つるばみ色の秋津凡夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 39ページ目

つるばみ色の秋津凡夫

つるばみ色の秋津凡夫

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きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

2.8

熱闘

物語が暗く閉鎖的である為、色彩や音楽でバランスをとる配慮が有難い。
其々の役者が分かり易い演技を貫いており、作品にエネルギーを与えていた。
また、夢見るエルマーの覚悟を最大限発揮するシーンは素
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

1.6

砂上の楼閣

建造物や小物で心象や状況を丁寧に表現するも、画面に目新しさや美しさは感じなかった。
また呼吸音の表現は胸にくるも、その後の展開はあっさりしており潔くも虚しい。
浅野氏は伸び伸びと演ずる事
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

1.4

気取り屋

次から次へと繰り出される音楽がアクセルとなり、観客を易々と物語へ連れ去る。

だが、後半からベイビーを善良と示したいが為に差し込まれるリアリティの無い表現が鼻に付く。
確かに彼なりの葛藤は
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

2.6

空腹の羊飼い

人と物に忠実な楽曲と、喜劇の様な役者の表情・仕草により、すんなりと作品の中へ入り込める。
また本来の目的であるシェイクのミキサー販売とは真逆に位置する粉シェイクへ走るという末尾への伏線
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

3.1

ツァラトゥストラ

海面に上がる心地、山を下る心地。

匂いまで伝わる繊細な画面、象徴的且つ寄り添う音楽、キャラクターの仕草や動作、声優の上質な演技に大脳を掴まれた。

作中に直接的に引用されている「
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LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標(2014年製作の映画)

1.9

蘇る美学。

平凡な演出だが、テーマは明確で清々しい。

これぞ私が少年時代に憧れたルパン三世。
煙草の美味さを知り得ても、永遠にその背には届かない。

ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(2017年製作の映画)

1.8

人類の勝利、個の敗北、神への引き分け。

演出に斬新さや美しさは見当たらない。
また物語の肝では無いが、声優の演技で示すのみで、実際のゲームの過程・心理面が描かれていない為、リクの心象にいまいち乗れず
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

2.5

栄光の濡れ鼠

始まりを告げるMy Generationに心を鷲掴みにされ、隠喩に富んだ表現の数々に驚かされた。
また、山田監督の描くキャラクターのあざとい仕草には辟易だが、本作では毒のあるキャラクタ
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ビニー/信じる男(2015年製作の映画)

1.9

我が証

音響効果により物語をテンポ良く魅せたが、戦場であるリングと自宅のリビングが交互に映される度に画面の温度が下がっており、大接戦の緊張感を失っていた。

自分を低く見積もらず、直向きに努力する姿
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セールスマン(2016年製作の映画)

1.8

生の破綻、死の連帯。

キャラクターの生活の中での音。
役者の表情が巧みだった。
ただ本筋から外れるが、寂しいからという身勝手な理由で押し入り暴行事件の疑いがある部屋に知人の子を預かる神経が理解出来な
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

1.1

高度に発達した過干渉は、魔法と見分けがつかない。

勇気ある長回しが、効果的に気まずさを増幅させるが、同時にそれは短所でもある。
役者の演技は素晴らしく、非現実的な家庭環境を生々しく魅せた。

ストレ
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僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

2.1

ジン

人間の温かみに溢れた画と音。
主演キャラは勿論、それ以外の役者も良い仕事をしていた。

技能を失い残る価値。
ネイサンの選択はオウムを蘇らせるだろう。
だが、母親への感謝ははっきり描写すべきだ
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

2.1

信仰の先の信念。

緊迫感あるシーンの連続に、こちらも固唾を飲んで鑑賞。
初志貫徹の体現とも言える彼の行動に、素直に胸を打たれなかったのは、恐らく敵方が日本兵である事。
その描き方に過度な偏りは感じな
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残像(2016年製作の映画)

2.6

心を閉ざす者達。

研ぎ澄まされた画、心象に呼応するかの様に弦が震える音楽。
彼の遺作と思うと、物語が一歩進む度に立ち止まりたくなる。
政治や主義が殺したのか。
いや、どんな圧政が敷かれようとも、それ
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ローマ法王になる日まで(2015年製作の映画)

2.2

結びを解きて心を結ぶ。

個性的では無いが、カメラワークのセンスが良い。
投下シーンはぞくりとした。
音響も派手さは無いが、実直な印象。
クライマックスでの鼓動音は良い表現に思う。
ただ史実をなぞるに
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光をくれた人(2016年製作の映画)

1.1

他者の灯り、他者への灯り

海の表情だけで素晴らしいカットが幾つもあった。
ただ、トムの心の雪解けに納得出来るだけの材料が描かれていない為、戦地で受けた傷の深さも、それを癒すだけのイザベルの光も感じな
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

2.1

清い濁り

気取らない音楽に好感が持てた。
ただ現実と非現実との間の様な家族である為、人間同士の交錯・別離までぼんやりとしている。
清濁併せ呑む度量が豊かな人格を形成する事に異論は無いが、これが愛ある
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彷徨える河(2015年製作の映画)

2.5

ジャングルが持つ繊細なる美を余す所なくカメラに収めていた。
自然と文明の音楽に人の表情が良く映える。
だが、天嶮を難なく踏破する二人に驚嘆。
幾ら何でもそれは非現実的である。
そしてメッセージが前へ出
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百日告別(2015年製作の映画)

1.1

終わり始まる

ショパンの旋律は問答無用で美しい。
だが役者の表情や仕草は取って付けた様なぎこちなさを感じた。
また、事故後に育偉が他の女を抱きながら妻を想い泣くシーンや、シンミンのソロハネムーンでの
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(2017年製作の映画)

1.4

暗闇

印象的なカット、強調される環境音が光に照らされていた。
ただ、音声ガイド以外のシーンでも過剰なまでに表情の一部をクローズアップの長回しで撮り続けており、演出とはいえ行間を読み取らせる誘導がそれ
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

2.8

誠なれ

心を映す画。
人生を表す音楽。
受け手に委ねる役者の間。
どれも一級品だった。

犯した罪に対する罰が与えられないどころか、慰めや優しさを持って迎えられてしまい、どうしようもなく壊れてしまう
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メッセージ(2016年製作の映画)

3.4

水墨画の様な美しい表義文字がスクリーンを泳ぐ度に息を呑む。
アメリカと中国は表音文字と表意文字との対比であり、冒頭から末尾までは円環で繋がれる。
音響演出もあちらの世界を撫でるかの様な不気味な美しさで
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カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

2.2

煌めく風景も人も、悪行も愚行も一本の道。

描かれるのはどうしようもない人間の性。
流れる音楽はどんなシーンでも明るく笑い飛ばす皮肉として機能している。

身勝手な彼等には転落人生がお似合いだが、その
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ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

3.2



恐ろしく美しい画、ふと差し込まれる繊細な音楽が素晴らしい。
役者の表情も迫力があり、特に啖呵を切るシーンには衝撃を受けた。

その欲望と誇りは雨となり、大樹を育む礎となる。

怒り(2016年製作の映画)

2.2

感動的な場面で感動的な音楽を大音量で鳴らすと言うベタな音響演出に乗せられてしまった。
ただ、宮崎あおいは設定上仕方ないが、大半の役者の幼児の様な喜怒哀楽を長回しで映す事により、感情をそれ程表に出さない
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

1.9

リア

動乱の中で空回りする音楽が印象に残る。
また服の着こなしが似通った登場人物が大変多く、さらに内部派閥の諍いや敵方の人間との交流が絡まるなど人間関係が複雑である。

社会のせいにするのは良くない
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.3

邂逅

ヘロイン依存性の様に集う悪友の背後に映る破滅も、ノンストップで走り続ける悪態も、拭えぬ罪も、行き詰まりの人生も、憎しみや殺意でさえもが彼等を構成する大切な要素であり、だからこそ可視化されぬ彼等
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.1

健全なる社会へ贈る剃刀入りラブレター。

享楽的な音楽、燻る若者の演技が良い。

不敵な笑みに映るラストカットは、ワーキングクラスに渦巻く負そのものであるかのようだ。
才能なき者が劣悪な環境から抜け出
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

2.1

2つのバトン

冒頭の印象的な風景が我々とサルーを繋ぎ、末尾の歓喜の声が我々の気持ちを代弁する。
だが寝ている弟に対して謝辞を述べても、単なる自己満足にしか見えない。
きっと別の機会に改めて伝えたのだ
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

2.5

和合を描いた作品。

心の清らかさをそのまま映した画。
民族文化の違う音の交わり。
優しさに溢れた演技が胸を打つ。
描くべき所と描かない所のバランスが絶妙であり、説得力と余韻を残す仕上がりになっている
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

2.3

調和

犯罪である事を自覚したなら、罪を償う姿勢まで描くべきだと感じた。

我が子を思えばこその熱烈な教育。
しかし子供が真に大人になる瞬間は、保護者の庇護から外れた所や、反抗にこそ宿る。
たとえ鹿を
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

1.7

ノア

シンゴジラと違い、程良い大きさで暴れ回る為、迫力ある映像が撮れている。
音楽もお国柄という雰囲気が出ていて良い。
だがウィーバーがコングと心を通わせるシーンはありきたりな描写で物足りない。
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

1.7

人恋しい病に罹った人々に絡まるご縁の糸を手繰る物語。

音響が良く、映像演出やキャラの動きはユーモラスだが、過剰に思う部分も多々あった。
脚本はご都合主義であるが、それをご縁と言われると反論の余地など
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

2.3

壊れた心を壊す物語。

点検し分解する事から、理解とはかけ離れた破壊に変換された為に、デイヴィスが得た爽快感を感じる事が出来なかった。
またカレンの家庭問題に関しての結論が投げやりに思えた。
しかし邦
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ムーンライト(2016年製作の映画)

2.7

光明

冒頭では過剰なカメラワークが目立ったが、それを補って余りある美しいカットの数々。
Boris GardinerのEvery Nigger is a Starに始まる秀逸な楽曲。
役者の演技に至
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セッション(2014年製作の映画)

3.4

鉄粉

ドラムの鼓動は死したる文化の哮り。
独善的に削ぎ落とし、無理矢理得た歓喜と連帯。
追い風など吹きはしない。
ただ、ラストに味わう確かな高揚感に愛は無い。
悲劇としても半端に映る。
しかし、魔力
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