アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 47ページ目

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.2

傑作。泣いた。
東出昌大・松山ケンイチ・木村文乃の三角関係と柄本時生の成長をバランス良く魅せていく脚本が上手い。近年の邦画でもトップクラスでは?
試合が全部臨場感があってよく撮れてるのでもうかなり満足
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家族会議(1936年製作の映画)

2.0

桑野通子が佐分利信に振られると顔面アップ→バカでかい音楽が流れるのでワロタ。コップで手を切ったのをいじり続けて悲壮感出すのも安直すぎる。
強引というより投げやりなまとめ方は原作通りなのかもしれないが、
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リベリオン ワルシャワ大攻防戦(2014年製作の映画)

3.5

3回あるスローが信じ難いダサさ(特に墓地で撃たれるとスローも音楽も止まって主人公が転がり倒れるとこは爆笑した)に不安を覚えたが、爆撃後の肉片の雨を筆頭に恐るべき戦闘描写の苛烈さには震える。
男が死んだ
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ドラフト・デイ(2014年製作の映画)

4.1

画面分割の軽やかさに感動。境界線を跨いで移動させる効率性で会話劇主体ながら全く退屈しない。
アライアン・フォスターが呼ばれるときの家族の温かい眼差しに泣く。

素ッ裸の年令(1959年製作の映画)

3.6

秘密基地から少年たちが退去すると左卜全が現れるショットが物凄い。『三人の名付親』のロバが出てくるショット並。
藤巻三郎が頭を下げる父親に激高するとカメラがはるか上空にまで行ったり室内一回転したりするの
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危ない話(1989年製作の映画)

3.5

黒沢清『奴らは今夜もやってきた』のみ。
極端なライトアップとか謎の装置とかトビー・フーパーっぽくて最高。怪異の襲撃シーンはJホラーというか特撮ドラマ的盛り上げ方でブチ上がる。
夜間は暗すぎて部屋の間取
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神田川淫乱戦争(1983年製作の映画)

2.9

塗れ場のとりあえずこなしてる感があんまり…。「セーヌ左岸」とか「red river」のシネフィルアピールはこっ恥ずかしい。
花火持って川を渡るショットは好き。

宇能鴻一郎の濡れて打つ(1984年製作の映画)

3.4

顔も真心もテクも、チンポのデカさの前では無力という身も蓋もなさ。
一時間足らずで四人の相手をこなしていく手捌きが見事。
お蝶夫人と対決するときに急に撮影が良くなるのでワロタ。

美少女プロレス 失神10秒前(1984年製作の映画)

3.8

拉致られてプロレス愛好会に強制入部・鬼のしごきを受ける前半がめちゃくちゃ面白い。無骨な業務用エレベーター!集団脱走する時に物を抱えてる人へぶつかっていくわざとらしさも最高。
後半のプロレスシーンは吹き
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愛を綴る女(2016年製作の映画)

4.0

歩行と視線で紡ぐメロドラマ。マリオン・コティヤールを覗くアレックス・ブレンデミュールを覗くブリジット・ルアン…という心理を行動と構図で語る繋ぎが上手いし、マリオン・コティヤールのピアノ演奏から成長した>>続きを読む

最後まで行く(2014年製作の映画)

3.5

「轢き逃げを隠すために死体を母親の棺桶に隠す」というラングみたいなプロット。
前半はアイデアを矢継ぎ早に出して退屈させないがこじんまりとしててケレン味には欠ける。同僚の車が潰されるシーンはデタラメかつ
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宇宙戦争(2005年製作の映画)

4.6

中学生の時に劇場で見て以来の再見。
巨像恐怖症なので当時はめちゃくちゃ怖かったのだが、いや今見ても怖い。カメラやバックミラー越しに消されていく人々や森に散らばる服などの細かい演出を踏まえての、莫大な予
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黒い河(1944年製作の映画)

2.7

ニューロティックでゴシックなホラー。異常が表れるのに40分くらいかかるしサスペンスもさほど強くないのでかなり物足りない。
エリシャ・クック・jrの知的障害ギリギリな対人コミュニケーションにマジでイライ
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.5

洗練されてるとは言い難くともダイナミックなカメラで捉えてセットやアクションの造形に負けないだけのケレン味を与えようとしているのが快感。
ポン太(言葉を発せなくなる)パートがダントツ面白いのは『モンスタ
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「無頼」より 大幹部(1968年製作の映画)

4.1

渡哲也と三條泰子の病室での再会シーンが超絶。二人が画面両端で対峙して生まれた距離はその後どれだけ密着しても埋められることは無い。松原智恵子との関係も成就させるラブロマンスの手付きが巧すぎる。

幸せを
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みんな我が子(1948年製作の映画)

3.5

いかにも戯曲っぽい、疑惑に包まれた家族の対立の話。面白い。
バート・ランカスターが真相を知るために刑務所にいるフランク・コンロイを訪ねるのだが、ここのコンロイのクローズアップの禍々しさが凄い。

上を向いて歩こう(1962年製作の映画)

4.5

良すぎる。映画の根幹ががここにあるのでは?と軽はずみにも思えてしまうほど。木村威夫の美術と山崎善弘の撮影だけでは生み出せない魅力。舛田利雄を激しく見直した。斜め角度のカットをこれほど的確に決めてるだけ>>続きを読む

愛憎の曲(1946年製作の映画)

3.4

ベティ・デイヴィスが元カレにいじめられて新婚生活を脅かされる、というなんてことない話だが、個室から屋敷の階段までカメラがダイナミックに動くので視覚的に楽しめる。
ベティ・デイヴィスの焦燥感はもっとジリ
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曽根崎心中(1978年製作の映画)

4.0

再見。昔見たときはあまりの悪辣ぶりに辟易したのだが、改めて見ると最早ギャグの領域で笑ってしまった。境内で橋山功が暴れるくだりはマジでイかれてる。池に沈められそうになった宇崎竜童が間抜けに軽く呻く(演技>>続きを読む

モンスターハンター(2019年製作の映画)

3.7

カット割りすぎ&夜の戦闘が暗すぎて何やってんだか分かんなかったり消化試合の対人戦が長かったりと粗は多いが、言葉が通じないので余計な説明は一切されずひたすら画面とアクションで進めていく姿勢がグッド。
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ジョニー・オハラの真実/暗闇に響く銃声(1951年製作の映画)

2.9

裁判シーンがほんとたるいせいで100分越えなのが惜しい。
アル中ながら体に鞭打って正義のために奔走する弁護士なんてタフな役を演じきるスペンサー・トレイシーははまり役。

宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.5

引きのセンスが抜群な上に役者の統率をがっちり出来ているので『ディストラクション・ベイビーズ』より数段好き。特に蒼井優が『スパイの妻』の万倍良い。池松壮亮との罵り合いがギャグすれすれのボルテージ。
井浦
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The House with Closed Shutters(原題)(1910年製作の映画)

3.0

長男の身代わりで妹が死んでから長男を監禁して生活するギャグ映画になってるの、ぶっ飛びすぎだろ。

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

3.6

四国に住みたくなくなる映画史上No.1。
柳楽優弥のモンスターぶりが圧巻で他のメイン級が霞んでいることを抜きにしても、菅田将暉の現代的小悪党像はやりすぎじゃなかろうか。演技過剰なわりに性的描写は小松菜
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武装市街(1950年製作の映画)

4.2

前半の列車内外での追跡劇が面白すぎる。列車内では小さく細かく動いて溜めに溜め、外に出てからは疾走と銃撃でエネルギーを一気に開放する!牛のスタンピードという壮絶な幕切れには大興奮。
後半はライル・ベトガ
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国境事件(1949年製作の映画)

3.7

バーのカウンター、農場の道、顔面、果てには死体まで用いて奥行きを作り出す画面造形の妙が拝める。ラストにはお約束の岩壁による高低差を活かしたガンアクションも。
ジョージ・マーフィがトラクターに轢かれそう
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ジョニー・イーガー(1941年製作の映画)

3.5

悪漢ロバート・テイラーがラナ・ターナーの愛に打たれて改心する、という筋書きなのにラナ・ターナーの出番は全体の1/5も無く、ひたすらロバート・テイラーの感情の揺れにフォーカスされている。なのでテイラーの>>続きを読む

暴動島根刑務所(1975年製作の映画)

4.0

田中邦衛追悼で再見。
松方弘樹が金子信雄を殴り殺したり田中邦衛が自殺したり、どうかしてるとしか思えない唐突さが最高。
松方弘樹が人を引っ張るのにも理由はなくただひたすら自己からあふれるエネルギーに乗っ
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星の王子ニューヨークへ行く2(2021年製作の映画)

3.7

W主人公で面白さも2倍!『ビルとテッド〜』もそうだが子供世代の話が親世代のそれより面白いのは幸福な続編の証。武内駿輔ベストアクトにも数えたい。
前作で振った女が30年間犬のままなので声出して笑ってしま
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間諜(1937年製作の映画)

2.0

ふつ~。ヴィヴィアン・リーって意外と作品に恵まれてないのかもしれない。

パッチギ!(2004年製作の映画)

3.3

暴力描写の生生しさと躍動感には目を見張るが、ギャグとシリアスをこれだけ右往左往しながら後半の葬式での詰問から和解までがいかにも無理矢理まとめたようで失望。河原の喧嘩と出産なんてホントにいらないと思う。>>続きを読む

星の王子ニューヨークへ行く(1988年製作の映画)

3.0

吹き替えで谷口節と山寺宏一を堪能。
予想より弾けないローテンションな映画でエディ・マーフィのポテンシャルを発揮できているかというと疑問。
電車の告白なんて周りが盛り上げてゴールインしちゃっても良かった
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ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)

2.5

社会派要素なら対メガロにすらあるし、カルトっぽさもプログラムピクチャーの枠を破るほどあるわけでもない。
ゴジラとヘドラが遭遇するまでがまじで長くて寝落ちしそうになった。

海軍の男(1945年製作の映画)

2.8

こういう凡庸な人情噺を挿話や演出で面白くするのがウェルマンだと思うのだが…。
ウォーレス・ビアリーが病的な嘘つきであることになんの焦点も当てられない(キャラクターの掘り下げがない)のが良くないのか?
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パリのジャンヌ・ダーク(1942年製作の映画)

3.6

モノクロのラッセル・メティもたまらなく良い。サスペンスよりメロドラマ的色が強い(教会でミシェル・モルガンとポール・ヘンリードが将来の展望から別れを語るシーンが泣かせる)が、死体の映し方が良かったり終盤>>続きを読む

雪の断章 情熱(1985年製作の映画)

3.5

こんなんどう見たって長回しのための長回しなので擁護したくないのだけれど、ワンショット内で時空を越えてしまうのにさすがに驚愕。そこまでやるなら天晴ですわ。参りました。少なくとも長回しで被写体に切迫してリ>>続きを読む