mementooreさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

トゥルー・クライム(1999年製作の映画)

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ダーティ・ハリーにも言えるのかもしれないけれど、主人公の男の距離感が壊れていることが引っかかっている。同僚の妻と不倫をしてそのことで会社内の人間関係で揉めても、自身の妻ともめても、自分の娘に怪我を負わ>>続きを読む

アルファヴィル(1965年製作の映画)

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エレベーターが下がって上がったり、螺旋階段を登って方向が不明になったり、左へ退場してから再び左から出てきて右に去ったり、カメラが左右にパンしまくったり、ある扉の前にいたはずのカリーナが別の扉の前に瞬時>>続きを読む

2/デュオ(1997年製作の映画)

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諏訪敦彦初見。即興演技の話は割とどうでもよくなりながら見た。寂しい映画。主人公の後ろ姿、後頭部が中央を占めてそれ越しに話し相手の顔を見る、主人公の顔は直接見えないが鏡に小さく映っていたりもする。全然切>>続きを読む

ベレニス(1954年製作の映画)

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ナレーションの音声と映像がすごく消極的な関係しか持てていないのではないかと思って面白く見た。カラオケのモニターみたいなものとして終盤まで見ていた。てんかんとか歯とかポーらしいモチーフで最後の方奇妙な形>>続きを読む

機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

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テレビ画面とか戦闘機のモニターとか、スクリーンの描写がとにかくかっこいい。

イノセンス(2004年製作の映画)

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思ったよりも見やすかった。筋自体はシンプルで手数も少ない。人形になろうとする人間(サイボーグ、義体化)と人間になろうとする人形(アンドロイド)という古典的な話。失踪した草薙素子がネットの世界を浮遊して>>続きを読む

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.8

素晴らしい。ファーストガンダムのことを終盤思い出しながら見た。水中を、死んでしまった登場人物たちが泳ぎ再会するシーンで、キャラクターのことを思った。肉体は腐敗せず井戸や川の底を滞留している。そして浮上>>続きを読む

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

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戸惑った。今まで見たことあるブレッソンと比べるとものすごくノイズというか画面の動きが多い。シーンもゴリゴリ変わる。ひたすら反復反復みたいな、修行みたいな楽しみ方をするものだと思ってた。木が倒れてくシー>>続きを読む

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

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「ホーム」の描写がめっちゃ良かった。iPhoneの広告みたいな映像を美しい吐息を飲んで見る。

ウラジミールとローザ(1970年製作の映画)

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前半めちゃくちゃ面白かった。面白くてびっくりした。終盤普通にアジテーションになってしまって、音声と映像が同期して監獄からの一つの〈声〉みたいになってて、そのシリアスさは理解できるんだけど、むしろそれこ>>続きを読む

デッドマン(1995年製作の映画)

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ジョニーデップだったのエンドクレジットまで気づかなかった。魂の巡礼みたいな話そこまで嫌いなわけじゃないんだけど退屈してしまった。ネイティブアメリカンのおっちゃんがずっとうさんくさくてよかった。

スカイ・クロラ The Sky Crawlers(2008年製作の映画)

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終わらない日常と大人になれない(ならない)オタク、のようなテンプレゼロ年代的モチーフ。前見た時は最後のシーンの独白でかなり感動した記憶があったけれど薄れた。
それよりも戦死した仲間が名前と声だけを変え
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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.9

おもちゃのおわり。トイストーリーでずっと目を引いてきたのはおもちゃたちがそれぞれに「持ち主に飽きられてしまうのではないか」ということへの神経症的な恐怖を常に表してきたことだった。おもちゃにも終わりがあ>>続きを読む

トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)

4.0

無印トイストーリーで「おもちゃである」ことをウッディとバズが互いに深く受け止める物語だったのに対して、本作では「アンディという男の子の所有するおもちゃである」ことが問われていた。アンディは今は自分のこ>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

4.5

顔へのクロースアップと飲み会シーンでの小気味いいショットの連続。倦怠期の夫婦が離婚を決めそれぞれに娼婦や若い男と「遊ぶ」一夜とその翌朝、というのが大筋だけれど、時折現れる抒情たっぷりの独白からチェーホ>>続きを読む

プレイタイム(1967年製作の映画)

5.0

『ぼくのおじさん』で素朴に快活に描かれていた人間の滑稽な愚かさが『プレイタイム』でも繰り返し主題に上がる。終盤、オープン初日のレストランのシーンの狂喜乱舞ぶり、とにかくぎゅうぎゅうに人が押し込められ、>>続きを読む

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

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映画は偽物で本当の現実は映画の外にある、という二項対立は明確にフェイクだというのは前提に、じゃあ映画人たちの乱痴気ぶりを「現実じゃない」「狂気」として糾弾するシーンはどう受け止めたら良いのか。
映画は
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トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

4.5

良いぞ良いぞとは聞いていたけどかなり良かった。バズが、自分自身が空を飛ぶスペースレンジャーではないと気付くシーンのロマンティックな悲劇性と、そのバズを再び励まし主体化へと誘うウッディのセリフがとてもと>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

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面白かった、音楽音響がめちゃくちゃすごい。
家が取り壊され西武開拓時代を思わせる馬車から降りてきた移住者たちがそこに家を建てるシーンがあるけれど、まさにこのことによってホラー映画だったり民俗学的テーマ
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ゲームの規則(1939年製作の映画)

5.0

イプセン式、過去の自分の内面がある種の裁判の中で罪とされ罰されるタイプの近代劇。リア王の構造を幻視しながら見た。だけどイプセンやリア王のように家で起きるのではなく、あくまでパーティーのための別荘という>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

2回目。
ヘクタポッドとの接触がスクリーン越しに行われるという構造が主人公の自宅の壁一面窓ガラスのリビングルームと重なっているのに気づいた。娘との思い出は屋外で、スクリーンの向こう側でおこなわれている
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.8

主人公ドワネルは両親との不仲とそれに端を発した不良行為が原因で家出や窃盗を繰り返し、鑑別所にまで入れられることになってしまう。両親から離れ、唯一自分のことを理解してくれた親友とも別れることになり、ドワ>>続きを読む

メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

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数年ぶりにゴダールを見た。ジガ・ヴェルトフ集団の時の映画にかなりやっていることは近いのだけれど、画面の構成はもう少しポップ、ロメールくらいポップだなと思った。
ある人物名が発される時には必ず汽車の汽笛
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

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何を思えばいいのかわからなかった。
疑似的なネットサーフィンを映画だと言い張られても困る。スクリーンにタブをいくつもポップアップさせてスマートフォンやPCのウィンドウに見せる表現というかショットで、造
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