サム・ウッド監督だけあって、なかなか見ごたえがあった。
対ドイツ戦に臨む米空軍将校の孤独な戦い。戦う相手は、ドイツというよりも、上層部、議員、軍隊内の雑音といったところで、意外にも派手な戦闘シーンは>>続きを読む
無実の男が事件に巻き込まれ、最後はヒロインと結ばれる基本プロットは、その後の「北北西に進路を取れ」などで繰り返し採用されるヒッチコックの王道。
坑内の落盤で落ちかけたブロンド美女をかろうじて助けるあ>>続きを読む
私には間延びして退屈な映だった。
サーカスの裏話をドキュメンタリー調でセシル・B・デミル自らナレーションで延々と伝える。それも何回も。ストーリー上不可欠とも思えない。特大セットに本物のサーカスを誘致>>続きを読む
破天荒な主人公に、どこか良家のお坊ちゃま風のタイロン・パワーは、しっくりこない感じ。一方、リタ・ヘイワースの悪女ぶりは、はまっている。
「荒野の決闘」の酒場女のイメージが強烈なリンダ・ダーネルは、こ>>続きを読む
馴染みの薄い英国映画であるのに加えて、公開時の悪評により長らくお蔵入りしていたので、今こうして日本でDVDにより観ることができるのは、奇跡に近いことかもしれない。
「赤い靴」や「黒水仙」のマイケル・>>続きを読む
私生活でも深い仲であった主演2人(スペンサー・トレーシー、キャサリン・ヘプバーン)の演技の呼吸は、さすがにピタリと合ってはいるが、ロマンスを語らせるには、ちと無理があった。脚本は、最低でも10歳ずつく>>続きを読む
「天国から来たチャンピオン」(「幽霊紐育を歩く」)がプロトタイプか。
ヨム・ジョンアは、32歳くらいだが、とてもキュート。歌は吹替えだろうか。もし、地声なら「韓国の小泉今日子」と呼びたい。この映画は>>続きを読む
印象に残るのはフィリス・サクスターの笑顔。ただ、バン・ジョンソンとサクスターの関係が甘すぎて、ドラマ性を感じない。
本作は、日本軍がアメリカ本土を攻撃した直後に国民感情を高揚させるために行った東京爆>>続きを読む
無駄なくストーリーがさくさくと進む小気味よい展開は、熟練期を迎えたヒッチコックのもの。
ケイリー・グラント、グレイス・ケリー、ジェシー・ロイス・ランディスのヒッチコックお気に入り俳優との息もぴった>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
全体としては十分面白い映画だと思うのだが、コメディとシリアスがまだら状ではっきりしないためか、見終わった後は爽快感とは程遠いもやもや感が残った。
特に最後の場面。連合軍に人民軍の基地を偽装してまんま>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
終わり方が、極めて消化不良で、”ハッピーエンドのフランク・キャプラ”らしからぬ曖昧かつ不自然さであった。フランク・シナトラのダメ男ぶりを最後まで延々見せつけられて、結局は何も起きない。期待を裏切られた>>続きを読む
公開当時としては、「尼僧の閉ざされた世界を赤裸々に描いた」という触れ込みで、監督がフレッド・ジンネマン、主演がオードリー・ヘプバーンとくれば、相当注目度は高かったのであろう。確かに、理不尽な「禅譲」を>>続きを読む
「嘘はつかずに正直に生きろ」というテーマを貫いているようだ。社長への偽らざる直言が吉と出る。
フレデリック・マーチもある意味自分に正直に生きてきて家族は喪失したものの巨万の富を築いたのだろう。このオ>>続きを読む
スペンサー・トレーシーの行動や思考、結婚式と披露宴の準備段階の紆余曲折が、あまりにもありきたりに描かれていることで、単刀直入に言えば面白くはない。
ただ、トレーシーの父親像、エリザベス・テイラーの娘>>続きを読む
母親の息子への愛の究極の形をある意味描いているのだが、「殺人の追憶」の焼き直し感がある。もちろん、テーマに違いはあるのだが、予備知識のない人が両作品を見ても、おそらく脚本を同一人物が書いていることがわ>>続きを読む
オードリー・ヘプバーンは、文句なく美しく、石の水道橋(であろう)を遠景にチャペルと小川のある風景は、憧憬を抱かせる。
しかし、フレッド・アステアとの年齢差はいかんともしがたく、説得力に欠ける。
ショウビジネス界に身を置く夫婦(シュジー・ドレール、ベルナール・ブリエ)の愛憎と殺人事件の謎解き。
映画の始まりからしばらくは、犯罪の匂いのかけらもないが、徐々に緊張感を高めてゆく脚本は良い。
開>>続きを読む
野獣の住む古城の雰囲気は、シュールレアリズム感満載で良し。ただ、バラ一本で父親を脅して無理やり娘を軟禁する野獣には、その後どんな優しい態度を取ろうとも、どうも感情移入できなかった。
野獣が野生の鹿を>>続きを読む
現実にはあり得ない設定を前提に物語を組み立てるのが専売特許のキム・ギドク監督作品で決して嫌いな監督ではないが、この不自然な設定が本作では私の許容範囲を超えていて集中できなかった。更に「男女二人が二人で>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
キム・ノヴァクがいつか涙を流してジェームズ・スチュアートと結ばれるであろうことは、予想がついてしまう。しかし、猫に誘導されてすんなりと、というのは、あまりにも工夫がなさすぎる。
音楽は映画の雰囲気に>>続きを読む
ロバート・ワイズだけあって、演出の如才なさを感じた。豊後水道で日本の駆逐艦を撃沈するまでの盛り上げ方は、なかなか良い。
但し、クラーク・ゲーブル、バート・ランカスターの艦長・副艦長間の確執や、兵士と>>続きを読む
実話を題材としているようだが、登場人物の一人ひとりの立場がぶれまくり、とらえどころのない映画だった。とはいえ、この映画全体の違和感は、私自身の理解力不足からきている可能性もある。
主犯の一族が住む場>>続きを読む
決してコメディではないが、ネアカの三角関係が好きだ。こういう三角関係は、60年代の映画には定番のように登場していて、懐かしい。
私にとっては、ジョアンナ・シムカスは、天使のような存在で、数十年ぶりに>>続きを読む
DVDで鑑賞。字幕が多すぎて映像を見る暇がない。
やはり、字幕は須賀田さんだ。
たぶん、ネイティブにとっては、面白い映画なのだろうが、映画を味わう前に疲れ切ってしまった。
叔父に振り回される後半は、>>続きを読む
アスペルガー症候群の主人公の起こす奇跡が、リアルにかつユーモアを交えて描かれている。久々の泣ける映画だった。
9.11直後に巻き起こった米国国内のイスラムへの謂れなき憎悪を背景に、宗教や人ぞれぞれの>>続きを読む
文明批判というよりは、人生応援歌だと思う。
チャップリンがポーレット・ゴダードに”Smile”と話しかけ遥かに続く道を手を取り合って進んでゆく2人の未来を暗示する終わり方は、2人の演技の妙も相まって>>続きを読む
おばかキャラで売り出したジュディ・ホリディが、あまりにも見事にはまっている。この人、しゃべり方も独特で、一見頭が弱そうなキャラクターだ。(但し、IMDbによると、知能指数は172あったとのこと。演技を>>続きを読む
力道山の奔放で力強いイメージの描写は限定的で、どちらかというと自分の思惑通りにならないもどかしい人生を見せられる。日本人にはヒーローとして記憶に刻み込まれている人物であるにも関わらず、まるで人生の敗者>>続きを読む
いきなり背伸びしちゃった夫婦が、危なっかしい恋のさや当ての末、よりを戻す。
独身貴族、女詐欺師、おせっかいばばあなど、豪華客船クルーズの乗客に、さも混ざっていそうな人種を登場させ、物語を繋げているが>>続きを読む
ストーリーは私の好み。
異民族間結婚で、拘束されたユダヤ人の夫を待ち続ける妻たちの状況は、よく描写できている。
但し、登場人物が多く、関係が複雑なので、そこを理解しながら見てゆかないとおいてけぼり>>続きを読む
ホラーではなく、コメディーだ。好きなジャンルなのだが、乗りきれなかった。
雪山のてっぺんの古城の雰囲気や、凝った装飾は良いのだが、ピンボケした写真のような足取りの重い展開。それを吹き飛ばすだけの力強>>続きを読む
サイコパスの少女を必死で守ろうとする母親の物語。
50年代後半から60年代初めのアメリカ映画には、タブー視されていた社会問題を殊更ショッキングに取り上げてドラマ化する流れがあったように思う。「風の遺>>続きを読む
名優ローレンスオリビエ、とことん情けないダメ男を演じた。
救いようのない物語は、あまり好みではない。後年の「酒とバラの日々」に似ている。
横取屋ミリアム・ホプキンス、取立屋レイ・ティール、首切屋チ>>続きを読む
踊り子と陸軍士官の報われない恋。
不安定な女心を演じたら右に出るものはいないビビアンリーの真骨頂です。
通天閣名物のビリケンが、意外にも重要なアイコンとして登場。
脚本が丁寧に練られていたという印象。
暴走してろくな検討もせずに私刑にしてしまう市民団と法による秩序を守ろうとする保安官の構図は、西部劇では目新しいものではないが、
道を外れそうな若者ジョンデレクと、>>続きを読む
ともかく、私はこういうドタバタ喜劇風の作品が大好きです。デヴィッド・ニーヴンのとぼけた感じと、クラウディア・カルディナーレの酒乱ぶりは、最高。最後の意外な展開には、しばらく笑いが止まらなかった。