joyさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ジャスト 6.5 闘いの証(2019年製作の映画)

3.9

製作者の、現実をなるべくそのまま描こうという、真摯な姿勢が伺える。

通常の警察対麻薬組織の映画にはない特徴がある。

現実の問題を見せようという意思が感じられる。

主人公の人物造形のされ方がとても
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フロッグ(2019年製作の映画)

3.7

原題が良いので、もう少し邦題に生かしてほしかった。

頭の体操に喜びを見出せるなら、それなりに楽しめる。

しかし全体の完成度を上げるために、ドラマ部分を犠牲にしている面もある。

途中で気持ちが離れ
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アノニマス・アニマルズ 動物の惑星(2020年製作の映画)

3.6

試みとしては面白く、絵的に興味をそそられる。

生き物の反転の対象は、見た所三つに見えたが、一つに絞った方が良かったかもしれない。

もっと深掘りし、もっとアイデアがあれば良かった。

真面目なのかふ
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

3.8

人口密度が濃い。

その密度を作り出すそれぞれの集団、その中に属す人々の人間模様を見るようでもある。

善悪に境目がなく混在している。

鋭い視線の中に、時折優しい視線も向けられる。

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.1

周りはとても複雑な皮で覆われいるが、一枚一枚剥がしていってみると、中心にあるのは、とてもシンプルで純粋なものだった。

複雑な部分は、油断すると何が行われているのか分からなくなる、という意味で個人的に
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.5

映画とは関係なく、偶然最近原作を読んでいた為、これは呼ばれているなと、監督も好きとあってより見逃せない作品となった。

長いと感じる人もいるかもしれないが、うまくそぎ落とされ、ギュッと凝縮された作りに
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ダニエル(2019年製作の映画)

3.8

この映画は仮面をかぶっている。

(勘のいい人は気づきそう)

仮面をかぶった状態が好きな人にとっては、外した途端つまらなくなるかもしれない。

反対にこういうのもあり、と思える人もいるはず。

悪ノ
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私は確信する(2018年製作の映画)

3.7

弁護する側の視点で描かれ、される側の視点は無い。

その為人物像が見えず、当人への感情移入は難しい。

逆に言えば先入観なく見ていられる。

それがこの作品の目的ならこの構成も納得できるが、反面カタル
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シリアにて(2017年製作の映画)

4.0

場所自体は変わらないが展開が速いため、頭の中は結構忙しい。

知識不足のため知らないことが多い、状況把握に想像力をフル稼働。

考えてみれば、登場人物の置かれた状況も近いものがある。

さらに頼るべき
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ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)

3.7

実際の出来事が映画になっている場合難しいのは、とはいえ登場人物が実際の人物を正確に表現しているとは限らないという所。

シリアスなドラマであればあるほど、そこはデリケートにならざるを得ない。

そこで
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ビバリウム(2019年製作の映画)

4.2

今回のような成功例もあれば、時には失敗例もあるのだろう。

愛情深いほど相手の思うつぼ、というのが何とも皮肉。

気になるのは、夜の営みという示唆があったにもかかわらず、その先へ進まなかった事。

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ベイビーティース(2019年製作の映画)

4.1

とても優等生な感じの作品。

作品のテーマの一つは衝動だと思う。

その為少し強引ながらも、ぐいぐいと引っ張られていく。

温かみがあってクスリとした笑いが全体を明るくしている。

しかし部分的には暗
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ブレスレス(2019年製作の映画)

4.1

この物語に出てくる親子の関係には、興味深いものがある。

それが物語が予定調和にならず、どう転んでいくか分からない緊張感を生み出しているように思える。

内的な問題を乗り越えてまた新たに希望を見出す、
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ウィッチサマー(2019年製作の映画)

4.0

軽快なテンポで無駄がない。

タイトに仕上がっているが、ここぞという所はじっくりと見せてくれる。

ホラーに慣れていない人でも入りやすく、コアな層もある程度満足できる、間口の広い作品で、ヒットしたのも
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リビング・ウィズ・ゴースト ある家族の物語(2019年製作の映画)

3.5

導入の部分を考えると、もっと禍々しいものになりそうだが、案外後味の良い作品になっている。

王道のホラーで、観ていて新鮮味はほとんどないので、低評価も仕方なしとも思えるが、完成度が低いわけではない。
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.4

伝えようとしているポジティブなメッセージは良い。

しかし世界が単純化されすぎている感が否めない。

ポジティブかネガティブかの違いで、行為自体は同じ、そこに危うさも感じた。

アンコントロール(2020年製作の映画)

3.8

概ね好感の持てる内容で、権力を行使する側される側、その双方の中で生まれる対立、と多面的に捉えられているように思う。

ただ娯楽作品として観た場合、テンポをもう少し上げてほしかった。

暴走する公権力と
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.0

ふとした瞬間見せる、表情の変化が面白い。

その表情の見せ方、演じ分けが見事。

不安感や安心感がそれだけで伝わってくる。

モーテルの部屋のベッドで見せる、無邪気な表情が印象深い。

作品が持ってい
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ストレイ・ドッグ(2018年製作の映画)

3.6

重々しいムードが良い。

過去の出発点に向かっていくと同時に進んでゆく展開は、珍しくはないがクライマックスへの引きにはなっている。

しかし、思った以上に感情の高ぶりは少ない。

それは彼女に対する共
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ココディ・ココダ(2019年製作の映画)

2.8

民話か童話をベースにしている様。

怖いかといえば怖くはないし、不気味かといえば不気味でもない、しかしおとぎ話の様な不可思議さはある。

影絵の見せ方は良かった。

しかし全体的にこの作品についていく
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はちどり(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

少女を通して先生から教わる。

先生が教えてくれたことは、この作品を要約してくれてもいる。

「テラビシアにかける橋」を思い出した。

この切ない感情は何か。

私を救ってくれたあの人とはもう二度と会
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.5

観る者の不安を掻き立てる嫌な予感。

それを感じるたび、この作品に強烈に惹きつけられていく。

目が離せなくなっていく。

高等なテクニックが施されている。

ただ光景を見せるだけでなく、その裏にある
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.8

謎が多い割にはテンポが良く、難解でもない、そういう意味では観やすい映画。

人を選ぶ要素もあるが、複数で見ると楽しめる人も多いのではないか。

一部に怒り狂う人がいてもおかしくはないとは思うが、案外バ
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.2

僅かな描写で全体を見せる。

観る側の想像力に、ある程度任せられている。

これで伝わるという自信が感じられる。

もっと長く観たいと思わせられた。

この時点で作品が成功している証。

高評価も納得
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ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)

3.7

コメディタッチに描かれていて、シリアスさはほとんどない。

犯人に親近感は抱いても、嫌悪感は感じない。

人質と同じように、観る側も導かれる。

内面はそこまで深く掘り下げられておらず、比較的平凡な作
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グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

4.4

人生を生きる上での一つの理想像として、彼が描かれていると思うが、現実離れした存在には感じない。

それは変わってはいるが、非常に人間臭く人物造形されているからだろう。

上からモノを言っている感じが少
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

3.6

こういった自伝的な映画が作れるようになったのも、それを許容できる時代になったからで、それは作家にとっても観る側にとっても価値がある。

他者の人生に踏み込める、少々図々しいが、貴重な機会を与えてくれる
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七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち(2020年製作の映画)

3.1

起きている出来事に対して、いまいち深刻さが伝わってこない。

後半に進むにしたがって、段々どうでもよくなってくる。

厳格な父親と、徒党を組む仲間の存在は良かった。

期待できそうな内容だったが、その
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ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏(2019年製作の映画)

3.4

戦いを描いた作品ではなく、戦いまでを描いた作品で、そのため派手さは全くない。

その代わり静かで痛々しく、品があり、警句的である。

やや説教臭い所がある。

彼が君子のタイプかというと疑問が残る、情
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キル・チーム(2019年製作の映画)

4.1

戦場を舞台にしているが、戦っているのは戦場ではない。

また、これは戦場でのみ起きることでもない。

自分ならどうかという問いは自然と生まれてくる。

人の死に絡まないだけで、日常、容易く陥りやすい出
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博士と狂人(2018年製作の映画)

3.8

二人が映るだけで画面が映える。

作品に見事にはまっている。

しかし、どうやら引き立て役はメル・ギブソンで、光が当たっているのはショーン・ペンの方のようだ。

アーカイヴ(2020年製作の映画)

3.4

作中のあるキャラクターの人格が消えると同時に、我々の感情も消去されたような虚無感に苛まれる。

AIと人間の間に起きるドラマとしては興味深いものがある。

特に二番目の試作機は、個人的には本作の主人公
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ナイト・ウォッチャー(2020年製作の映画)

3.5

人々の動機が右往左往していて納得感があまりない。

変態的な方向へ行かないように、人物を設定で拘束しているが、ラブストーリーを描いている以上、徐々に気まずくなってくる。

中盤までは良い印象だが、全体
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サイレンシング(2020年製作の映画)

3.5

話としてはちゃんと収まるように、カギとなる部分も含め、仕上がっているのだが。

いまいちはっきりとしない。

困難を乗り越える家族の話としても、猟奇的な犯行に及ぶ犯人の謎にしても、ぼんやりとして弱い。
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サンダーロード(2018年製作の映画)

3.7

短い時間に収められているが、非常に丁寧に作りこまれている為、それ以上に濃い時間感覚を得られた。

大袈裟に盛り上げる感じがなく、終始落ち着いた感じで、しかし感情を高ぶらせつつも、あるがままに人物をとら
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⽩雪姫〜あなたが知らないグリム童話〜(2019年製作の映画)

4.2

童話を基にしているだけあって、現実的に考えればおかしなことでも成立する世界となっている。

そこに納得できなければ、モヤモヤした印象の作品になるだろう。

何故彼女らは山を越えてあの場所へ行くのか。
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