モノクロのブレブレ画面の中で炸裂するリンチ先生の前口上からして最高。始まった瞬間から引き込まれる。デュラン・デュランのライブドキュメンタリーにして、完全にリンチ先生による映画になっている。『インランド>>続きを読む
舌打ち数回出たし、ひでぇ…… と自然に口から発してしまうぐらいには臭いシーン・臭い芝居の連続で、本当にスクリーンから目を逸らしたくなるほどにキツかった。力のある俳優陣が揃っていながらのこの惨状は、監督>>続きを読む
ジョルジュ・ドルリューの流麗な劇伴。いくら美しすぎるメロディーとはいえ、それをしつこいぐらいに延々と終始使い続けるアプローチには正直食傷してしまった…… 夫婦関係破綻モノとしての面白味とホメロスの「オ>>続きを読む
不誠実な話だからこその誠実な映画。『チェイシング・エイミー』とか『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』とか『運命の女』とか、3人の関係性が軸となる諸作のあれやこれやを終始考えながら観ていた
高度で洗練された語り口。クール且つスマートに紡がれていくジャンル映画。面白くはないし退屈でもあるけれど、それすらもフィンチャーの美学として機能している。いや、機能させている
『エクソシスト』を観にきたらまさかの『がんばれ!ベアーズ』だったけど、そこが肝でありめちゃくちゃアツい。理に適った展開の脚本が説得力の高さをもたらしている。遅々として進まない序盤はどうかと思ったけど、>>続きを読む
期待がデカかっただけに結構ガッカリ。サーチライト出資でこれまででいちばんカネあるはずなのに、アンドリュー・ヘイ史上いちばん安っぽいルック(カラコレやグレーディングは良い)。原作の古さも脱臭しきれていな>>続きを読む
自分のことを大切にしてくれない人間のもとからは一刻も早く離れるが吉、っていう恋愛というか人間関係全般においての教訓。基本中の基本
全員で記念写真を撮るっていう短編の尺にちょうど見合っている良いコンセプト。次から次へと馴染みのキャラが出てくることに不自然さがなく、無茶な設定が意外と話にしっかりと溶け込んでいる。軸がブレていない。白>>続きを読む
傑作の高みにまでは到達できていない感。あと20分は刈り込める。イ・ジョンジェに演出力があるというよりも、周りのスタッフや俳優仲間たちの功績が大
撮影・照明・編集が三位一体的なユニーク且つユーモアのある視覚表現に長けていて、最初から最後まで退屈することなく観れる。その後の『アンダー・ザ・スキン』と比べて、ジョナサン・グレイザーの演出スタイルには>>続きを読む
『エンジェルダスト』より構成のバランスはいい。ただまあ、こうしていざまともな部類のものを観ると、あれはあれで『エンジェルダスト』の歪さの方が急に好ましく思えてきたりする。歴題主題歌、ぜんぶ流れるのかと>>続きを読む
期待ハズレ。端正に作り込んでいるのが仇となって冗長的になっている。ドラキュラというベタな題材をそのまんま描写したところで単調さしか生み出されない。黒人の主人公とヒロインのフェミニズムによる社会的視点に>>続きを読む
ヴィルヌーヴの『デューン』やんけ(わかる人にはわかる)。「日本は古い物がいい」と「殺さなければ愛されぬ」はなかなかのパンチライン。「Running to Horizon」を真っ昼間のシーンで使うな。眠>>続きを読む
エンディングの切れ味とか華麗にして鮮やかだったけど、徹夜明けで観るものじゃなかった。爆睡。クーリンチェより自分好みだろうから要再見
ワンナイト物として出色の出来。一夜の中に絶望も希望も詰まっている。愚かではあるが、あくまで冷静に努めようとする知性も見受けられる。最悪の状況の中でも確かにそこに流れている心地よい時間。主演二人のケミス>>続きを読む
好きすぎてまともな評価ができない。ひとつ自信を持って言えるのは、クローネンバーグにはどこにも狂っている要素が見受けられないということ(デヴィッド・リンチも同じく)。あまりに理路整然としすぎているがため>>続きを読む
再見したらどちゃくそ良かった。ベストは相変わらず『ピアニスト』だけどその次ぐらい。覚悟を決めてからの終盤はもはや原点『セブンス・コンチネント』とも通ずる。認知の歪みによって老人が子供のように振る舞い、>>続きを読む
評判の良さにかなり期待していたけど、うーーん…… 全然わるくはない、むしろいいところの方が多いとは思う。ただ、ミステリーとメロドラマの比重やシリアスとコミカルのバランスに自分の嗜好との齟齬が目立ってさ>>続きを読む
のっけからの掴みのウマさ。ファスビンダーの脚本はファスビンダーの演出によって真価を発揮するのだと昨日観た『天使の影』を思いながら再認識。戦時下でバイタリティを溢れさせながらサバイブしていく女性像にはヴ>>続きを読む
どんだけ縁を切ろうとも物事の流れはシャオロウとティエイーを引き離さず、最後まで覇王と姫として二人を繰り返し巡り合わせる。双方で愛の種類に差はあるだろうが、互いにとって運命の相手と言える代えのきかない存>>続きを読む
良かったけれど演出と脚本が微妙に噛み合わず、若干ズレが生じている気も無きにしもあらず。ただファスビンダーの脚本からどこがパンチラインかを抜き出す勘どころは、さすが『ヘカテ』のシュミットといった感。
「>>続きを読む
前作からの特徴、アクションの組み立てがまず何よりも重要で、それに合わせて話を捻り出していく二の次な姿勢はやはり本末転倒でしかなく、映画製作において不自然極まりないもののように思える。注目のバイクアクシ>>続きを読む
『ニンフォマニアック』や『ドッグヴィル』との比較による相対的な評価としてのこのスコア。入門編としてトリアー初心者に最適な一本とも言えるかもしれない。『惑星ソラリス』と呼応しているかのような“俯瞰の海”>>続きを読む
カリスマ的なスター性と高い演技力を兼ね備えたラッシーの魅力が全て。終盤、この監督らしいグラフィカルなヴィジュアルがとくに連発。最後まで退屈することなく観れるから全然わるくはない
評判良かったからホン・サンスの中でもベスト3に入るぐらいじゃないかと期待していたけれどピンとこず。変わり映えしない会話シーンばかりで退屈。ラストも期待していたようなインパクトがなく(おまけに展開自体は>>続きを読む
もうどれがトリアーの最高傑作なのかわからん。ベタ兄とニコマンの関係性なんかは初公開時よりも今の方が刺さった。薄皮一枚のペラい信頼感。それが偽善という本来のあるべきものとして提示されていくカタルシス。床>>続きを読む
トリアー最高傑作にして自身のグレイテストヒッツ。フィルモグラフィの中で(恐らく)最も政治的。セルフ堕胎シーンの衝撃もさる事ながら、ミア・ゴスとの関係性の顛末がそれをさらに凌駕する。観客に真の意味で傷あ>>続きを読む
まさかまさかの完全無修正。ボカシがあるのと無いのとでは、新人ステイシー・マーティンの熱演は全く違うものとして機能し、受けたインパクトもオリジナル公開版とは比較にならない。そしてボカシ関係なく、超へりく>>続きを読む
ありきたり且つあざとい。意外性ひとつも無し。『ジョーカー』と比べものにならない平々凡々
ベタとすら言える王道の展開でありつつも、描写の生々しさやテンポがいい編集の力も相まって終始惹きつけられるド直球のメロドラマ。スタンリー・クワンにハズレ無し。4Kリマスターのクオリティーもとてもレベルが>>続きを読む
中途半端にしかなっていないエンディングの締め方。最後の解決法にしても、『最後の聖戦』と関連を持たせたいのはわかるが、もうちょい上手い見せ方というものがあると思う。計算ミスして半ベソかきながら頭抱えるマ>>続きを読む
ドラマパート、監督・出演者交えてのディスカッションパート、実際の記録映像パート、そして本作の撮影メイキングパート、これら4つがブレンドされたあまりに異色な伝記映画。結局のところ何が真実で何が事実なのか>>続きを読む
ときにジャンルを逸脱しながらも、ファスビンダーの中でもとくに強い孤独感を放つ鬱映画。友人・知人のあいだを次々と渡り歩きつつも、複雑な事情やタイミングの問題もあって誰からも受け入れてもらえず、観ていて暗>>続きを読む
一見クロウト向きで取っ付きにくい印象を覚えつつも、実はファスビンダーほど幅広く一般的な題材を手がけている作家は存在しないということを再認識。それは誰しもが切っても切り離せない普遍的で身近な“負”の感情>>続きを読む