Jellyfishさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

Jellyfish

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違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.0

若手俳優陣による 4 + 1 人の群像恋愛会話劇。おっさんとオバハンは一切出てきません。宇宙の話でもありません。

いちいち通じない会話がわざとらしいのだが、それも含めてなかなか可笑しいし面白い。一箇
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

2.5

うーむ、ホラーとは誠に難しいジャンルである。論理的整合性とリアリティ、それぞれどこまで求めるか。多少大目に見ても良いジャンルだと思うのだが、本作はどちらも不合格。一方の指標である、雰囲気とか怖さも今ひ>>続きを読む

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

3.0

ドラッグ浸り、セックス浸りにして敬虔なカトリック教徒であり、ニューヨーク育ちながら応援するのはドジャースという、まさに「歩く矛盾」たる悪徳警部補の物語。

冒頭からずっと呆れて面白いのだが、「救世主」
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螺旋銀河(2014年製作の映画)

3.0

二人の女性がラジオドラマを作る話。
「王国 (あるいはその家について)」 の 草野なつか 監督の初長編作。

この映画、そもそも最後のラジオ ドラマのシーンを撮りたかったんだろうなと思っていたら、実は
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エス(2023年製作の映画)

2.5

不在の「シバタ」を巡る会話劇。

よくある半径5mのこぢんまりとした話という印象。極めて演劇的な語り口で、あえてこれを映画化する意義を感じることができなかった。
また、映像としても見る喜びが少なすぎる
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千年女優(2001年製作の映画)

5.0

死ぬまで恋に恋する女を演じ続けた女優の一代記。にして映画愛の物語。恥ずかしながら初見です。

過去と現在、虚構と現実のあわいで疾走する物語、観賞を一切妨げることのない作画のレベル。すべてがお見事。去年
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.0

中学校の合唱部部長とカラオケが上手くなりたいヤクザとの交流を描く。原作コミックは未読。

思っていたよりおとなしい作りで、ちょっと拍子抜け。卒業とか、少年から青年への移ろいとか、消えゆくミナミの風景へ
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葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

4.0

孫娘を連れて妻の遺体を故郷に運ぶ老人を描いたロードムービー。
去年、遺灰を運ぶ「遺灰は語る」っていう映画があったな、観てないけど、なんて考えながらスクリーンに向かう。

冒頭結構かったるいが、タイトル
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夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

2.5

2022年公開の見逃し作品を WOWOW 放送で観賞。コロナ禍で職も住居も失い、バス停で夜を明かす女性の話。

日本映画批評家大賞やキネマ旬報脚本賞を受賞ということで期待していたのだが、うーん、残念な
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レオノールの脳内ヒプナゴジア(半覚醒)(2022年製作の映画)

2.5

フィリピン産のベタなアクション・ムービーへの愛を、引退した老齢女性監督を主役にしたメタな構造で語る作品。

登場人物の相関関係が把握しづらいのと、描いている世界への興味がわかず、残念ながら乗り切れず。
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

2.5

ある家族の脱北の旅路を追ったドキュメンタリー。サイドストーリーでは、ソウルに住む元脱北者が北朝鮮に残る息子の脱北を試みる姿も描かれる。

脱北を支援するのは、脱北者を妻に持つ韓国人牧師と彼の「ブローカ
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ミツバチと私(2023年製作の映画)

2.5

「トムボーイ」とか「リトル・ガール」の系譜に連なる、子供の性自認問題がテーマの作品。

大人になりたい少年と、女の子になりたい男の子という違いはあるが、湖とか池が登場するところとか、婉曲的な語り口とか
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東京夫婦善哉(2023年製作の映画)

2.5

夫と妻と猫の家族、妻が二人を看取るドキュメンタリー。見逃していた去年の公開作を旅先の劇場で観賞。

途中から、天祖神社とか関東中央病院とか世田谷線とか、自宅生活圏の風景が出てきてびっくり。ご近所にこん
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

2.5

突如の天変地異で崩壊した韓国。唯一、奇跡的に無傷で残った高層アパートメントの住民達が繰り広げるサバイバル劇。昨年一月の「非常宣言」以来の韓国製大型パニック映画。

もちろんつまらなくはないけど、ストー
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彼方のうた(2023年製作の映画)

3.0

監督インタビューなど、いろいろ復習して再見するも、やはり今ひとつ。
映画で描いていない部分の広がりを「春原さん」ほどには感じることができず、もっと言えば興味が持てないという感じ。残念。

(初見時)
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

4.0

2024年公開作の観賞一本目。笑いで認められたい超絶コミュ障男の話。

何が良いって、この男、笑いに対する献身性とコミュ障ぶりはカイブツ級だが、笑いの才能はそれほどでもない (少なくとも笑いの天才では
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ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

2.5

「アタシとデートするためにファイトクラブを始めるなんて変よ。ただ普通に話しかければいい。」って、全くその通りなのだが、結構可笑しいので許す。

この手のジェンダー・テーマの作品は難しくて詳細の議論は避
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

「Saltburn」主演 バリー・コーガン の復習と、「哀れなる者たち」ヨルゴス・ランティモス 監督の予習を兼ねて Amazon で配信観賞。

何の説明もなく家族に降りかかる不幸とか、自分可愛さから
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雪山の絆(2023年製作の映画)

4.0

時は1972年、南米アンデス山脈に墜落したプロペラ機の乗客たち、彼らのサバイバル実話劇を Netflix が映画化。
久々に観る本格的なヒューマン・ドラマ。終始緊迫感のあるストーリー。途中、こんなに苦
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

2.5

主人公は、そう若くもない崖っぷち女性芸術家。描かれるのは、個展のための作品を製作する彼女の日々の出来事。
これまた眠い、「FIRST COW」以上に眠い、ケリー・ライカート 作品。

いつまで経っても
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.0

「パパイヤは、青い時は野菜と見なされ、熟した時に初めて果物となる。」少女が野菜から果物になる話。先月公開作「ポトフ」の トラン・アン・ユン 監督の長編デビュー作。

鳥の囀りと虫の音に満ちた、1960
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Saltburn(2023年製作の映画)

5.0

Amazon Prime Video オリジナル作品。タイトルの ソルトバーン はイギリスの地名。
バリー・コーガン (キオガン) 主演の今年最高にイヤな映画。同じくコーガン出演の「イニシェリン島の精
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ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)

2.5

売れない小説家が新作のネタ集めのために娼婦になる話。

ベルリン在住のフランス人女性作家という設定にはどういう意図があるのだろうか (観賞後に調べたら、ドイツではあらゆる形態の売買春が合法らしい) と
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

Shibuya - The Tokyo Toilet な初老男性の晴耕雨読の日々。
幻想の東京。規則正しくはあるが単調ではない毎日は、近くの神社の掃き掃除の音で目覚め、モノクロの木漏れ日の夢を見ながら
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.0

ヒロインに共感できないタイプのホラー映画。

理屈は置いておいて終始持続するイヤな感じと緊張感を楽しむべき、A24 味の薄い作品 (であるがゆえの最高興収なのだろう)。90分ちょいという長さも良い。
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.0

全くどうってことの無い小話みたいなストーリーを、じっくり丁寧に描くことで、独特の世界観を醸し出している作品。

とはいえ、牛が出てくるまでが地味すぎて苦痛。固定カメラの長回しもうまく機能しているように
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Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)

3.0

社内の関係が変わることで、男女の関係が崩壊していく様を描く Netflix オリジナル映画。夏頃に劇場上映されていたものを、配信で後追い観賞。あまり期待せずに見始めたが、これが意外と良く出来ていて楽し>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

2.5

劇場ではなく Netflix 配信で観賞。
ああ、天才を夫にもった妻の話なのか、と思ったら最後やっぱバーンスタインの話だった、いや二人の話か。

ルックとかシーンの切り替えとかは見事ながら、バーンスタ
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

一人と一人の貧乏ブルーカラー労働者が、最後は二人と一匹になるフィンランド映画。

80年台風の景色の中、思い出したように流れるウクライナ侵攻のラジオ・ニュース。
「男はみな同じ鋳型、しかも壊れている」
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99%、いつも曇り(2023年製作の映画)

2.5

アスペルガー傾向のアラフィフ女性を当事者脚本・監督・主演で描く、田辺・弁慶映画祭グランプリ受賞作。

ちょっと Well-made 過ぎて自分の好みではないが、確かに主演の 瑚海みどり も脇役陣も悪く
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王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.0

(2024.1.22 64分版 観賞)
過去2度しか上映されていないという短編版を、やはりポレポレで観賞。
64分あるのに意外なほど薄味で、やっぱりこの企みは150分版の方でこそ堪能できるのだと思った
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ホゾを咬む(2023年製作の映画)

3.0

妻の浮気を疑う男の幻想譚。

柔らかいトーンのモノクロで綴られる白昼夢。夫が務める不動産会社を訪れる変な客たちやら、日焼け止め男 (「はこぶね」の 木村知貴) やら、飛行帽の少年やら、クセのある脇役が
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

5.0

料理を通して愛を確かめ合う男女の話。

冒頭30分続く午餐のため料理シーンにただただ見入ってしまう。子供の頃 (1970年代)、確か日曜午前中の早い時間に、グラハム・カーの「世界の料理ショー」というT
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.0

「週末」を貸別荘で過ごす一家に忍び寄る世界の「終末」。危機に瀕することで露わになる人間の本性を描く。ある登場人物が本作のキーで、その雰囲気は「US」、「NOPE」や「ノック 終末の訪問者」に近い。>>続きを読む

最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.0

悪ガキたちを主演にすえた映画についての撮影記録風モキュメンタリー。

フィクションとドキュメンタリーのあわいを狙った作品。ドキュメンタリーかと錯覚してしまうほどリアルな子供達。演劇の功罪、映画による搾
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ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)

2.5

感謝祭の聖餐をめぐる物語。

勝手にブラックなユーモアを期待して行ったら真面目なホラーで、おまけに特にひねりも無く、盛大な空振りに終わる。