Moominさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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余命10年(2022年製作の映画)

4.7

監督を追いたくなるような作品

余命10年の女性
そんな彼女が出会う、死にたかった男性

よくありがちな設定
どう見せていくのか、どこを見せていくのかの演出勝負
そこにしか目がいかない程の見方にはなっ
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スモーク(1995年製作の映画)

4.5

映画を読み解くことの面白さ

街の一角に佇むたばこ屋さん
そこに訪れるお客と店員を軸に、それぞれの人生に潜り込む
感覚はアモーレス・ピレスのような

映画を観るのも受動であってはいけないなと 代わり映
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わたしは分断を許さない(2020年製作の映画)

-

途中断念

世界に蔓延る社会問題に、近い距離でカメラに収めていく 記録映画

大学で勉強してきた映画とは乖離していて、どこか耐えられなかった

映画を作ろうとしたのか
映像表現をしようとしたのか
伝え
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牛久(2021年製作の映画)

-

制作の意図とは

牛久入管所を隠し撮り
どんな実態なのか。昔の話じゃなくて、ほんの少し前の話

ドキュメンタリーの強さを感じる一方
ドキュメンタリーってこうでいいのかなって
面白さに欠けるかもしれない
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スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)

4.6

映画は時に芸術的に映る

16歳 高校生のスザンヌ
周りの同級生のノリとはウマが合わず
退屈した日々に一回りも歳上の男性と出会う

スザンヌのささやかな表情の変化がこの映画美しくする
それは作られた顔
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ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

-

映画では無いかなと。

解説映像のような
映画にするほどの内容でも

お酒のツマミにはなる
でもこれ作っちゃうと、映画の意味あったのかなあと

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

5.0

久しぶりにドハマり。

ちょっとした飲み会のちょっとした一声から2人の男女の運命が動き始めて
背景には就職が描かれ現実軸の悩みと上手く絡み合わせる

何気ない気さくな演技と、セリフと、場面設定と、今作
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.8

初めての人が見ても分かるような構成

武器として育てられた女の子が
郵便会社の代筆人になって世界を知るお話

画の優雅さは言わずもがな
音楽まで美しい

それでいて構成も上手い
観客を良い意味で裏切る
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街の上で(2019年製作の映画)

4.8

何故こんなにも見ていられるのだろう

下北沢の古着屋店員が主人公
代わり映えない日常に
少しの非日常が混ざったときの
混乱具合が描かれる
人生ってその連続

冒頭から始まる今泉さん特有の
台詞回し
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ロゼッタ(1999年製作の映画)

4.9

これが映画のショットっていうやつかね  

ロゼッタ
アル中の母の元仕事を探す
数ある救いの手に彼女がどんな決断をするのか
カメラは永遠と彼女を捉える

カメラーーー。
ダルデンヌ兄弟はどこまでが計算
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.9

なんか一生敵わないんだろうなと

ふとしたきっかけに故郷に帰ることになるが 主人公にとって故郷は良い思い出ばかりでなく 彼の生きた証が深くあった

競うものじゃないんだろうけども
こんな映画作れないん
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.5

評価高い理由が理解できる

別れたことが前提で始まる男女の日常
ふとしたきっかけに。ある誕生日の1日を数年間分振り返る
「ちょっと思い出したかのように」

『愛がなんだ』『ボクたちはみんな大人になれな
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生きちゃった(2020年製作の映画)

4.0

観る人の視点によりけり

ある一つの幼馴染のコミュニティを切り取った作品
大人になり、結婚し、子供が生まれ
しかし付き纏う夫婦間での問題
破綻していく家族関係に、言いたいことを口にすることができない主
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃに好きだった

30歳の誕生日を迎える主人公
才能を抱える彼にとってそれは人生の岐路の1つだった
自分の身近、バイト先や恋人との問題。そういった所に細かく視点を当てていき、自分という人物が
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.5

想像以上に良質な作品

ちょっとした恋模様から近所の銭湯で働くことになった主人公
しかし銭湯の夜の顔を知ってしまった主人公
恋と暴力との掛け合い…

無駄のない脚本
要素が少ない分、余計な雑念が生まれ
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空白(2021年製作の映画)

4.7

空に放たれた「疲れたな」

日本の現代にも蔓延る中高生による万引き事件と交通事故
その被害者と加害者に焦点を当てる
いや、今回の場合は加害者ではないかもしれない

手持ちのカメラが作品を通して良い演出
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.9

感動とかを超えて、鳥肌が立つ

4人の登場人物が軸となり、それぞれの生活が描かれる
誰にでもある人生においての躓きや絶望を描く
そこで共通した「満州里に一日中座っている象がいる」という微かな希望
彼等
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帆花(2021年製作の映画)

4.8

あけましておめでとうございます。
今年で映画の大学は卒業し、テレビ業界に就職しますが、これからも映画製作への夢は続きます。何卒よろしくお願い致します
(映画を作りながら働きます)

新年一発目は先輩の
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

良質な映画であるのは間違いない

だからこそクライマックスの伝えたい所がそこなのか…という印象
そこに至る過程の映像と演出、絶妙な気持ちの表現は確かに凄かった
視線の誘導やカットバックの多用、伝わるは
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.8

松岡茉優。

彼女の恋愛遍歴のお話。
憧れた王子様一(いち)
職場の同期のニ(に)
双方との恋愛模様を松岡茉優の怪演によって映し出す

この演技を評価せず何を評価するんだろうか この作品のテンポは微々
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アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

5.0

ド傑作

訳も分からぬカーレースから始まり主に3つの人物構成で話を進める 一見別次元のお話に見えて、クライマックスにその意味が分かる

『愛』の物語 それもどれも悲劇の。
分かりやすくも、かなり細かい
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チーズとうじ虫(2005年製作の映画)

4.9

人の温かさの描き方の一つ

母親の姿、生活を映す 母のガンが見つかってからも、娘からの視点で家と家族と母を映し出す
いくつもの構成に分けて、物語を並べる

彼女にしか撮れない家族を、ただのホームビデオ
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

4.0

歌を歌うもののロードムービー

女性二人と男一人 解散を決めた後の全国ツアーからお話しが始まる

劇的なドラマ 恋愛がある訳ではない分
歌が輝き過ぎていた それが狙いと言われれば何というか
エンドロー
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記憶の戦争(2018年製作の映画)

4.8

ベトナム戦争時 韓国軍による虐殺の被害を受けたある村の生存者が語る

前半・後半
前半は3人の生存者にフォーカスを当てたインタビュー構成 その時何が起き、何を見て、何を感じたのか
後半はタンおばさんの
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

4.8

自分を形作る上で出会った登場人物達

現代軸のお話から あることをきっかけに過去とその時代を振り返る
誰と出会い、どんな言葉に自分の人格が形成されたのか それはいつ、どの時代であったのか

観る人によ
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サンドラの週末(2014年製作の映画)

4.0

復職かボーナスか

休職中の女性が復職を目指し同僚を説得するロードムービー

「その手に触れるまで」
と打って違い、淡々と日常を映し出す
ボーナスか同僚の復帰か
ダルデンヌ兄弟監督作は俳優の演出がめち
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バケモノの子(2015年製作の映画)

4.7

キャラクターの個性

もう四回ぐらい観てる
役所広司演じるクマテツと宮﨑あおい演じるキュウタの師弟物語 クマテツのキャラクターが今作の物語を突き進めていた

圧倒的街の実景から景色や風景の印象が強い
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きこえなかったあの日(2021年製作の映画)

4.5

誰かが拾わなければ出来ない映像作品

耳の聞こえない方々の震災の日から、監督はカメラを回し記録してきた
その人達がどのように生き、社会がどう変わっていたのかまで視点を広げる

監督が対象者に寄り添う姿
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

5.0

学生最後の映画製作もあと一週間で終わる
精神的に映画を見る元気が無かったから、こんな時期にサマーウォーズを観る

2009年上映でこの内容の密度は驚きざるを得ない

先輩の彼氏のフリをする主人公のひと
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

5.0

世界中のきっとどこかにいる
まだ戦争が終わってない者の物語

仕立て屋である主人公が
1945年からおよそ70年振りに会いに行く
収容所開放から匿ってくれた一人の青年に

足の悪い主人公 80後半では
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理大囲城(2020年製作の映画)

4.2

一種の記録映画

香港であった大規模な民主化デモ
今回はその中の理大学に焦点を当て、内部からその時何が起きたのか、その過程を映し出す

撮影者も監督も分からない それがこの作品を物語っているが
見た感
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その手に触れるまで(2019年製作の映画)

5.0

語り過ぎない美学

13歳の少年が宗教に触れた時
多感な時期に世界を知る少年が起こすアクションが観客を良くも悪くも感動させる

名作の匂いが次から次に押し寄せる感覚
主人公の少年が寡黙でありながら内な
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無言歌(2010年製作の映画)

4.3

ワン・ビン

右派に起きた悲劇 圧倒的地獄の世界

据え置かれたようなカメラに事実が浮かび上がるような映像 その一つ一つが生々しく、ボロボロであった
彼らにとって淡々とした日々が地獄の日々であったこと
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命の始まり/いのちのはじまり 子育てが未来をつくる(2016年製作の映画)

4.5

赤ちゃんとは 子供とは

世界の親と子供と専門家に焦点を当て 赤ちゃんとは 子育てとはを語る

様々な観点から子育てについて
IVを軸に子供の行動・言葉にカメラを向ける
果たして大切なことは何なのかに
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IDOL-あゝ無情-(2019年製作の映画)

4.0

1度しかない瞬間をカメラに

アイドルオーディション。
候補生よりも自ずと浮き彫りになるBiSのメンバーに焦点が当たっていく

アイドルオーディション
それは特にそれぞれ人間の感情が移り変わる瞬間が日
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

4.8

才能溢れる作品

漫談家である主人公が、女性と出会い、恋が実り、その別れまでを描く

ウディ・アレンの名作と呼び声高い今作
基本に忠実とされた技法の中に、彼の個性が飛び回っている
秀逸すぎる会話に台詞
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