深刻ながら、画面から溢れるこの多幸感。
ルノワールはカラー作品の方が良い。
貧しくとも誠実であろうとする父と、遊びと厳しさを兼ねたギャングのボスに育てられた少年の成長の物語。
「大人になる」ということは残酷な真実を知ることでもあるが、自分に向けられた愛に気付けるということで>>続きを読む
メタ的な語りという亜流を、全盛期の姿での演奏に、そしてラストの王道のミュージカル演出に繋げるの興奮した。
音楽のために色々なものを捨てる男の話なのに、暗さは全くない(娘が死んだときでさえ、あっさりし>>続きを読む
ウェス・アンダーソンの統一された画面構成はなるほど人形劇に向いている。
過剰なほど機敏に動くキャラクターたちは見ているだけで楽しい。
全てをやりとげた主人公たちが、野生の象徴である狼を目にして涙ぐむシ>>続きを読む
ラスト、昔の恋人を見送って、雪景色の中で家族と戯れるギィ。
ここの、静かで暖かい寂寥感がたまらなく好きです。
「イギリス時代のヒッチコックの集大成」とは正にそうで、全篇印象的なカットで出来ている快作。
伏線回収の華麗な脚本もすばらしいが、最も目を見張ったのは、ヒッチコックのSっ気が他のどの作品よりも肉体的なも>>続きを読む
妻に先立たれてからの後半が面白い。
息子と上手く接することが出来ず、現実から逃げるように戦場へ赴くも、
戦地で見かけたピアノを現地の子供と弾くことでかつての情熱を取り戻す。
シンプルながら感動的なシー>>続きを読む
デュヴィヴィエらしさには欠けるが好きな作品。
腐れ縁、とでも言うべきな男の友情が胸を打つ。
カミロを皆で見送るとこなんて、分かっていても泣くよ。
『捜索者』とは別のアプローチでインディアンにさらわれた子供を映した西部劇。
オルゴールの音色で記憶を取り戻しても、すでに取り返しのつかない状況に陥ってしまった少年のやるせなさ。
酒場の女主人の印象をラ>>続きを読む
これも『カビリアの夜』と同じく「笑顔」の映画。ただしこちらはマシーナでなくマストロヤンニの笑顔。
マシーナと駅で別れるときにマストロヤンニが浮かべる、人生の粋も甘いも全部ひっくるめたような微笑み。表情>>続きを読む
もう散々言われてるけど、ラストの笑顔の素晴らしさ。あの一瞬のための映画と言っても過言じゃない。
神への信仰の話ってどこかで言われてたけど、家族への執着の話だよなあ、これ。一人は家族のために足を洗い、一人は家族の影を追って孤独に死ぬ。フェリーニ作品はいつもラストでグッと評価が上がる。
評判悪いんですが、ゴジラ作品では一番好きです。
思うに、本来はもっと硬派な作品にする予定だったのでは?
シートピアが人類を攻撃をする理由が「核実験で被害を受けたから」という初代を踏襲した設定はその名残>>続きを読む
何一つ無駄な物がない緻密な構成に脱帽。
クーパーはすでにかなり老けているのだが、一体どの時期にここまで老けたのだろうか。
スタンウィックの悪女と乙女の演じ分けもこれまたスゴい。
結果的に雇い主のお嬢様>>続きを読む
オールタイムベスト。
オチなんて文章に起こすと噴飯モノなのだが、映像の力が強すぎて納得してしまう(死に神を実際に存在する物の音と影だけで表現してしまうのだ)。
信仰の問題を極めて現実的に描写する離れ業>>続きを読む
「音速の壁を突破する」夢に命を懸ける男たちの話。
娘に忌避されても息子を死なせても、それでも野心を捨てられない苛烈な生き方。それは同じく夢に燃える男たちを引き寄せもするが孤独な人生だ。しかし最後の最後>>続きを読む
マストロヤンニはマシーナよりローレンとのコンビの方が好き。結局全員実の子供なんだろうなー、と思えるのは人物描写が優れているからか。
精神病の息子を抱えた印刷屋の話の絡め方が上手い。「五年」って言うと短く感じるけど「1825回の夜」って言われると堪える。