親は子どもを選べても、
子どもは親を選べない。
嵐の車内での会話、間合いが切なかった。
病室で離れていった"友だち"の手が、戻って来ることはあるのだろうか。
愛なき世界の愛について。
雪降るロシアの森、
いまにも崩れそうな廃墟。
時折映し出される物悲しい風景は
タルコフスキー映画のような静謐さ。
冷めきった"家"の中から
窓の外を眺めるとすべてが陰鬱に>>続きを読む
デヴィッド・リンチの描く並行世界、
ダーレン・アロノフスキーの描く現世。
悪夢のトンネルを抜けて繫る世界。
あのムーンストーン号も、
チャーチルの言葉で窮地ダンケルクへ漕ぎ出したかと思うと熱くなった。
地下鉄ウエストミンスター駅へは"東"へ一駅。
民意を纏った言葉は、勇気という武器になる。
流麗な展開に操られ、世界を駆け巡る145分。"国家としてのロシア"への想像が掻き立てられた。
赤くなった瞳から涙は流れない。
卵を安易に渡してはいけない。
関係性の逆転に人間の見たくない本性を見た気がする。
"聖なる鹿殺し" "マザー!"を観た後でも、これは恐ろしい映画。
"鳥"のような映画かと思ったけど、
"人間"はもっと罪深かった。
母なる家でループする人間の不条理。
全てに隠喩が潜んでいそうな鮮烈な映画。
中身の濃いメイキングが違和感を和らげてくれたのでもう一>>続きを読む
感動的な実話。
数奇な人生の旅路に共鳴する、
ダスティン・オハロラン、ハウシュカのおおらかな音楽が素晴らしかった。
"真実は素粒子に似ている。
それ以上は小さくできないもの。"
海辺のラストシーンは数多くあれど、
哀しみと小さな希望で満ちていて美しかった。
ジャケットデザインとタイトルに惹かれて借りたものの、忘>>続きを読む
1枚のメモ。
偶然、些細なきっかけではじまるしあわせ。
ふたりで小さな絵を持って出かけ、
筆を買って帰るシーンがとても良かった。
時折現れる滲み、ザラザラした世界と淡い光の反射が印象的。
脱力感に満ちた10代を代弁するような、
劇中音楽がとにかく素晴らしかった。
サントラでじっくり聴いてみたい。
主役は田舎町の"負け組"少年少女。
"それ"に立ち向かう青春群像劇。
露骨に恐怖を掻き立てる映像と音楽に後半ダレてしまったけど、ストーリーは素敵。
脚色なき鼓動。
多様な生、愛。
90年代、パリ、ダンスミュージック。
その時、若者の躍動する会話を追ううちに
ドキュメンタリーと錯覚した。
鮮烈なセーヌ川。
※原題: 120 batteme>>続きを読む
シェイプ・オブ・ウォーターに通じる
ダークファンタジー。
しかしこちらは暴力を強めに感じて、幻想世界に入り込めず。
iphoneの画面の向こう側。
均一化される、家族、他人、愛、生、死。
無音のハッピーエンド。
不穏な音楽と、
執拗さを感じる構図の映像美は、
まるでヒッチコック映画のよう。
人ならぬ目線からのカメラワーク、
白い巨大病院には、無数の赤い"EXIT"。
出口はどこにあった>>続きを読む
演劇とリアルのあいだ。
1カット74分の器に流し込まれる、
舞台の表と裏。若者たちの1ヶ月間の生々しい感情。
新鮮な劇場体験だったけど、メッセージ性の強い音楽(うた)に持っていかれてしまった。
先入観を捨てて、
劇場に観に行ってよかった。
今泉監督が注ぎ続けるサッドティー。
続「ちゃんと好きってなんだろう?」
"好き"と"孤独"のオセロゲーム。
今作ではその哲学に
心の隙間ではなく真ん>>続きを読む
パンとバスと2度目のハツコイ対策に、
まだ観たことのない今泉監督作品を。
ここでも「好き」の男女偏差にまつわるあるある。
湿った森に光が射す時、
渇いた闇が姿を見せる。
ソフィア・コッポラが描く"森と館"の深淵。
TSUTAYA渋谷コレクションの棚から。
これは本当に、観てはいけない映画を観てしまった気分。。
愚、醜を極めた行為に反して、
構図、構成の美しさが印象的。
教育と飼育の境界線。
塀の向こう側の世界を知ること。
観終わってじわじわと戦慄した...
タイトルの妙。
ダーグル・カウリ監督の描く、
オフビートに滲み出る、あぶれ者の個性。
裏路地の小さなBARに集まる、
癖のある登場人物と動物のやりとりに
終始くすくす笑う。
いつも同じ席に座って、>>続きを読む
"怒り"から"行為"への連鎖。
物語を凝縮して汲み上げる脚本の凄み。
ただ、終始5段階の4ギアの展開で、
どこかで余白が欲しいなと感じた。
桐島、部活やめるってよにも漂う、
どこにも収まらない空気。
特異な違和感。
羊たちの演技が素晴らしいだけに、
ヒリヒリした心理戦を期待していたが。。
新鮮。
ユーロスペースで観れて良かった。
暗く、急な階段。
聞こえるはずのない音。
あるはずのない物。
失われた記憶。
家という"箱"のなかで繋がる平行世界。
誰かのいつかどこかは
誰かのいまこ>>続きを読む
耳鳴りを消して、
過去を未来に上書きするための音楽。
物語の重低音はやや軽く感じたけど、
すっと入ってくるのは、
きっとリズムのせい。
音楽が頭に鳴り響き、心を動かす。
その一瞬の高揚感。
大切な人を想うこと。
列車から影が離れるシーンが切なかった。
codaからasyncへ。
ピアノと環境音(ノイズ)が
非同期に繋がる瞬間の美しさ。
坂本さんの手元、表情への
フォーカスが印象的。
子どもを信じる大人、
大人を信じない子ども。
ラストの一閃を引きずってしまう映画。