アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 118ページ目

フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

4.8

深刻ながら、画面から溢れるこの多幸感。
ルノワールはカラー作品の方が良い。

ブロンクス物語/愛につつまれた街(1993年製作の映画)

3.7

貧しくとも誠実であろうとする父と、遊びと厳しさを兼ねたギャングのボスに育てられた少年の成長の物語。

「大人になる」ということは残酷な真実を知ることでもあるが、自分に向けられた愛に気付けるということで
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ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

3.9

メタ的な語りという亜流を、全盛期の姿での演奏に、そしてラストの王道のミュージカル演出に繋げるの興奮した。

音楽のために色々なものを捨てる男の話なのに、暗さは全くない(娘が死んだときでさえ、あっさりし
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.5

ウェス・アンダーソンの統一された画面構成はなるほど人形劇に向いている。
過剰なほど機敏に動くキャラクターたちは見ているだけで楽しい。
全てをやりとげた主人公たちが、野生の象徴である狼を目にして涙ぐむシ
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シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

3.8

ラスト、昔の恋人を見送って、雪景色の中で家族と戯れるギィ。
ここの、静かで暖かい寂寥感がたまらなく好きです。

三十九夜(1935年製作の映画)

3.6

「イギリス時代のヒッチコックの集大成」とは正にそうで、全篇印象的なカットで出来ている快作。
伏線回収の華麗な脚本もすばらしいが、最も目を見張ったのは、ヒッチコックのSっ気が他のどの作品よりも肉体的なも
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愛情物語(1956年製作の映画)

3.2

妻に先立たれてからの後半が面白い。
息子と上手く接することが出来ず、現実から逃げるように戦場へ赴くも、
戦地で見かけたピアノを現地の子供と弾くことでかつての情熱を取り戻す。
シンプルながら感動的なシー
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陽気なドン・カミロ(1951年製作の映画)

3.5

デュヴィヴィエらしさには欠けるが好きな作品。
腐れ縁、とでも言うべきな男の友情が胸を打つ。
カミロを皆で見送るとこなんて、分かっていても泣くよ。

馬上の二人(1961年製作の映画)

3.8

『捜索者』とは別のアプローチでインディアンにさらわれた子供を映した西部劇。
オルゴールの音色で記憶を取り戻しても、すでに取り返しのつかない状況に陥ってしまった少年のやるせなさ。
酒場の女主人の印象をラ
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ジンジャーとフレッド(1985年製作の映画)

3.8

これも『カビリアの夜』と同じく「笑顔」の映画。ただしこちらはマシーナでなくマストロヤンニの笑顔。
マシーナと駅で別れるときにマストロヤンニが浮かべる、人生の粋も甘いも全部ひっくるめたような微笑み。表情
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カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.0

もう散々言われてるけど、ラストの笑顔の素晴らしさ。あの一瞬のための映画と言っても過言じゃない。

(1955年製作の映画)

3.5

神への信仰の話ってどこかで言われてたけど、家族への執着の話だよなあ、これ。一人は家族のために足を洗い、一人は家族の影を追って孤独に死ぬ。フェリーニ作品はいつもラストでグッと評価が上がる。

ゴジラ対メガロ(1973年製作の映画)

4.3

評判悪いんですが、ゴジラ作品では一番好きです。
思うに、本来はもっと硬派な作品にする予定だったのでは?
シートピアが人類を攻撃をする理由が「核実験で被害を受けたから」という初代を踏襲した設定はその名残
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最後の戦闘機(1935年製作の映画)

4.3

主人公の弟の使い方が抜群に上手い。思わずホロリと来た。

教授と美女(1941年製作の映画)

4.2

何一つ無駄な物がない緻密な構成に脱帽。
クーパーはすでにかなり老けているのだが、一体どの時期にここまで老けたのだろうか。
スタンウィックの悪女と乙女の演じ分けもこれまたスゴい。
結果的に雇い主のお嬢様
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奇跡(1954年製作の映画)

5.0

オールタイムベスト。
オチなんて文章に起こすと噴飯モノなのだが、映像の力が強すぎて納得してしまう(死に神を実際に存在する物の音と影だけで表現してしまうのだ)。
信仰の問題を極めて現実的に描写する離れ業
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超音ジェット機(1952年製作の映画)

4.0

「音速の壁を突破する」夢に命を懸ける男たちの話。
娘に忌避されても息子を死なせても、それでも野心を捨てられない苛烈な生き方。それは同じく夢に燃える男たちを引き寄せもするが孤独な人生だ。しかし最後の最後
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ああ結婚(1964年製作の映画)

4.0

マストロヤンニはマシーナよりローレンとのコンビの方が好き。結局全員実の子供なんだろうなー、と思えるのは人物描写が優れているからか。

裁きは終りぬ(1950年製作の映画)

3.5

精神病の息子を抱えた印刷屋の話の絡め方が上手い。「五年」って言うと短く感じるけど「1825回の夜」って言われると堪える。