千葉真一のキャリア初期作品のような軽さが漂う。バンコクでチンピラに襲われる場面で、執拗に彼らに下段を攻められる千葉真一が何とも言えない。
清順にしてはやたら心理的で面食らう。山田禅二の事故死をテロップで処理するいい加減さ。釈放された川地民夫が松本典子と実家に帰ってくる場面での軒先での執拗なピント送りが大変そうだった。
やたら照明に気合いが入っていて画面が暗かったりするのが面白いけど、ひたすら鈍重なドラマが展開されたり、物語の制約上仕方がなくドテッとクローズアップが入ってきたりで中々辛い。撮影が厚田雄春。
終始辛気臭いミステリーが展開されてるけれど、最後に取って付けたような吉田輝雄と竜雷太の列車連結部の扉開閉対決が繰り広げられ、そのままだだっ広い土管などが積まれてる土地で追いかけっこが始まるのには笑った>>続きを読む
ラストのめちゃくちゃ車が走ってる通りを倍賞千恵子と吉田輝雄が走って横断するところが何だったのかよくわからない。
間抜けな犯人がブロンソンを襲ってしまいました的な映画ではあるけど、マ・ドンソクがブロンソンほど超人じみてなくユーモアがないし、犯人による殺しも単なる説明に終始しているたり、相手にした組織が強すぎるため>>続きを読む
真相が明らかになる契機が部屋のカーテンを開くアクションに依るのが良くて、幾重に散りばめられている鏡やガラスのイメージがここに収斂していくのにも凄みがある。
そういう作品を志向していないのは承知してるけど、それでも言語的すぎるきらいがあるのが気になる。マリコの実家ベランダから飛び降りる場面や、フェイスマスクを被った男を殴る場面での画面処理の仕方など。
車のトランクを開けるときは人物を仰ぐ位置にカメラを置くのかと少し驚いた。あと、ロミー・シュナイダー登場場面で律儀に彼女を振り返らせるところなど。
一番の盛り上がりとなる仲人夫妻同席での佐野周二断罪から高千穂ひづる登場場面や、高千穂と手切れの話をする場面など、室内で椅子を立ち座り部屋を出たり入ったりを小気味良いカットで捌いて動きを出してくれるから>>続きを読む
冒頭、佐野周二の声だけが聞こえるキッチンでのやり取りから襖が倒れてカメラ前に登場する流れのエキセントリックさが笑えるが、そこからは扉や窓の使い方が面白いくらいでだいぶ大人しい展開に終始する。
冒頭から基本的に車内の視点にあったカメラが、走る車を真正面から捉えたと思うと後ろから列車がやって来てそのまま並走までしてしまうというところからも伺えるほど徹頭徹尾贅沢な映画だった。井土紀州の後頭部越し>>続きを読む
フランスだろうがどこを舞台にしようが登場人物たちはどこか遠くへと向かわねばならないのだという映画。ルー・カステルが閉めるシャッターの音が鳴り続ける中、2つ空ショットが挟まれ、4人が階段を降りて船に乗り>>続きを読む
ネタ明かしありきの展開は気になるけど、犯罪に手を染めるまでの踏ん切りの良さとか、立て篭もり中のバスにSWATが突入してくる辺りの盛り上がりなどまさに小品なB級っぽさが悪くない。
偽物の園まりが松原智恵子に渡哲也を譲る形でステージに立ち歌を唄う場面での、園まりが本人役を演じていることすらどうでもよくなるほど、まさしく本物が憑依する瞬間があることに驚く。
『容疑者Xの献身』の冒頭でアパートの部屋を上手く使ってサスペンスを演出していた人とは思えないくらい真っ当なミステリー映画に仕上げていて何とも言えない。登場人物が多くて誰が何してたとかどうでも良くなるし>>続きを読む
幼少期から水槽の魚をひたすら見る側だったのんが遂にテレビのフレームに収まり見られる側に回る瞬間が感動的であるし、その様子を見守る柳楽優弥の表情を捉えたショットも素晴らしい。柳楽優弥は物凄い域に達してる>>続きを読む
『事故物件』の内開きの扉に覆い隠されてるクローゼットの不気味さが良い。個人的には『黒い家』のそりゃ窓開けて外出たらそうなるわというお決まりの展開が好み。
前職の不倫相手との追いかけっこが単なるアクションを求めてのものになっていたり、二度目の逃走のあと、公園で水風船を気に投げつけるアクションと並行して過去回想を片付けてしまうスマートさが面白い。
『魔窟神出鬼没』での老婆の登場のさせ方がかなり意外。いかにして若者を再び廃墟へ戻るように仕向けるかというのが上手い。
河辺からカメラが右にパンしていきエッフェル塔全景を捉えるショットがダイナミック。
萩原みのりが校門前で車の迎えを待つ場面での中条あやみの会話が少し怪しいなと思いつつも、その後の特に何の意味もない会話劇が程よいリズムで展開されていくから乗せられる。
照明のレベルがバグってて正に眼福。ポツンと一本の木が佇むショットが素晴らしい。
冒頭のゴダールが車に乗り込むまでのギャグがタチを彷彿とさせて面白い。鳴っている音と画面で繰り広げられている様子のテンションがチグハグなところが魅力的。
ミエヴィル編の方が好み。ゴダール編で男が愛のある触り方に気付くというくだりは笑った。
冒頭のシークエンスから、時間の省略とともにドラマをすっ飛ばし既成事実として人間関係を成立させるというのを徹底してやっているけれど、どうしてここまでスムーズにそれをやってのけるのか感嘆する。常に次のショ>>続きを読む
『腐臭』での来るとわかっててもしっかりとインパクトを残してくれる景気の良さが清々しい。『ようすけくん』でモザイク処理された女性が玄関先で甲高い声を出しながら意味不明な話をしてくる恐怖もありつつ、最初の>>続きを読む