moonさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ほつれる(2023年製作の映画)

3.8

2人の男の間をふらふらと漂流していた綿子、ある日そのうちの一人を事故で亡くしたことでバランスが狂っていく…
淡々と言葉で追い詰めていくあの旦那のいやらしいリアリティよ。なにより一瞬のキスシーンがドキッ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.2

前作と違い舞台がずっと変わらないのもあるが、"ウェスらしさ"みたいな、様式美を映画館に確認しにいくだけになってしまったような気がした。そりゃ作り込まれた美術と構図は美しいんだけど、今回はそこの枠から出>>続きを読む

The Simple-Minded Murderer(英題)(1982年製作の映画)

4.1

母親を亡くした知恵遅れのスヴェンは、地元の権力者の元で働くも家畜同然の扱いを受ける。ある家族に救われるが、権力者からの嫌がらせが日に日に増し、遂には全財産奪われてしまう…ネズミすら殺せなかったスヴェン>>続きを読む

マルコム/爆笑科学少年(1986年製作の映画)

3.9

物作りの才能を持っている知的障害の男性が職場を解雇され、紆余曲折あり、銀行強盗でその才能を発揮するお話。ポップにコメディ調に描いているので楽しい映画だが、知的障害者、前科者、職を失った女性など、枠から>>続きを読む

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.0

片道切符でベルリンに来た女の飲んだくれ旅行記。色鮮やかな服を着こなし酒場を転々とするも、できた友達は浮浪者の老女だけ。グラスを割り、窓ガラスには水をぶっかける。追い出され続けた女が行き着く先は…こんな>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.9

全てが完璧で美しくバランスがとれてる世界なんてこの世のどこにもないんだよね。それでも、あまりにも偏りすぎている今の世界を少しでもよくするためにどうするか…というメッセージを感じた。物凄く女性向けなルッ>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.8

シャンテスクリーン1、無音シーンで空調カラカラし出して地獄だった。早くどうにかしてくれ

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

4.0

ブラジルの貧民街で育った少年たちがギャングとして成長、派閥に溝ができていく様を描く。子供が子供を支配し、平気で撃ち殺す。狂気しか呼ばない泥沼の抗争の中を、武器ではなくカメラを手にしたブスカペの視点でス>>続きを読む

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

3.8

保守的なベネディクト16世と革新派のフランシスコがただただ会話する一本。時代が変わると考え方も変わって当たり前。世代交代の時に必要なのは武器ではなく、相手を知ること、対話なのだ。サッカー好きのフランシ>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.6

エドワードヤンがこんな煩い映画を撮るんだという驚き。登場人物が多くて覚えるのが大変だけど、昭和のトレンディドラマのような質感で繰り広げられる若者たちの掛け合い、葛藤、コミュニケーションは何故だか飽きな>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.0

移民として異国でコミュニティを築く大変さ、二世の苦悩、親の願いと自分の夢、住む世界が全く違う二人の恋を水と火で表現するお洒落さ…火の種族はアジア系を指してることが端々の描写でガッツリ分かるんだけど、監>>続きを読む

カールじいさんのデート(2023年製作の映画)

3.5

ダグの表情、目線、身体、尻尾の動き、言葉以外のところ全てで感情を表す技術の高さ。歳をとってもデート前はわくわくドキドキできる、そんなテーマもほっこりして良かった

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.0

京劇の劇団で育った二人。厳しすぎる稽古を経てトップスターにまで上り詰めたものの身体の芯までくれ虞姫役が染み付いている蝶衣と、普通の生活を望む段小との間で溝ができていき、やがて中国の激動の歴史に飲み込ま>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.1

爆発で始まり爆発で終わる、これぞ自立した女の映画では?あまりに短い結婚生活を取り戻すため、したたかに、着実に自分のキャリアを築き人生を前に進めるマリアの生き様が、あの不条理なラストまで含めてかっこいい>>続きを読む

天使の影(1976年製作の映画)

3.5

詩のような台詞と、見ていて辛くなる男女の関係、映画全体を包む冷たくて退廃的な雰囲気。娼婦として稼げるようになって身なりは豪華になるもの心に抱えた空虚さは変わらず、最後まで表情が死んでいたリリー。お父さ>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.9

父は自殺し、財産は全て奪われ、全てを失った中年男の手元に残ったのは型落ちのキャデラックだけ。運命の女性と出会ったのも束の間、理不尽が重なり刑務所にぶち込まれてしまう。
「子持ちよ」「作る手間が省けてい
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無垢の瞳(2022年製作の映画)

3.5

アリーチェ・ロルヴァケルの短編、カトリック系女学校を舞台に1つのケーキを巡って描かれる寓話的物語。ほんとに現代の作品???と思ってしまうほど古っぽい映像の質感と美術に、フェリーニ見てる感覚になった。可>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

ビルのゲーツみたいなヨーロッパ企画お得意のループ設定を、素晴らしいロケーションと共に上手く映画に収めた一本。2分というのがまた絶妙で、それまでの記憶が担保されてるおかげで様々な人間模様が展開されていく>>続きを読む

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

4.1

宝くじで当てた大金をアルコールに使い果たし、家も追い出され孤独なレスリー。息子の心に消えない傷を残した後悔をかき消すかのように飲み続け、大事な約束も守れず、周りが差し伸べる救いの手も振りほどいてしまう>>続きを読む

都市とモードのビデオノート(1989年製作の映画)

3.9

お洒落ファッションドキュメンタリーかと思ってたけどヴェンダースが山本耀司を撮るとこうなるのか。日本人、男性であるというアイデンティティを漆黒の素材で打ち消す。女性に対する眼差し、少しでも休んだら"死ん>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

3.7

なぜかmarkが外れてたので再投稿

「過去のない男」しか見たことないのに苦手意識があったカウリスマキ、でもこれは淡々としつつもビターで良かった

花束みたいな〜では二人が出会うきっかけになっていた音
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昼顔(1967年製作の映画)

4.0

夢と現実、妄想との間をシームレスに行ったり来たりするブニュエルマジックが炸裂していて冒頭から惑わされたし、素直に面白かった。(勝手にドロドロ不倫劇だと思ってた
男は金を払えば簡単に欲求を叶えられるけど
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ローマ法王の休日(2011年製作の映画)

3.6

なんでこんなに評価低いのか謎だけどバチカン、コンクラーベのシステムが垣間見えて、お話も面白かった。確かに所謂コメディとは違うかもしれない。
一般的な人間として生まれた普通の男が全世界何億人と言うカトリ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

今までのジブリを全部見てるわけではないけど、本当に集大成みたいな映画だった。母を亡くした少年の冒険譚。現実世界から異世界へ続いていくあの回廊、大広間、道案内してくれるアオサギの胡散臭さ、先の読めない展>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.6

ローマ教皇に仕えた実在のチーフエクソシスト・アモルト神父の名著を基に、少年に取り憑いた最強の悪と闘う悪魔祓い懺悔アドベンチャー。ホラーは苦手だけど怖そうなシーンは半目で見たら大丈夫だった。バディものと>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.2

元々ストップモーション好きなのは置いといても、めっちゃ良かった。変化を恐れ保守的になってしまうマルセルの前で元気に振る舞い、人生のアドバイスを捧げるおばあちゃん(声がイザベラロッセリーニ!!)を見て思>>続きを読む

最後の誘惑(1988年製作の映画)

3.5

キリスト教のお勉強(?)を兼ねて。何故私をお選びになるのか…と一人の人間として悩み、苦悩する泥臭いキリストをウィレムデフォーが全身全霊で演じていた。ちょい役で出てくるデヴィッドボウイの存在感が抜群

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.1

劇場でオゾン版とぶっ通しで見た。なにその壁紙!!と思わずにはいられない奇抜な内装の部屋から一歩たりとも外へ出ず、密室の中で繰り広げられる女3人の有象無象。ラストの絶望と潔さはファスビンダー版の方が好き

苦い涙(2022年製作の映画)

4.0

オゾン作品好きでも嫌いでもなかったけどこれは面白かった、なんだこの濃密な密室劇は、リメイクとして100点では。舞台劇のような仰々しいインテリア、レコード、キラキラしたファッションに包まれた男女が織りな>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.3

父と娘、二人っきりの一夏のバカンス。キラキラした思い出の中で引っかかる何気ない言葉、喜んでくれると思って披露したカラオケ、バースデーソング…「喜ばせたい」、そんなピュアなサプライズが繊細な父親の気持ち>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

是枝作品ほぼ見れてないけど、これは良かった。ある出来事を複数の視点から描く、よくある構成ではありつつも、それぞれの登場人物の些細な一言からその性格が炙り出される脚本の妙がすごかった。田中裕子の圧倒的存>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.8

何かと話題の本作。アニメを忠実に再現しつつ時代に合わせて改変している点は勿論あり、聞き慣れた楽曲も素晴らしく満足度は高かった。なによりメリッサ・マッカーシー演じるアースラ最高でした

鉄の男たち チッタゴン船の墓場(2009年製作の映画)

3.5

バングラデシュ、チッタゴンにある船の解体屋で働く男たちを追ったドキュメンタリー。監督が韓国人なのが少し驚いた。杜撰な安全管理の中、常に危険と隣り合わせで働く男たち。中には10代の子供もまざり、十分な給>>続きを読む