yusukepacinoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.5

ティム・バートンが映画化する30数年前に作られたメル・スチュアート版。
ティム・バートン版よりもミュージカル色の強い作りで何より両作品ともに内容はほぼ同じでロアルド・ダールの原作に忠実なのが窺える。ラ
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本日休診(1952年製作の映画)

3.6

井伏鱒二の原作を渋谷実監督が映画化。
柳永二郎演じる町医者とそこを訪れる人々の交流が描かれる。
本日休診を謳っても容赦なく様々な病気を抱えた人がやって来る。喜劇らしく戦後の混乱をそこまで感じさせずほの
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チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.6

ブラックなロアルド・ダールの世界観を見事に体現し作り上げたティム・バートンとジョニー・デップのタッグ作。あまりに有名な作品なのもあって今まで敬遠してきたがこの度ようやく鑑賞。
夢がある話。所々ミュージ
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981年製作の映画)

3.4

ジェームズ・M・ケイン原作のエロティックサスペンスでこれまでに4度映画化され、現時点ではこちらが最後の作品となっている。
『キングコング』の娘から見事脱皮して80年代に演技派女優の名をほしいままにした
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.4

御大のまさかの50年ぶりのシリーズ登場が嬉しい新3部作の1作目。90歳を迎えても尚現役というのは素直に凄いと思う。
エクソシストシリーズは1〜3を事前鑑賞、ビギニングとドミニオンは未鑑賞という状態で臨
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エクソシスト3(1990年製作の映画)

3.3

シリーズ3作目。ついに原作者自身が監督を務める。
前作に関連付けられたストーリー。ダミアン・カラス神父の死の謎。分裂症。オカルト映画ではなくホラー色の強い仕上がり。
ジョージ・C・スコットが不気味なブ
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酔っぱらい天国(1962年製作の映画)

3.7

酔っぱらいムービー。ただの酔っぱらいのおっさんの話かと思って観始めたら最初はたしかにそうなのだが後半の凄まじさといったらなかった。
酒に溺れてベロベロ陽気な笠智衆の芝居が楽しい作品でこんな彼は見たこと
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エクソシスト2(1977年製作の映画)

3.0

パズズ再び。
あの悪魔が4年ぶりに蘇る。
ウィリアム・フリードキンによるあの映画をジョン・ブアマンが引き継ぐ。
名優リチャード・バートンを担ぎ出して製作された続編。音楽はエンニオ・モリコーネ。
前作か
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エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

3.5

およそ10分の未公開映像が追加されたディレクターズカット版。オリジナル版は以前鑑賞済みだが隅々まで覚えている訳ではないのでどこが追加された映像なのか分からず終い。派生するエクソシストの元祖的作品で少女>>続きを読む

夜の鼓(1958年製作の映画)

3.5

参勤交代中に鼓打ち相手に妻に不義を働かれた武士。その噂が随分と広まり...。
近松門左衛門の『堀川波鼓』を原作に今井正監督が映画化。脚本は橋本忍と新藤兼人、主要キャストに三國連太郎、有馬稲子、森雅之と
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THE FALLS(1980年製作の映画)

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ピーター・グリーナウェイの長編監督デビュー作でいきなりのおよそ195分にも及ぶ大長編となっている。92人の空の先駆者をインタビュー形式に捉えるモキュメンタリーとなっており、その全員が名字にFALLが入>>続きを読む

河内のオッサンの唄 よう来たのワレ(1976年製作の映画)

3.0

ローカルムービー。
ミス花子が歌う『河内のオッサンの唄』に着想を得て作られた作品。相変わらず川谷拓三が頑張っていて良い。
シリーズ2作目に笑う。2作も作られていたとは。下品なオッサンらが沢山登場。
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.6

愛と戦場。
ナポレオン・ボナパルトの半生を描く作品。
史実に基づく映画は苦手なジャンルだがリドリー・スコット×ホアキン・フェニックスということで初日に鑑賞。
ナポレオンがいかにしてフランス国の英雄とな
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

4つの国の5つの都市のタクシーの中というシチュエーションで巻き起こる会話劇。オムニバス形式を取った作品。
ジム・ジャームッシュらしさも感じつつまた違った側面も見られる。
先日観た『ダウン・バイ・ロー』
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ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

3.7

ジム・ジャームッシュ監督によるゆるい会話劇。脱獄モノ。モノクロ。
監督特有の作品に流れるこの空気感が良い。
間抜けな2人が投獄され、そこにイタリア人が加わり刑務所を抜け出した先にあるものとは。
シンプ
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狼の王子(1963年製作の映画)

3.0

石原慎太郎原作。
その時代の世俗や風俗を映す。
少年期から狼と呼ばれた男。
新人、藤竜也が刑務所内のシーンで少しだけ登場する。
死装束かのように白いスーツで殴り込みに行く高橋英樹とその結末を映像で見せ
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夜の牙(1958年製作の映画)

3.3

土曜日の男。謎の美女。深みに嵌っていく男を描くノワール劇。
戸籍を貸すために区役所にやって来たがそれが抹消されていたことを知る医者。
その謎を探っていく内に暫く会わない実弟が絡んでいることが判明する。
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アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

3.8

あまりに有名なフランス映画がデジタルリマスターとして甦って劇場公開されるとは。
オープニングから惹き込まれる。
この摩訶不思議な映像を見てジャン=ピエール・ジュネはクリエイターだと思った。
なんといっ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

ゴジラ生誕70周年記念作品。
銀座を壊滅的な状態にするゴジラだがゴジラは日本の誇りだ。
主演は朝ドラの『らんまん』でも共演していた神木隆之介と浜辺美波。
特攻隊の生き残りで自分自身の戦争を終えられなか
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学生野郎と娘たち(1960年製作の映画)

3.5

曽野綾子の原作。助監督に西村昭五郎、音楽に黛敏郎を擁した中平康監督作品。基本的にコミカルな学園モノだが所々辛辣で後半はなかなかに重い。
今から60年以上も前の作品なのにくだらない大学が増えてや大学がな
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.5

『キャプテン・マーベル』の世界観に『ミズ・マーベル』がミックスされた感じ。そのためアンバランスさはあったりもするが3人の強き女性達の活躍が見られるのは良い。アクションと迫力ある映像はやはり劇場で観るべ>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.3

断片的に観ていっているMCU。新作『マーベルズ』を観に行こうと思い、その前に鑑賞。
記憶を失ったキャプテン・マーベルの戦いを描くものだが掴みというか冒頭から付いて行けなくて困惑。キャラクターの魅力も伝
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燃える雲(1967年製作の映画)

3.1

画質が良い。
主演級スターがズラリと並ぶ意欲作。
管制塔からの指示を無視したことによりパイロットのライセンスを剥奪された男が航空検察官にスカウトされる。
これだけの濃い面々を一挙に総出演させれば良いと
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月は上りぬ(1955年製作の映画)

3.7

味わい深い佳作。
監督は田中絹代だが脚本の小津安二郎の色が濃く出た作品。助監督に齋藤武市がいる。
鼻歌を歌う姉さんを覗く北原三枝の表情が好き。姉にはお節介を焼く三女の節子もいざ自分の恋愛や将来のことに
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正欲(2023年製作の映画)

4.0

朝井リョウの同名小説が原作の群像劇。
物心ついた時からどこか普通の人(って何だろうか?)と違うなと思いながら生きてきた自分のような人間には痛いほどに刺さる映画。特に新垣結衣の台詞がグサグサと。

セン
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しあわせはどこに(1956年製作の映画)

3.3

両親がいないためなかなか就職出来ない主人公の芦川いづみ。デビューしてそれ程経っていないのもあってまだあどけなさが残る。
一方相手役の葉山良二もまだ爽やかさがある。
殿山泰司が汚らしい見た目通り嫌な役。
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斬り込み(1970年製作の映画)

2.9

澤田幸弘の監督デビュー作。復讐劇。
あまり物語に入り込めなかった。
渡哲也の表情が良いが主演にしては出番が少ない。どちらかというと郷鍈治や藤竜也ら4人組がメイン。彼らの死に様とそれらに付随する怒りの爆
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.8

火、水、土など互いに相容れないもの達が共存する世界が舞台で色鮮やかで綺麗な映像に魅せられる。触れ合えない中で芽生える愛。ディズニー&ピクサーらしい優しさに溢れた作品。
癇癪を起こしてしまうエンバーと涙
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インファナル・アフェアIII 終極無間 4K(2003年製作の映画)

3.6

シリーズ3作目。無事シリーズ全て劇場鑑賞出来た。
この物語の今までのことが繋がりこれ以上ないラストで余韻が凄かった。
実はこんな人もいましたという後付け感のある新キャラクターの登場はかなり気になり正直
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花を喰う蟲(1967年製作の映画)

3.5

大胆。
自分の思い通りに女を染め上げスター街道に乗せる。まだ若いが太地喜和子の妖艶な魅力が爆発している作品。西村昭五郎監督の初期作品でもあり、ロマンポルノに近しい雰囲気を擁する。
会えば喧嘩ばかりな2
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牡丹と竜(1970年製作の映画)

3.0

東映で『日本侠客伝』シリーズを撮ったマキノ雅弘監督が晩年日活で残した作品。
お馴染みの高橋英樹×和泉雅子モノ。小林旭が共演。
牡丹の刺青があの唐獅子牡丹の牡丹を彷彿とさせる。
お決まりの展開に真新しさ
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アラブの嵐(1961年製作の映画)

3.3

珍しいエジプトロケが敢行された作品。
亡き祖父の教えに従いベイルートに向かう飛行機の中で隣に居合わせた石原裕次郎と芦川いづみ。行き先変わってエジプトのカイロに降り立った2人がある事に巻き込まれるという
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炎の城(1960年製作の映画)

3.4

和製ハムレット。
久しぶりに帰国して父の死を知り、気の触れた振りをする正人。父の亡霊が現れ彼を惑わす。そこと毒の件とかは『ハムレット』だった。
流石の時代劇の東映といったところでセットや衣装の絢爛豪華
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インファナル・アフェアII 無間序曲 4K(2003年製作の映画)

3.9

シリーズ2作目。香港の中国返還前夜の話。
前作の主役のアンディ・ラウとトニー・レオンはいないが相変わらず面白くて魅せ方が上手いなと思った。
前作よりも車爆破や轢き逃げなど容赦無さを感じる反面、情感溢れ
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法廷遊戯(2023年製作の映画)

3.7

無辜ゲーム。法科大学院に通う3人による法廷バトル。永瀬廉、杉咲花、北村匠海による演技合戦も楽しめる。
過去の因縁というか偶然にも同じ場所で勉強し、法律を司るようになるとは。
過去は清算され、罪は罰せら
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インファナル・アフェア 4K(2002年製作の映画)

4.0

ゾクゾクする。ハリウッドリメイク作の『ディパーテッド』は15年前ぐらいに観ていてリメイク元の本作の存在はもちろん知っていたがまだ観られていなかった。
香港映画界を代表するアンディ・ラウとトニー・レオン
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