つるばみ色の秋津凡夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 39ページ目

つるばみ色の秋津凡夫

つるばみ色の秋津凡夫

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日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

3.2

イカロス

数値化できない葛藤、収束。
神ノ線を越えなければならなかった彼等の無念を感じずして、今日を生きる事などとても出来ない。

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

2.8

藪の中

本作の演出全てに言えるが、中でも音楽は終盤までキャラクターを突き放しており、凡ゆる笑えないジョークをコミカルに映す事に成功している。

悲劇や不条理を斜めに捉え、映画へと昇華する事で、忌まわ
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

2.2

五里霧中

オーセンティックな作りである為、演出に目新しさは無いものの、愛情を込めて丁寧に撮れている。

しかし、己の都合で発足したバンドであるのに、メンバーを置き去りというのは些か不誠実に思う。
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孤狼の血(2018年製作の映画)

1.8

埋められど喰われず

小道具のひとつひとつが懐かしく、舞台構成に貢献していた。
また、強烈なエログロは無いが、本気の東映ノワール映画を撮らんと奮闘しているのが伝わり、久方振りに画面から血の匂いがした。
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

3.1

幸せだと私は叫ぶ

これまでの暗喩的表現や構図の巧みさはそのままに、本作では撮影でも新境地を開いており、音響演出も圧倒的で、かつて無いほどに雄弁。

本作は音楽を通して諦観という青春の瞬きを幸福に捉え
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劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ(2017年製作の映画)

1.9

アダルトチルドレン

前作よりも脚を強調しており、黒タイツに意味を持たせている事が伺える。
しかし、京アニ演出と私の波長が合わない為、さして響くものは無かった。

だが、個人的に大嫌いだったテレビシリ
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劇場版 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ(2016年製作の映画)

1.7

早送り

星の対比以外は画面は退屈で、役者の演技・キャラクターの仕草や表情にも心を揺さぶられるものは無かった。

また、久美子の技術的な成長の裏付けとなる練習部分や青春を駆ける心理描写は丁寧とは思えず
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

2.5

解放

豪華絢爛の画面と音楽。
役者の演技は、まあ酷い。

自慢のおもちゃ箱をひっくり返して見せびらかす所から始まり、そんな自分を眺める所に行き着き、次世代のオタクに説教じみた事を言いながら、羨ましさ
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

2.4

時代錯誤

中盤からの伸びは良いが、演出全般がスロースタートである為、どこか物足りない気持ちが残る。

ありふれたハリウッド映画の構成に本作も当てはまり、鼻に付くプロパガンダや稚拙な勧善懲悪も幾つかあ
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

1.8

ネバーランド

音響演出に工夫が無い為、単調さが際立っており、画面や役者の力もそれを覆す程では無かった。

また、予告編より懸念していた稚拙な地下鉄シーンは言わずもがな、チャーチルもその他の議員も、奥
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BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

1.3

無効

どこか他人事の社会に対する怒りも、容赦無いタイムリミットに焦る心も分かるが、幼稚で低俗で非効率的な行為の数々を見過ごす訳にはいかない。
かつては真摯に訴えていたのかも知れないが、描かれているの
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

2.6

玉座

チキンとポテトの対比や、バリー・コーガンの独特のリズムが背景になる程にアガメムノンの張り詰めた弦を想起させる音響演出が際立っていた。

マーティンの父親の死が描かれていない為、彼の復讐に爽快感
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

2.9

融和

五月雨式に動くカメラに酔いはせず、幻想的な世界に魅入られた。
幻想と言えば、音楽。とても可愛らしく、饒舌。
善悪問わず役者の演技も良かった。
ただ、カレンダーに記入する行動が浮いており、観せ方
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

1.5

綺麗事

冒頭より嘘臭さ全開で画面や役者が彩られており、いつ裏返してくれるのかわくわくしていたのだが、ひっくり返ろうがシリアスだろうが、一向に舞台から降りてこない。
人間ドラマの安さが演出では無い事に
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

1.8

弱者利権

怒りの赤が徐々に変化していく物語に軽やかな音楽が良く映えていた。
が、見飽きたキリストのモチーフが鼻につく。

また、キャラクターの殆どが短絡的な思考の持ち主であり、倫理観もおかしい。
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デトロイト(2017年製作の映画)

2.9



画面演出に暗喩的表現が殆ど無く、非常に現実的である為、評価が難しい。
また、ハンディカメラで舐める様に映し続ける為、キャラクターと受け手の距離が近く、良くも悪くもデトロイトの長い夜を共に過ごした
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

1.9

アケルダマ

画面・音響はベタながら最後まで格好良く、前作に引き続き旧三部作に絡めた演出が、往年のファンを喜ばせる作りになっている。

だが、脚本構成が悪い。
特にローズの決断など、味方を全滅させかね
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スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

1.4

懐古

懐かしの画、懐かしの音、懐かしのキャラクター頼りの演出だが、旧三部作以来となるコメディのノリが復活しているのは良い。
辺境の星の寺院で佇むルークが振り返ると、先ず最初にフレームインしてくるのが
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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

1.6

カエサル

希望を知らせる音楽、仮面の艶やかな黒が印象的だった。
しかし、ユアン・マクレガー以外の演技は如何にも大仰で、肌に合わなかった。
冒頭でオビ=ワンに助けを求める自軍の兵がいる。
その彼に冷た
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スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

1.4

ユリウス

終盤の暗闇に映えるライトセーバーは少年心をくすぐるが、不自然なまでに血液を見せないのに違和感を覚える。
子供への配慮ならば、尚更カメラと役者の技量が問われるところだ。

本作の肝は、クロー
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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

1.4

ガイウス

御大層な楽曲が目立つが、音響演出には確かな進歩を感じる。
しかし画面演出、特に場面転換はまだまだ鮮やかで無い。
また、ペルニラ・アウグストの表情とユアン・マクレガーの体捌きは惹きつけられた
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人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

2.2

秒針

音楽は中盤以降良い。
しかし画面に華が無く、主人公よりも脇役の方がキャラが立っている為、全体的に地味で鈍重な印象を受けた。

目新しさは無いが、その分安心して観れる。
しかしその単調なリズムが
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スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(1983年製作の映画)

1.4

草葉の陰

演出が全体的に良くなっているが、現代の映像表現を基準にすると、やはり突っ込みたくなる箇所は多い。

また、最後まで脚本がフォース(御都合主義)と共にある為、この壮大で切ない物語に能天気な印
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スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年製作の映画)

1.2

判別機

前作とは対照的な白銀の世界に吸い込まれるが、カメラワークがダラダラしている為、展開の割に物語のテンポが間延びしている様に感じた。
また、お馴染みのダースベイダー卿のテーマが新たに増え物語を支
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.0

開眼

主演男優女優助演男優賞持ってけドロボーと言いたくなる程の名演技の数々。
皮肉屋の脳味噌を擽る画面演出に唸らされる。

本来見るに堪えない代物であるのに、それどころか凝視してしまう挑発的な冒頭。
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

3.2

恋文

燃え上がるような油絵の儚さ。
抽象的であるからこそ、際立つ人間の垢。

過度に美化された脚色は本人にとって赤面ものだろうが、それも彼の願いが成就した証のひとつ。
潔く、向日葵の様な笑顔で鑑賞し
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

1.1

感謝

冒頭、本作の有名なテーマソングが流れた瞬間驚いた。
幼少期から知る馴染みのこの曲が、とても新鮮に聴こえたのだ。
一見大味なメロディの様で実に不思議な魅力がある。
しかし、カメラワークや画面演出
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.0

静謐

波打つ光と黒々とした影のコントラストが、美しき恐怖を際立たせ、馬や羊、蜂や聖痕などの表現のバトンを受け継ぎ、歩みを進めようとする気概を感じる。
また、音楽は低音の強調が耳障りな所もあるが、未踏
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

2.0

赦し

雨に反射するネオンの圧倒的な光量、梟の目や折り紙の暗示など演出力が際立っている。

しかし冴えた画作りに対し、役者の演技にはまるで興味が無い監督の姿勢が、デッカード怒りのハラスメントを誕生させ
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

1.9

誰が為に

画面演出のバランス感覚は冴えているが、音響演出はストレート過ぎる。
数々の伏線に気付いた瞬間のみ高揚するが、リアリティの無い描写に恐怖など抱くはずもなく、白人のチープな演技も相まってどんど
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おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

2.2

遠くの絶景

本作への意気込みを音楽に感じる。
雪山でのシーンはキャラクターと同調し、歓喜の心が画面から伝わってきた。
しかし、その他の演出やキャラクターの表情・仕草は丁寧ではあるが、予定調和の域を越
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

1.1

夢の跡

さらに熱を帯びる画面、真っ赤に燃え上がる男達に水を差すのは、既視感のある薄く軽いデモ、本心からで無くとも結局は己を正当化する事で逃げ続けた京子の下品な叫び、覚悟も無しにしゃしゃり出てくる竹輪
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel I. presage flower(2017年製作の映画)

1.5

延命措置

物語が熱を帯びる戦闘シーンでは相変わらず格好いい画をばっちり決めており、静かな心もストーブの灯りなどで表現できている。
ただ、音響やキャラクター・声優の演技はテレビ画面サイズから広がってい
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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

1.9

テレフォン・パンチ

特別な美しさや迫力のある画面では無いが、ロケーションや小道具がベタながらも生々しく、そこに役者のマイペースな演技が溶け込み、世界を構築している。
だが、画面や人間模様からは一昔前
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ドリーム(2016年製作の映画)

1.7

火種

雑なCG処理であろうと、聡明さが感じられない演技であろうと、ロケットの打ち上げには問答無用で童心に返らせる効果がある。
また、多様な楽曲に物語を預ける事で爽やかな作品に仕上げている。

暴力的
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

2.2

防衛論

冒頭30分でマシンガンの様に繰り出されるツェッペリン号、ローマ水道、ベーコンなどの画面演出。
しかし、前編後編に引き続き、キャラクターの動きや役者の演技は不満が残る。

理屈を越える為には、
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