トポ』と近似したテーマながら、「生」の身も蓋もない気色悪さと滑稽さは数段パワーアップしていた。

共振と狂信、爆笑必至の直喩で削ぎ落とされていく罪。
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エル・トポ(1970年製作の映画)

5.0

欲望に快楽に罪、理解の範疇を超越して脳に送り込まれる意味、意味、意味…。
激情の中に表出する"意味"の泉でした。

音楽の使い方イカれてるし、畏怖の対象を嘲笑うような、鋭くも鮮やかな一閃。

死神は報
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

5.0

仁義なき純愛!
知らん仏より、知ってる鬼の方がマシじゃけんのう。

衝動を、叫び声を、なんてうまく切り取るんだろう。

マンガ原作だからそりゃそうかって話なんだけど、あの町も祭りも方言も、架空の設定な
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.8

開放的エロと宗教dis全開の、ミュージカルコメディ。
モーテルの部屋の壁越しに全裸で踊って誘惑するとか独特すぎる。

主人公も島民たちも両極端に偏っていて、最期まで誰目線でどんな気持ちで観たらいいのか
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火事だよ!カワイ子ちゃん(1967年製作の映画)

3.8

消防士のジジイ達が元署長の誕生日パーティーを開催するも、企画も進行もグズグズすぎて、とにかくグッズグズになってくブラックコメディー。

当時のチェコの共産主義社会の実情を思いっきり笑いに変えて批判して
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ウェルカム・ドールハウス(1995年製作の映画)

3.8

中1女子・ドーンの暗黒青春地獄ツアー。

ドーンが見た目以上に内面で損しまくっていて、ちょっとした言動でそこまで悪い方に転ぶか!?って堕ち方するので思わず笑ってしまう。

容赦ない現実にマウント取られ
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クロウ/飛翔伝説(1994年製作の映画)

3.4

私怨を晴らす目的にしてはやりたい放題、周りに迷惑かけてるのが悪目立ちしていて、主人公あんまりいい奴じゃないなって思ってしまった。

『ダーク・シティ』にも通じる、寂れた「街」に惹かれる。

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.4

腹を踏みつけられて、じわじわと負荷かけられるような、嫌な感触に侵食されていく。

観終わってなお、倒錯感と鈍い傷みが腹に残る。

リングサイド・ストーリー(2017年製作の映画)

3.4

今の時代に、このクセがすごい人情噺を押し通しちゃう心意気。

手加減なしにクズな瑛太も、語り口の不器用さもちょうどいい。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

4.2

長らくDVD再発売してほしい映画断トツNo.1だったんですが、サントラ聞いて我慢する日々が終わって感慨深い。

漲るパワーと、美しきOrigin of love .
怒り、悲しみ、苦しみ抜いて自我から
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