trswさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ファーゴ(1996年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

真っ白な雪に死体というポスターに もっと「レヴェナント」とか「love letter」みたいな静謐な物語を想像していたのでそこは裏切りを感じてしまった ところどころ美しいカットがあるのもなんとなく引き>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

クソ長映画なんですけど変に壮大さとか出すわけでもなく、メタを意図した横からの視点で軽妙に爆発・殺人が繰り広げられる

ストーリーとか実はそんなに理解できてなくてもいいところがわかるという意味ではいい映
>>続きを読む

セックスと嘘とビデオテープ(1989年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

この映画にパルムドールを獲らせたものは一体何なんだろう?
たしかに要所要所のセンスはいいんだけど驚くほどのものもない 面白くないなんてこともない あ、でもあの観葉植物のところは良かった

性生活につ
>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.7

ネットフリックスって最低で、、、Ben E Kingが最後まで聴けなかった それってこの映画観たっていえないだろ....

小学校の頃の友達で今でも仲良くしてるのってはっきり言って1〜2人だ
当時は
>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

酔っ払うとよく All Men Must Die!は是が非か みたいなことが頭をもたげてくる

それで毎回 自分も含めて全ての男性はやっぱり今すぐ死ぬべきだ!って結論になる(なんかこれ削除されそうだな
>>続きを読む

サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.5

なんで見たことなかったの、、、?なんとなく親の前でアニメ映画観るのって未だに恥ずかしい

こんな完璧な映画もそうはないでしょう

民主党政権が生まれる1ヶ月前の、あの頃に生まれた映画だと思えるだろうか
>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

-

これ家で見てもなんだな、、、、、

第二次世界大戦が美しいフランスの海岸の青空の下で行われていたってこと 当たり前なんだけど恐ろしいことだ 僕らはモノクロームの映像と写真でしか第二次世界大戦を知らない
>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.9

ワンカットワンシーンのヌーヴェルヴァーグ的な手法が小さい動きで魅せるこの映画にぴったりハマっている 2人でビールを飲むときの動き、映画を4人で観る目線、カードを操る手、そういった細やかな演技で笑いとシ>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.3

こういうのはとにかく好き案件すぎてあんま書くことがない

全部良いんだけど、これは話したい!って思うのは3部かなぁ
2分間くらい試しに目を瞑ってみて 確かに映画は身体で感じられる...って思うし、自分
>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

オープニングクレジット、マジでかっこいい これだけで料金はペイです...

MCUが東西冷戦をがっつり扱うの割と驚きだし、アクションシーンはとりあえず欲しいやつは全部ある
肉弾戦が今まででトップクラス
>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.8

セリフと行為の反復が気持ちいい!全く違うバックボーンを持った人々を描いた3部をまとめ上げているのはメンフィスという地理はもちろん、統一された「赤の差し色」のモチーフでもある

日本人としてやっぱり第一
>>続きを読む

少林サッカー(2001年製作の映画)

3.2

僕たちの幼少期を彩ったゲーム・アニメの源泉となった旺盛な想像力がここにあるってことは言うまでもない 2001年の映画 はるか昔に感じるけど2008年の7年前でしかない

時代の経過を感じるところはある
>>続きを読む

ストーカー(1979年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

主題が一気に明確になる「部屋」前でのシークエンスにはそこまでの重苦しさを取っ払うようなカタルシスがある

夢を叶える「部屋」へと人々を導くストーカーは明らかにキリスト教の聖職者を表している 「部屋」前
>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まず劇伴がやばい 1970年代フランスのロック・ファンクをバックボーンにした劇伴は当然magmaやtai phong、asia minorみたいな自分が高校時代に聴いてきたprogとの共振もある かっ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

張り巡らさめた不穏を意味する伏線の「回避」によって日常を描く 不穏な飛躍やえぐ味こそが生活に彩りを与える 暖かな生活に落とす影がフラットな目線を作り出す 不穏さのない生活なんてこの世にはない

そうい
>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.1

一生に一度の至福の体験、納得できるキャッチコピーだった
月並みだけどバーンやトーキングヘッズの作品に詳しくなくても絶対見た方がいい 僕にとってもなんとなく好きなバンドの1つくらいの立ち位置だった
>>続きを読む

グレートウォール(2016年製作の映画)

3.2

何の必然性もなく、脚本も特に驚きはなく、中国の歴史の重厚さのカケラもないモンスターパニックバカ映画なのになぜかそこそこ見れてしまうのは、

張芸謀監督の激る映画センスが隠しきれてないから、、、、こんな
>>続きを読む

セブン(1995年製作の映画)

3.5

洋画の入門!みたいな定番の傑作だけど見た事なかった 面白かった

「マルキ・ド・シャーデー」からのチェイシングシーンの編集は見事すぎる いくつかの視点からのカットの連続を通して映像にリズム感を出すって
>>続きを読む

ヴァイブレータ(2003年製作の映画)

3.3

自分の北関東のロードサイドへの執着は凄い 夜中の関越道より美しいものって日本にそんなにないと思ってる

今となってはそんなロードサイドや鶯谷や郊外のラブホテルは、クリープハイプに象徴されるような都会の
>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

あらゆる点から見てハイクオリティなエンターテインメント作品

まずサスペンスとして脚本に隙がないですよね

サスペンスってやっぱりサスペンスだけだとパンチに欠けると自分は思っちゃうのでこれは完璧だった
>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

4.2

最近の自分の興味にハマりすぎてた DMMのセールで買った「ファンタジーランド」をずっと読んでるんですけど そういう事です

キリスト教と家父長制 二つの呪縛、二つの救い

A24の車はなぜかいつも不
>>続きを読む

悲情城市(1989年製作の映画)

4.2

「活着」や「覇王別姫」で描かれる中国現代史のダイナミックさが、昨日まで正しかったことが突然間違いになるという面にあるとすれば、台湾の近現代のそれは大きな変化の中に様々なグラデーションを持った生活が残る>>続きを読む

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.0

クリスマスの定番って知らなかった なんとなく昔の映画が観たくなって

「ノマドランド」のレビューで使った言葉だけど「二つのアメリカ」の片方ですよね、、、地に足を置いた家庭と地域を尊重する生活 キリスト
>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

いろんな所で話を聞くわりに身の回りでの評判がすこぶる悪いこの映画、、、割と楽しめてしまった、、、、

ただ、何を面白いと思って見ていたかと言うと確かにそれはこの映画のオフビート感で、恋愛映画として順接
>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.8

もし耳が聞こえなくなったとしたら、自分が生きている姿が想像できない

そんな人生に意味はあるだろうか?とか 良くない考えであることを自覚しつつもそう思う

この映画の主人公もきっとそうだったんだろう
>>続きを読む

欲望の翼(1990年製作の映画)

3.8

香港って東京の半分の大きさしかないらしい
「恋する惑星」の時も思ったけど、この人の映画における海外のモチーフの切実さというのは、日本人と比べ物にならないものがあるんだろうと想像する

それを象徴する
>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

4.1

はじめてのキアロスタミ これは最高でしょう、、、、映像美

童話みたいなストーリー(童話みたいってのは本質を突いているという意味でもある!)に文句なしの説得力を持たせるカメラワーク 切り返しで撮られる
>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

3.7

70年前の日本を戦争と狂気に駆り立てたのは本当に宗教なのだろうか? 宗教とは人から人間らしさを奪うものだろうか?

キリスト教と仏教が東西の島国の人々にヒューマニズムを教えたのだろうか?
僕が10年も
>>続きを読む

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.4

「サイコ」と同じくサスペンスのクラシックの宿命として、謎解きの部分は後の作家に擦られまくってしまうんですよね (「メメント」ぐらい意味わからないとその部分も他の追随を許さなくなる)
その上で面白いかど
>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.6

仕事終わりにそこそこの人入りの映画館で見る、頭空っぽで見られる海外のコメディ、最高やね......

ところどころのチープさが全然悪さになってなくてコメディとしての味を引き出してて好き 俳優の演技は全
>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.6

こういうの、結構好きなんですよね 抽象的でコミカルで、、、もう一回見たいな、、

編集の軽妙さが映画として気持ちよく、かつうるさくなくて良い 映像としての心地よさは間違いない

それは自分の心の隙間を
>>続きを読む

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

4.0

僕がこの映画を見る前にあったタランティーノに対する「良いんだけどなんか、、、、」みたいな気持ちは多分最初に見たのが「ジャンゴ」で しかもそれに大興奮したことが原因だったんだと思う

あれって息もつかせ
>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

生きづらさに温かく共感するからこその感情表現の爆発が鋭い、でも全体としてはテンポ良く、コミカルで笑いに昇華していく姿勢が大好き そして映画に浮遊感を与えるアーティスティックな表現も堪らない 特に今回は>>続きを読む

シャイニング(1980年製作の映画)

4.1

私と「シャイニング」の思い出
中学3年生くらいの頃に学校の図書館でスティーヴン・キングの原作を借りたんだけど何となく気が進まなくて1ページも読まないで返した 映画は何となく見たことなかった

ドアを叩
>>続きを読む