Jellyfishさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―(2023年製作の映画)

3.0

方向性が異なる ADHD 傾向をもつ二人の女子高生のシスターフッド・ムービー。

ドラマとしての弱さは感じるものの、それを補って余りある当事者性で「じゅり」と「いと」を演じる二人の俳優がなかなか良い。
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劇場版 再会長江(2024年製作の映画)

3.0

10年前 NHK の番組のために監督という立場から長江を撮った竹内亮。その後中国へ渡り人気YouTuberになった彼が、2021年から2年をかけて、10年前に出会った人々と再会を続けながら長江の最初の>>続きを読む

かづゑ的(2023年製作の映画)

2.5

らい病患者療養所「愛生園」。そこに、昭和13年 (当時10歳) から暮らし続けている かずゑ さんの日々を記録したドキュメンタリー。

カラッとした彼女の語り口とは裏腹に、曰く「天国でもあり地獄でもあ
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優作について私が知っている二、三の事柄(2020年製作の映画)

4.0

崔洋一監督がインタビュアーになり、松田優作をよく知る人々に生前当時の話を聞いた記録映像。WOWOW オンデマンドで。

特に彼のことを詳しく知っている訳ではなので、桃井かおり、水谷豊、原田喧太 (ミュ
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.0

ノーランの長編デビュー作の HD レストア版上映。70分なので中編と言っても良いくらいスルッと観られる。

なかなか面白い。言ってしまえば、「メメント」の前身作。時系列をいじくり回すのは、本作とか「メ
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

2.5

クローネンバーグの息子 (?) が撮ったリゾート・ホラー。

父デヴィッドの「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」同様、何が良いのか分からず。失礼ながらどちらも、いい歳していつまで厨二病?と思ってしま
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瞼の転校生(2023年製作の映画)

5.0

大衆演劇の座長の息子が主人公の青春映画。
全く食指が動かないタイトルも問題だが、危うくスルーするところだった自分を叱りたい。もっと観られて然るべき作品。

「カラオケ行こ!」で合唱部長役だった 齋藤潤
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

ヨーロッパ企画の時間SFものを WOWOW で初観賞。鏡合わせのアレを「ドロステ効果」と呼ぶことを初めて知った。2020年6月公開ということは、コロナ下の配信公開だったのだろうか。

「リバー、流れな
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

韓国語で「イニョン」 ー 「縁」 で綴る初恋の物語。ちょっと懐かしいスタイルで、アメリカに移住した韓国女性の生き方を描く A24 作品。

あの時ああしていれば、という想いは誰にでもあるはず。24年前
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海がきこえる(1993年製作の映画)

4.0

旧作ハシゴ、二本目はジブリ初のテレビ放送用作品の劇場公開。今回初見のとても上質なセルアニメ。

都会から来た女の子に、地方都市の男の子二人が振り回される話。彼女の行動は現代の目で見てもかなり破天荒。今
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ロスバンド(2018年製作の映画)

3.0

2023年公開当時ノーマークで見逃していたノルウェー映画。年末のベスト10に本作を挙げている人もチラホラ。同監督の新作「リトル・エッラ」公開に合わせてリバイバル上映。

終映後に クリスティアン・ロー
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.5

話題のアメリカ製原爆映画。
とてつもないスピードのカットバックといい、3時間ずっと維持し続ける緊張感といい、映画としての仕上がりは凄いとは思う一方、登場人物がいたずらに多く饒舌かつ早口で、意図的にしか
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.0

男子心きゅんきゅんの、新海誠 原液 100% アニメ。劇場では初観賞。これでもかというほどの浅い被写界深度と色彩美。スクリーンで観る桜と雪の描写が見事。

小中学校までは男は幼いのだよ。かと思うと急に
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.0

薬害企業とその経営者一族に対する抗議活動と、その急先鋒を務める写真芸術家ナン・ゴールディンの人生の両輪で綴る、複雑でヘヴィーで力強いドキュメンタリー。自分は写真が趣味の一つでもあるので非常に興味深く観>>続きを読む

i ai(2022年製作の映画)

3.0

ストーリーは有って無いようなものだが、兵庫の街ってこんなに土着的なのだろうかと思うくらい、ロケーションと美術と撮影が素晴らしい。森山未來、瑛太、さとうほなみ、小泉今日子 ら出演陣含めて、画力だけでも楽>>続きを読む

ペナルティループ(2024年製作の映画)

4.0

「世にも奇妙な物語」でやりそうなエピソードを、じっくり緻密に丁寧に描いた感じ。

テーマは、人が人を直接、物理的に裁くことの重さ、しんどさ、それは SNS で会ったことも無い人をキーボードで裁くことへ
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

5.0

くらってしまいました。
1994 年公開当時劇場で観ているはずだが記憶はおぼろ。少なくとも、こんなに泣いた記憶はない。

全てのシーンが、すべての音楽が、素晴らしい。特に海岸のシーン。貝殻で描いたタツ
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

2.5

アメリカの連邦最高裁が人工中絶を合法と認めたのが 1973 年。これは、その前夜の時代の物語。

ウエットなヒューマンドラマだったらイヤだなという心配は杞憂に終わる。想像以上にドライで力強いストーリー
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

5.0

浅野いにお原作漫画のアニメ化。タイトル通り、デーモンによる世界の破壊の物語。原作未読で観賞。「ドラえもん」オマージュの、2020 年代版「第9地区」という感じ。

ちんまい世界系的な語り口に収まること
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.0

公開時劇場で観賞したのだがイマイチ消化できず、今回 WOWOW 放送の録画で再鑑賞。

地味に残酷な話。嫌いな話では無いはずなのだが、一本調子にずっとシリアスで、ユーモアとまでは言わずとも一切緩和が無
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

2.5

壮大な宇宙叙事詩のパート2。

IMAXレーザーGTのそびえ立つ正方形大画面いっぱいに迫る、シャラメのどアップや、「NOPE」でも見たような丸くてデカイ口の迫力は確かにすごいし、シートが震える音響もす
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.0

1980年台が舞台の痛々しい青春映画にして、もちろん映画愛の話。
前作も観てないし、舞台となる映画館 シネマスコーレ も 若松孝二 監督についても予備知識なしで観賞したが十分楽しめた。

井浦新 と
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

2.5

アップリンク吉祥寺でハシゴの二本目。最近の韓国映画に多い、二匹目のドジョウを狙ったような作品。

着想は悪くないのだが、社会問題の絡め方が通り一遍で予想通りに話が進み、結局どこかで見たような話がそこそ
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12日の殺人(2022年製作の映画)

5.0

フランス田舎町で起きたとある女性の殺害事件を巡って、深い穴の縁をいたずらに周り続け、挙げ句の果てに取り憑かれても、一向に核心に近づけない物語。期待通り、大好きなヤツでした。

捜査する側もされる側も、
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14歳の栞(2021年製作の映画)

3.0

じわじわ高評価のドキュメンタリー映画をリバイバル上映で。埼玉の中学二年生のとあるクラス、35 人の一人ひとりを取り上げる。が、「密着」は大袈裟。

新入生 (一年生) でもなく、卒業を控えた三年生でも
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ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)

4.0

監督の中学時代の体験をモチーフに、クラファンで資金を集めて制作された、2023年公開の自主制作作品。
授業のシーンにも登場する「銀河鉄道の夜」を下敷きに、解釈が見るものに託される不思議な物語は、ギリギ
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ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

4.0

シスターフッドものであり、チームフッドものであり、ジェンダー映画でもある、ダイアナ・ナイアドという実在のチャレンジ・ジャンキーの話。

もう最後は一緒に泳いでいるようで疲労困憊の感。なぜ彼女はこうも挑
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.0

黒人文芸作家が主人公のブラック・コメディ。少し前ならユダヤ人作家が描きそうな話 (例えば フィリップ・ロス とか) を アマプラ で観賞。

変な方向に話が転んでいく様は「ドント・ルック・アップ」を想
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

2.5

エンドロールのクレジットによれば、中国ドラマのリメイク作品の模様。
少し前に「サイコパス vs. 連続殺人鬼」という惹句の映画があったが、本作こそまさにそんな感じ。

よく練られたストーリーでラストま
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全身小説家(1994年製作の映画)

4.0

アップリンク吉祥寺「気がかりな映画特集」 観賞四本目。
小説家 井上光晴 が癌死するまでの4年間を追ったドキュメンタリー。今回観賞の四本の中で一番 Well-made な仕上がり。

井上光晴 とは何
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極私的エロス 恋歌1974(1974年製作の映画)

3.0

アップリンク吉祥寺「気がかりな映画特集」 観賞三本目。
背景を全く知らず、観賞後に本サイトの紹介文を読んで、ああそういう話だったのかと納得。

日本初のハメ撮り映画なのだそうだが、ソレよりも動物の様な
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さようならCP(1972年製作の映画)

4.0

アップリンク吉祥寺「気がかりな映画特集」 観賞ニ本目。
いざり這いずりながら横断歩道を渡るCP (脳性麻痺) 患者横田さん。衝撃的なオープニングの本作は、家督が自ら名付ける「アクション・ドキュメンタリ
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ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

3.0

アップリンク吉祥寺「気がかりな映画特集」 観賞一本目。超有名作ながら初見。
映画の方は、途中押し問答が延々と続くのでかなり寝てしまった。

終映後に監督登壇のトークショー。こちらの方が断然面白い。
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水平線(2023年製作の映画)

3.0

福島の海で散骨業を営む元漁師の話。ピエール瀧 復帰第一作。

ピエール はじめ俳優陣が (特に 円井わん は終始) 素晴らしいのだが、対立軸の立て方が古臭くてイマイチ乗れ切れず。そこが本作の唯一にして
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.0

昨年劇場で見逃した作品をアマプラ見放題で観賞。ジャンルで言えばスプラッタ・アクション・ムービーなのだろうか。決して死なない男の話。

噂に違わず面白い。まさに、北欧版ジョン・ウイック。丁寧な作りで、人
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

5.0

舞台は、監督自身が子供の頃に住んでいたという多摩ニュータウン。そこに住む (あるいは働く)、世代の異なる三人の女性を中心に五月のある一日を描く群像劇。ニュータウン内ロードムービーの風情もある。

小さ
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