joyさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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シチリアーノ 裏切りの美学(2019年製作の映画)

3.4

ドラマで見せるというよりも、一人の人物の伝記のようにつらつらと描いている。

もう少し背景も描いてくれると、裏社会の中でどういう変化が起きたのか、時代の流れが理解できたのだが。

遠い昔の話ではなく、
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.5

ヒロイックに仕上がっていて見やすい。

ドラマは仲間を描く方に比較的重点が置かれている。

一方家族方面へは、やや薄味の感がある。

自分が髪切れといったのに、ちょっとは気を使いなさい。

グッド・ワイフ(2018年製作の映画)

3.4

メキシコ社交界の中でも、その妻たちの中に存在するヒエラルキーを中心に描かれてる。

富裕層の家でも断水が起きるというのがメキシコならでは。

案外重要な意味を持つ肩パッド。

バッド・ヘアー(2020年製作の映画)

3.6

基本となるストーリーが、ホラーに寄ったものではないので、ホラーを避けがちな人でも、これは抵抗なく入っていけるはず。

ホラー部分も比較的軽いものなので、複数人で見るとより楽しめるはず。

民話に材を取
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異端の鳥(2019年製作の映画)

4.0

言葉の代わりに映像が雄弁に語る。

見る者は、荒波に投げ出された小舟のように、ただ翻弄されるしかない少年の、随伴者となる。

基の小説の意図をくみ取ったが故の、この仕上がりなのだろうか?

作り手によ
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

3.8

演出が控えめで、割と淡白な印象。

日常の中で、時折向けられる牙。

中盤から怒りが、画面からあふれ出ている。

現実の、それもかなり切実な問題を孕んでいる。

ベター・ウォッチ・アウト: クリスマスの侵略者(2016年製作の映画)

3.3

成長途上の子供の心理状態に、大きくフォーカスされている。

しかしやりたいことに対して、作り手側の力が、十分に備わっていないようにも見受けられる、

結末はそれなりのものだったが、興味の持続が途中で切
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ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷(2020年製作の映画)

3.7

盛りだくさん、というかかなり詰め込んだなと。

ホラー映画を観たな、という満腹感に満たされる。

しかし、脂っこくて胃もたれしそうだ。

いわゆる、ホラー映画としての一定のクオリティは満たされていると
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MORTAL モータル(2020年製作の映画)

3.7

マーベルヒーローが高速道路なら、こちらは下道という感じ。

地に足の着いた雰囲気は味わいがある。

物語としては続いているようだが、続きが見たいかといえばそうでも無いし、続けるつもりで作られているとも
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悪魔がみている(2020年製作の映画)

3.9

謎が多いと、それが明らかになる楽しみもまた多い。

ただ怖いと思わせるだけの映画ではない。

明確なメッセージがある。

意外性もあって面白い。

箱であったり、障子であったり、入れない部屋の扉であっ
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ファブリック(2018年製作の映画)

3.6

悪夢的という言葉が一番しっくりくる。

コメディ映画と言っても、おそらく間違いではないと思う。

物語が停滞しがちで、どちらかというとあまり好みではないが、独自の魅力はある。

映画で戸惑ってみたい方
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やっぱり契約破棄していいですか!?(2018年製作の映画)

2.7

人物の行動が物語に翻弄されている、いや物語が人物に翻弄されているのかもしれないが、いずれにしてもチグハグした印象。

設定されたシチュエーションが悪いわけではない。

はた目から見て、生きているか死ん
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レフト ー恐怖物件ー(2020年製作の映画)

4.1

キャスティング良し。

自虐的なところが少しコメディタッチ。

暗くなりすぎない調整のおかげで、間口の広いホラー映画になっている。

全体を通すと納得しきれない部分もあるが、そこを除けば大体において楽
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THE INFORMER/三秒間の死角(2019年製作の映画)

4.0

善人にも悪人にも見えたのは、演者と作り手の賜物。

家族の役割とっても大事。

麻薬組織の売人である以上、社会にとっては善き人間ではない。

それでも完全に彼の側に立てたのは、家族を守る良き父であった
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ザ・ライフルマン(2019年製作の映画)

3.6

面白いどうこうよりも、作品が持っている意義に大きな特徴がある。

作品の背景と何らかの繋がりを持っている者にとっては、意義のある大切な作品になる、縁の薄いものにとっては、知らぬ国の歴史の一ページを垣間
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ウィッシュ・ルーム(2019年製作の映画)

4.3

入り口としてはありきたりな話に感じたのだが、侮るなかれ、なかなか考え込まれた深みのある作品だった。

少しだけ、用意されたような印象を受けるシーンもあるが、それが気にならない位は頭が回転した。

宗教
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レディ・マクベス(2016年製作の映画)

4.1

距離感で言うと、最初は割と近い場所にいて共感することもできたが、進むにつれてどんどん共感できない、遠い所に行ってしまった。

籠の中に押し込められるのも不幸だが、何も己を拘束するものがないというのも不
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ファナティック ハリウッドの狂愛者(2019年製作の映画)

3.6

ジョン・トラボルタが演じているのは、典型的なオタク気質のファンのようだが、それだけではない。

ここに一筋縄ではいかないところがある。

これは不条理な出来事に思えてくる。

相対する二人には共感を覚
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ストーカー 3日目の逆襲(2020年製作の映画)

4.1

物語としてはシンプルな一本道。

もともと練った構成で惹きつけようとか、ドラマで惹きつけようなどとは考えていないように思える。

しかしスリリングさにおいては、かなりこだわりを感じる。

実際最後まで
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ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷(2019年製作の映画)

2.5

何も考えずに観てはじめて成立する。

B級映画として見ると、悪くはない。

しかし真面目に見ると、目立った特徴はこれといって無い。

趣味の悪いアイデアがどれだけ出せるか、作る側はきっと楽しかったろう
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.2

実写化不可能といわれた作品を、最初から実写化したような作品。

クリストファー・ノーランの頭の中を探ってみたい。

最初に出会ったのは「メメント」だった。

思えばその時すでに、この人は時間を逆行させ
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プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵(2020年製作の映画)

3.9

実際の出来事+脱獄モノとしては十分期待には応えてくれていると思う。

実在した出来事を題材とする際、どこまで脚色するかが難しいと、毎回考えさせられる。

緊張感を煽る際、最も重要なのが看守の存在だと思
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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

4.0

「あの子あの映画に出てたあの子だよね」

本人も言われたことあるだろうと思う。

この、役にはまった感じはもちろん本人の魅力と、演じる力の賜物だろうが、同じ子役であるということが、説得力に上乗せされて
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.4

今を生きる人に向けられた、とてもホットな映画。

面白いのは、今の時代性が反映された世界でも、救いをもたらしているのは時代に関係ないもの。

基本に返ると、今も昔も問題を乗り越えるのに必要なものは同じ
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ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(2018年製作の映画)

3.7

似たタイトルの映画があって少々紛らわしいが、内容はかなり違う。

過去の歴史の残滓に苦しむ人々を中心に描かれている。

ホラーという型には、はまっていないようにも思える。

この中では生きる人も死んだ
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リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.9

さりげなくドキッとするセリフが飛び出してくる。

あまりにさらっと言い放つので、コミカルに感じるほど。
そういう意味ではコメディの要素も含んでいるが、一方でゾッとする部分もある。

この作品の特徴の一
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透明人間(2019年製作の映画)

3.8

見えないモノがいる、居ないはずのモノがいるという意味では、心霊モノのホラーと共通する部分がある。

彼女を追い詰める方法など、まさに彼らのよくやる手口。

憎しみを持った死者の行いという意味では、王道
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その手に触れるまで(2019年製作の映画)

3.8

言語学習は幼い頃に始めるほうが良いという意味の、作中のセリフが効いている。

純粋で吸収も早く、熱中しやすい。

導き手がどれだけ重要かがよくわかる。

少年の考えが決定的に変化するきっかけが興味深い
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マッド・ハウス(2019年製作の映画)

4.0

彼女とその同僚、物語にとってこの2人は必須。

どちらが主人公になっても物語としては成立したろうが、彼女の方が映画として見ごたえあるように思う。

あからさまに広がっていくより、静かに広がっていく、忍
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罪と女王(2019年製作の映画)

4.2

重い、とても重い。

気持ちよく見終われる人などいないだろう。

それほど良くできており、見る者の神経をすり減らし、深刻な問題に直面した時の、避けられない鬱屈とした気分がよく表されている。

良くでき
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デンジャー・クロース 極限着弾(2019年製作の映画)

3.6

ベトナム戦争のオーストラリア軍の戦いという、あまりクローズアップされた記憶の無い領域が舞台。

場所を隔てた指揮の伝達、意思疎通の様子にこだわりを感じる。

一度も見たことのない俳優が出演し、且ある程
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コリーニ事件(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

襟を正して作られた印象、なので見る側も必然的に襟を正す事になる。

途中までは法廷ミステリーとして見ることになるが、凶器の特定から、何やらその意味合いが少し変わってくることを予感させる。

事の詳細を
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.6

駆け足でテンポよく進み、総体的に見るとまとまりの良い、チャーミングな作品。

「ミッドナイト・イン・パリ」が好きな自分としては、この作品も同じくらい好きになってもおかしくはない要素がそろっているが、そ
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ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.1

立場の違う3人~4人の視点で描かれている。

互いが持つ家庭環境に、今の社会背景が反映されている。

じっくり間を取った、何なら間延びした感じすら与える会話は、時にユーモラスで、時にリアルな緊張感を与
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ルース・エドガー(2019年製作の映画)

4.5

密度の濃い内容で、頭をグルグル回転させながら見るタイプの映画、と型にはめるべきではないかもしれないが・・・。

秀逸な映画を観ているという充実感を感じられた。

キャスティングが素晴らしい、音楽が素晴
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ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

3.3

絶妙ととらえればいいのか、いびつととらえればいいのか、この奇妙なバランスがなんとも言えない。

悲劇なのか喜劇なのか、見るポイントで結構変わる。

なんせ行動があまりにもずさん、しかしこのずさんさが彼
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