moonさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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苦い涙(2022年製作の映画)

4.0

オゾン作品好きでも嫌いでもなかったけどこれは面白かった、なんだこの濃密な密室劇は、リメイクとして100点では。舞台劇のような仰々しいインテリア、レコード、キラキラしたファッションに包まれた男女が織りな>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.3

父と娘、二人っきりの一夏のバカンス。キラキラした思い出の中で引っかかる何気ない言葉、喜んでくれると思って披露したカラオケ、バースデーソング…「喜ばせたい」、そんなピュアなサプライズが繊細な父親の気持ち>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

是枝作品ほぼ見れてないけど、これは良かった。ある出来事を複数の視点から描く、よくある構成ではありつつも、それぞれの登場人物の些細な一言からその性格が炙り出される脚本の妙がすごかった。田中裕子の圧倒的存>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.8

何かと話題の本作。アニメを忠実に再現しつつ時代に合わせて改変している点は勿論あり、聞き慣れた楽曲も素晴らしく満足度は高かった。なによりメリッサ・マッカーシー演じるアースラ最高でした

鉄の男たち チッタゴン船の墓場(2009年製作の映画)

3.5

バングラデシュ、チッタゴンにある船の解体屋で働く男たちを追ったドキュメンタリー。監督が韓国人なのが少し驚いた。杜撰な安全管理の中、常に危険と隣り合わせで働く男たち。中には10代の子供もまざり、十分な給>>続きを読む

ルナ・パパ 4Kレストア版(1999年製作の映画)

4.3

未婚の母が認められない村で、父親が分からない子供を妊娠してしまったマムラカットが家族総出で父親を探し出す。かなりヘビーなテーマを描きつつ、そのあまりに荒唐無稽な展開にぶんぶん振り回されるすごい映画だっ>>続きを読む

海を待ちながら(2012年製作の映画)

3.7

初フドイナザーロフ。漁に出るも沖で嵐に巻き込まれ仲間と妻を失ったマラット。数年ぶりに故郷に帰るも歓迎はされず、海がまるごと消失していた…話はほぼファンタジーだが、干上がった土地でラクダが船を引いたり、>>続きを読む

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

3.8

早稲田のレイトでやってたのでやっと見れた。
ワレルカの子供らしからぬ表情、ソビエトの寒々しい空気感、小さないたずらが連鎖し、ラストのビターさが身に沁みる…日本人捕虜が出てくるのも映画を見るまで知らなく
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書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

3.1

良いか悪いかは置いといて、映画館で見るべき作品を映画館の暗闇で見れてよかった、ラストのちょっとした演出も含めて。
人力飛行機の夢、兎変態な妹、コカコーラの中のトカゲ、娼館、姥捨山…断片的な映像のコラー
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

マリ夫超楽しかったです…4DXで見れば良かったと後悔中。そこまでゲームやらない私でも知ってる横スクロールマリオ、マリオカート、ルイージマンション、DKネタ満載でテンポよく、ダレずに90分間駆け抜ける。>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

3.4

ロバのEOくんが汚い人間たちの間をたらい回しにされる映画、劇場まさかのほぼ満員だった。バルタザール〜はアンヌ・ヴィアゼムスキーの存在感が強烈だったけど、EOは本当にロバメイン。音の使い方が面白くて、森>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.6

よく考えたら人生初モンゴル映画だったかもしれない。
バナナのせいで大人のおもちゃ屋で働き始めたサロールと、謎めいたオーナーとの間に生まれた不思議な友情。基本的に都会が舞台なんだけど車を走らせると広大な
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.4

映画は良かったんだけど、あまりにもベタでラストまで読めてしまう展開にちょっと拍子抜け。個人的に連日満員御礼!な映画は知らぬ間にハードルが上がってしまうのでしょうがないと思いつつ、ここまで"丁寧"な作り>>続きを読む

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.0

夫と別れ、2人の子供たちとアパートに取り残されたエリザベート。夜の街を漂流するタルラ。2つの孤独を深夜ラジオが繋ぎ、それぞれがゆるやかに回復していく様子を優しく描き出す。亡きパスカル・オジェが投影され>>続きを読む

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

3.7

自転車のパンクをきっかけに出会った、レネットとミラベルのちょっと奇想天外な共同生活。田舎でしか味わえない音、空間、味、都会でしか学べない処世術、想像力、忍耐…はっきりと意見を述べながらも最後には手を取>>続きを読む

緑の光線(1986年製作の映画)

4.3

バカンスなのに友人に旅行をドタキャンされ、他の友人の帰省に付き添うも肉は無理とかなんやかんや言い出してとにかく面倒くさいデルフィーヌ。出会いがないと言いながら、いざ男が目の前に現れると走って逃げ出す始>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

4.0

都会と郊外、そして自分を愛してくれる男たちを巡ってふわふわ漂流するルイーズ。パスカル・オジェのか細い身体と消え入りそうな声がもうぴったりだった。一人の時間が必要と言いつつ、気付けば男と電話してる、その>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.2

オールナイトで再見。久々に見たら画面が綺麗すぎてびっくりしたんだけどレストアされたんだっけ?

女はダメ男を好きになり、男はそれに嫉妬する。嘘に翻弄されながら完璧を目指す女と、欲望に忠実で不完全が好き
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.8

イランで実際に起きた、娼婦だけを狙った連続殺人事件に着想を得た一本。重低音鳴り響く劇伴、かっこいいタイトルバック、劇場で見れて良かったけど、映画館の椅子から逃げ出したくなった。弱い者へ皺寄せが向かう社>>続きを読む

ヴェルクマイスター・ハーモニー(2000年製作の映画)

4.0

太陽系、不協和音、群衆の無言の行進、執拗に追いかけてくるヘリコプター…サーカスのように街にやってきた、巨大で異質なクジラは何の暗喩なのか。
ジリジリと迫ってくるトラックの異様な影、恐怖の報酬とか激突!
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

午後8時に診療所に鳴り響いたベル、あの時扉を開けていれば……後悔と罪悪感から、亡くなった少女について聞き込みをはじめる女医ジェニーが、徐々に事件に巻き込まれていくサスペンス。緊張の糸が途切れない演出は>>続きを読む

ヤラ! ヤラ!(2000年製作の映画)

3.9

親からの結婚の押し付けから一時的に逃れるため、彼女に内緒で偽装結婚を画策するレバノン人と、EDに悩まされる男性のエピソードを交差して描く。
ルーカス・ムーディソン制作総指揮。劇伴の使い方、映像とカメラ
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ブラック・アジェンダ/隠された真相(1990年製作の映画)

3.8

ケン・ローチらしいズドンと濃密な政治スリラーだった。ラストもそこ?!というシーンでさくっと終わる、潔い。北アイルランドとかIRAとか、あの辺の情勢に疎くて、前に『マイケル・コリンズ』とか見たのにもう記>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.6

ビル・ナイがただただ渋くてかっこいい映画。黒澤版を見ずにいきなりこっちを見たのが良いか悪いかは置いといて、変に見比べることなくすっと話が頭に入ってきたので良かったということで。

赤線地帯(1956年製作の映画)

4.0

売春禁止法の波に煽られながらも力強く生きていく娼婦たちの悲喜交々。普通の仕事では到底食っていけず、病気の夫に代わり子供を育てるため、息子の学費を稼ぐため、それぞれの事情で自分の身体を売る女たちの日常を>>続きを読む

バーチャルで出会った僕ら(2022年製作の映画)

3.4

コロナ禍、VRchat内で交流する人々を映したドキュメンタリー。見た目・性別・周りからの視線…現実での全てをリセットし新しい人間関係を築ける世界はまさにリアル『レディ・プレイヤー1』。純粋に未知の世界>>続きを読む

羊飼いと風船(2019年製作の映画)

4.7

チベットに伝わる信仰と近代化の波の狭間で葛藤する女性の姿を、羊の飼育を重ねて描いた一本。『轢き殺された羊』が寓話的な話だったので、これも同じ雰囲気かと思っていたら真っ正面から生殖を描いていてそのギャッ>>続きを読む

トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.8

大柄でパニック障害持ちのロキタと、とにかくすばしっこく弾丸のように飛んでいく小さなトリ。難民ボートで出会い、ただ生きていくために手を組んだ二人の行く末を追う社会派映画でありつつ、サスペンスとしても十分>>続きを読む

旅立ちの汽笛(2001年製作の映画)

3.3

兵役前の男子たちが束の間の時を楽しむ、キルギス発青春ムービー。心を寄せる女の子はいるが、友達には童貞をいじられ、酒浸りの父親に悩まされ、様々な居場所を行き来しつつゆるやかに成長していく少年の姿が微笑ま>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.4

最悪の出会いから始まった旅がいつしか最高の思い出に…
異国で見ず知らずの男と密室で二人きりという状況を想像するとキツすぎるが、彼の優しさに触れ、あっさりと別れつつも微笑ましいラストでびっくりした。あと
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Winny(2023年製作の映画)

4.5

Winny事件はこの映画きっかけで知った人ですが、豪華俳優陣の芝居、脚本も誠実に作られた感じがして全体的にすごく良かった。実際の事件で関係者もほぼ存命ということで、完全なオリジナル脚本とは訳が違うとは>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

アメリカでランドリーを営む中国系移民一家が確定申告しようとしたけど、気付けばマルチバースのカオスに巻き込まれ黒いベーグル教の娘を倒そうとする話。要素があまりに多すぎて多分もう一回見ないと掴めないけど、>>続きを読む