つるばみ色の秋津凡夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 40ページ目

つるばみ色の秋津凡夫

つるばみ色の秋津凡夫

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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

1.4

マッチョイズム

オープニングの音楽を聴けば一目瞭然だが、非常に大味な物語の組み立てとなっている。
だが、冒頭のパルクールを活かしたスタントアクションには華を感じた。
新世界を前に往年の筆跡ばかり見つ
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

2.4

厚顔

過度に粘り気の強い画面もあったが、全体的な装飾は力強い。
だが、物語としての纏まりが予定調和の域を出ず、創造性に欠けており、痴話喧嘩に辟易とさせられる場面が多い。
それはプラスでは無いというだ
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パラダイス 愛(2012年製作の映画)

1.6

美醜

タイトルの通り、身を委ねたくなる空気がある。
と、同時に窓を放ち外へ出たくなる空間が同居している。
もし俯瞰で見れたなら、そこはパラダイス。

プロメテウス(2012年製作の映画)

1.4

落石

序盤の繊細な運びから、こうも見事に転落するとは思わなかった。
冒頭のカットではラヴクラフトを彷彿とさせる美しく力強いSFの世界を見事に捉えているのに、いかんせんそこに生きるキャラクター像が粗い
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クラウド アトラス(2012年製作の映画)

1.0

こそ泥

人も世界も物語も、欺瞞や過信ばかり。
ナンセンスで想像性の欠片も無い。

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

1.7

野次馬

表層の影を追うに過ぎない。
彼ならば、この様に弛緩した演出は望まない。

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)

1.5

精一杯の

分かりきった事をわざわざ言うんだ。
刺激を求めていた母の手をそっと繋いだだけ。

けれど本当に愛しているならば、抱擁では無く平手で一矢報いて欲しい。

劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel II. lost butterfly(2019年製作の映画)

1.9

落陽

食と蝕、性と生の炸裂。
教会から抜け出した桜を追いかけ、公園へ辿り着く士郎。
この時、境界線を何気なく越えて行っているのだが、これはまさに猛練習した高跳びの成果なのだ。
その後の2人のやりとり
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

2.5

だめんず・うぉ〜か〜

監督の「光をくれた人」は、憎悪に近いくらい嫌いであるが、本作はバランスの取れた演出が生き生きしており、陰鬱な未来を無理やり肯定する様な事もしておらず好感が持てた。

その街のこども 劇場版(2010年製作の映画)

2.2

意図した訳ではない。偶然、今日鑑賞した。
当時4歳、揺れ以上に必死に私を守ろうとした母親が印象的だった。
そんな大袈裟なと思いながらもう一度眠りにつき、目を開けると、まるで特撮の世界にいる様で不謹慎な
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ウォールフラワー(2012年製作の映画)

2.1

瞬き

青春物語として適当な配置。
子供が楽しそうにしている姿はそれだけで価値がある。

最強のふたり(2011年製作の映画)

3.0

夜風の便り

フィリップの望み通り、本作にはユーモアと清々しい風が吹いている。

複製された男(2013年製作の映画)

2.2

ママン

冒頭からアクセル全開、色とりどりの演出に感心する。
顔にかかる糸を払い除け、辿り着いた先は敵の巣の中、己の性だった。
けれど僕らはそれを自覚した上なのだからタチが悪い。

みかんの丘(2013年製作の映画)

2.0

ヒューストン

演出は地味だが、簡潔で明瞭な構成が光る。
だが、何か足りない。
自家撞着の何かが。

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

1.6

平凡パンチ

他者に依存する程、繋がっているとも思えない。
単純に熱量が足りない。

家へ帰ろう(2017年製作の映画)

1.9

だらだら延命

込み上げるものはある。
ただ、それだけの事。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

2.2

遺影

煉獄を彷徨う清太。
成熟した人間になる事をどう償えば許されるのか。
待て、而して希望せよ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

2.8

思い上がり

前作とは打って変わって、全ての演出が映画仕様にアップグレードされている。
その新しい風を声優も感じ取っているのだろう。
とても丁寧で直向きに演技されている。

命がけで積み上げてきた美を
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

1.5

スーパースロー再生

元がテレビアニメである為、映画として非常に退屈でこれ見よがしな演出が多い。
停電に輝く夜空を見上げてから、漸くキャラクターのドラマも発進した。
するとあっさり終わるものだから消化
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

1.5

マカロニサラダ

キング・シュルツの計画の進め方はまだ理性的であり、だからこそ内に秘める激情にグッとくる。
それに比べジャンゴは凶に走っている。
寄せては返す人種差別意識の一端を担っているのはタランテ
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コクリコ坂から(2011年製作の映画)

2.3

ジ・エンド

美しいエンディングを迎えた後の余韻の中で、彼は本当に心からアニメを楽しめたのか。
そう思わずにはいられない。

アニメは大人と子供の狭間に位置する。
正確には、不自然にも自然にもなれる自
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ダークナイト(2008年製作の映画)

1.3

ババ抜き

画面のアメコミ具合は笑ってしまう程忠実で、絵コンテが目に浮かぶ。
しかし、ハービーの悪堕ちやゴッサム市民の選択など陳腐なドラマは健在で、アニメなら兎も角人間が演じるとむず痒い。
加えてバッ
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

1.7

蜘蛛

前作に比べ、脚本や演出面では劣っているが、ベニチオ・デル・トロの役者としての厚みが数段増している為、締まって見える。
また、カオスなメキシコの悲劇は前作以上に生々しく胸に刺さった。

互いに解
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

1.8

孤独の境界

素晴らしいサスペンスドラマにぐいぐい引き込まれるが、過度に真面目で退屈。
監督、脚本家のジャーナリズムが自由に生きる土壌を奪っている。

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

1.2

演出が過ぎる

画を追求するのは結構だが、人間の見せ方がコミックのままであり、アンバランスな仕上がりになっている。
どうしてCGの嘘臭さに敏感な監督が、この違和感を見過ごせるのかが分からない。

オマールの壁(2013年製作の映画)

1.2

スーパーマスターベーションブラザーズ

つまるところ、誰も自身の罪を省みていない。
非常に短絡的な物語。

ニーチェの馬(2011年製作の映画)

1.5

彫像

横たわる死に添い寝する。
無機質をなぞる指先も同じモノクロ。
光を見つめる事さえ死を見つめる様に思える。
ただ、底冷えの物語。

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

1.9

もぬけの殻

静かで動かない演出に酔いしれる程、私は貴方を知らない。
何かを成そうとして空回りするならば可愛げがある。
美しいが志が低い。

斬、(2018年製作の映画)

2.2

冥土の土産

監督としても役者としても、塚本さんは好きだ。
だが、池田氏のアニメの様にキャラクターをデフォルメした演技や、蒼井氏のテレビドラマの延長にある身体の動きやテンポに落胆する。

剣に生きる時
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アルゴ(2012年製作の映画)

1.3

弟を見習え

初めて鑑賞したのにも関わらず、まるで同じCMのリピートだ。
ハラハラドキドキの焦らしも、こうも御約束だと逆効果である。
マルチな活躍を見せるベン・アフレックの引き出しには空の薬莢しか存在
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

2.3

友よ

事実に忠実なだけではなくエンタメとしての嘘を織り交ぜる事は良いが、上から塗しただけで満足しているチープなドラマが目立ち、楽曲の強さも相まってクドく感じた。
外野の感動や興奮を取り上げてばかりの
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

1.3

マジカルミステリーツアー

イエローサブマリンをパンクに寄せたのだろうか。
しかし、土台が無い印象を受けた。
積み上がらないオーケストラ。

続・終物語(2018年製作の映画)

1.5

供養

傷物語の様な劇場仕様感は皆無。
それは御約束でありお馴染みの絵作りで無くてはならない理由があるから。
シリーズ物の辛い所はここにある。

マルドゥック・スクランブル 圧縮(2010年製作の映画)

1.2

枯渇

既視感ある安いドラマや演技が古臭い。
予想外を見せるのがSFでは?

神々と男たち(2010年製作の映画)

1.8

御題目

良い顔を揃えてあるが、単調な観せ方に飽きがくる。
中盤以降より漸く演出に力が入るが、彼が映したいのは存在や葛藤。
劇や本を媒体にした方が楽しめるだろう。