soratobiさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

3.8

親は子どもを選べても、
子どもは親を選べない。

嵐の車内での会話、間合いが切なかった。
病室で離れていった"友だち"の手が、戻って来ることはあるのだろうか。

ラブレス(2017年製作の映画)

4.0

愛なき世界の愛について。

雪降るロシアの森、
いまにも崩れそうな廃墟。
時折映し出される物悲しい風景は
タルコフスキー映画のような静謐さ。

冷めきった"家"の中から
窓の外を眺めるとすべてが陰鬱に
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

3.6

デヴィッド・リンチの描く並行世界、
ダーレン・アロノフスキーの描く現世。
悪夢のトンネルを抜けて繫る世界。

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.7

あのムーンストーン号も、
チャーチルの言葉で窮地ダンケルクへ漕ぎ出したかと思うと熱くなった。

地下鉄ウエストミンスター駅へは"東"へ一駅。
民意を纏った言葉は、勇気という武器になる。

レッド・スパロー(2017年製作の映画)

3.8

流麗な展開に操られ、世界を駆け巡る145分。"国家としてのロシア"への想像が掻き立てられた。

赤くなった瞳から涙は流れない。

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.7

卵を安易に渡してはいけない。
関係性の逆転に人間の見たくない本性を見た気がする。

"聖なる鹿殺し" "マザー!"を観た後でも、これは恐ろしい映画。

マザー!(2017年製作の映画)

3.9

"鳥"のような映画かと思ったけど、
"人間"はもっと罪深かった。

母なる家でループする人間の不条理。

全てに隠喩が潜んでいそうな鮮烈な映画。
中身の濃いメイキングが違和感を和らげてくれたのでもう一
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.7

感動的な実話。
数奇な人生の旅路に共鳴する、
ダスティン・オハロラン、ハウシュカのおおらかな音楽が素晴らしかった。

素粒子(2006年製作の映画)

4.0

"真実は素粒子に似ている。
それ以上は小さくできないもの。"

海辺のラストシーンは数多くあれど、
哀しみと小さな希望で満ちていて美しかった。

ジャケットデザインとタイトルに惹かれて借りたものの、忘
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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.7

1枚のメモ。
偶然、些細なきっかけではじまるしあわせ。

ふたりで小さな絵を持って出かけ、
筆を買って帰るシーンがとても良かった。

パラノイドパーク(2007年製作の映画)

3.8

時折現れる滲み、ザラザラした世界と淡い光の反射が印象的。

脱力感に満ちた10代を代弁するような、
劇中音楽がとにかく素晴らしかった。
サントラでじっくり聴いてみたい。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.5

主役は田舎町の"負け組"少年少女。
"それ"に立ち向かう青春群像劇。

露骨に恐怖を掻き立てる映像と音楽に後半ダレてしまったけど、ストーリーは素敵。

獣道(2017年製作の映画)

3.3

主演:伊藤沙莉無双。
愛のむきだしへのオマージュを感じた。

BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

3.7

脚色なき鼓動。
多様な生、愛。

90年代、パリ、ダンスミュージック。

その時、若者の躍動する会話を追ううちに
ドキュメンタリーと錯覚した。

鮮烈なセーヌ川。


※原題: 120 batteme
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.4

シェイプ・オブ・ウォーターに通じる
ダークファンタジー。
しかしこちらは暴力を強めに感じて、幻想世界に入り込めず。

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.7

iphoneの画面の向こう側。
均一化される、家族、他人、愛、生、死。


無音のハッピーエンド。

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.2

‪不穏な音楽と、‬
‪執拗さを感じる構図の映像美は、‬
‪まるでヒッチコック映画のよう。‬

‪人ならぬ目線からのカメラワーク、‬
‪白い巨大病院には、無数の赤い"EXIT"。‬
‪出口はどこにあった
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アイスと雨音(2017年製作の映画)

3.4

演劇とリアルのあいだ。

1カット74分の器に流し込まれる、
舞台の表と裏。若者たちの1ヶ月間の生々しい感情。

新鮮な劇場体験だったけど、メッセージ性の強い音楽(うた)に持っていかれてしまった。

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.1

ティールと雨の幻想。
窓の外を走る水滴、青緑の濃淡の美しさ。

パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

4.0

先入観を捨てて、
劇場に観に行ってよかった。

今泉監督が注ぎ続けるサッドティー。
続「ちゃんと好きってなんだろう?」

"好き"と"孤独"のオセロゲーム。

今作ではその哲学に
心の隙間ではなく真ん
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午前3時の無法地帯(2013年製作の映画)

3.3

パンとバスと2度目のハツコイ対策に、
まだ観たことのない今泉監督作品を。
ここでも「好き」の男女偏差にまつわるあるある。

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.9

湿った森に光が射す時、
渇いた闇が姿を見せる。

ソフィア・コッポラが描く"森と館"の深淵。

ソドムの市(1975年製作の映画)

-

TSUTAYA渋谷コレクションの棚から。
これは本当に、観てはいけない映画を観てしまった気分。。

愚、醜を極めた行為に反して、
構図、構成の美しさが印象的。

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.6

教育と飼育の境界線。
塀の向こう側の世界を知ること。

観終わってじわじわと戦慄した...

グッド・ハート(2009年製作の映画)

3.9

タイトルの妙。
ダーグル・カウリ監督の描く、
オフビートに滲み出る、あぶれ者の個性。

裏路地の小さなBARに集まる、
癖のある登場人物と動物のやりとりに
終始くすくす笑う。

いつも同じ席に座って、
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.9

"怒り"から"行為"への連鎖。
物語を凝縮して汲み上げる脚本の凄み。

ただ、終始5段階の4ギアの展開で、
どこかで余白が欲しいなと感じた。

忍びの国(2017年製作の映画)

3.1

虎狼の輩、伊賀者の忍び。
最後にほんの少し中村監督色。

彼女の人生は間違いじゃない(2017年製作の映画)

3.5

題名の言葉の選び方がすばらしい。
最後まで観て伝わるその意味。

羊の木(2018年製作の映画)

3.2

桐島、部活やめるってよにも漂う、
どこにも収まらない空気。
特異な違和感。

羊たちの演技が素晴らしいだけに、
ヒリヒリした心理戦を期待していたが。。

早春(1970年製作の映画)

3.8

混ざらない原色の強度。
コートが気になって仕方なかった。

わたしたちの家(2017年製作の映画)

4.0

新鮮。
ユーロスペースで観れて良かった。

暗く、急な階段。
聞こえるはずのない音。
あるはずのない物。
失われた記憶。

家という"箱"のなかで繋がる平行世界。

誰かのいつかどこかは
誰かのいまこ
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.8

耳鳴りを消して、
過去を未来に上書きするための音楽。

物語の重低音はやや軽く感じたけど、
すっと入ってくるのは、
きっとリズムのせい。

音楽が頭に鳴り響き、心を動かす。
その一瞬の高揚感。

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.6

大切な人を想うこと。
列車から影が離れるシーンが切なかった。

坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK : async(2017年製作の映画)

4.0

codaからasyncへ。

ピアノと環境音(ノイズ)が
非同期に繋がる瞬間の美しさ。

坂本さんの手元、表情への
フォーカスが印象的。

偽りなき者(2012年製作の映画)

3.8

子どもを信じる大人、
大人を信じない子ども。

ラストの一閃を引きずってしまう映画。