かげぐちさんの映画レビュー・感想・評価

かげぐち

かげぐち

ソナチネ(1993年製作の映画)

3.7

ヤクザ映画というより鬱病の映画。
鬱の解像度が高い。沖縄で鬱病のヤクザをとろうという発想はたぶん天才
めっちゃ好きな部分もあるんだけど、ほんとお願いだから、たけし本人でてこないでほしい。

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.9

負のカタルシス映画のお手本!
あたしたちが悲劇に何を求めているのか、よくわかってらっしゃる

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

難解な雰囲気をまといつつも面白さはバリアフリー!そんな作風が得意なノーラン。映画監督としてすばらしい才能だと思う。
ただ、SFの土俵のほうが圧倒的に合っている。
精神の深堀りはあんまり得意じゃないんだ
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.4

最後の決闘裁判と類似したテーマを感じた。
脚本がとにかく素晴らしいが、画も緊張感がありスリリング。運転のシーンなど本筋と関係のない部分でちょこちょこ冷や汗がでる、いじわるで巧みな作り。

“解剖学”と
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

特に刺さるポイントもないんだけど、ずっとみていられる。美、美、のたたみかけオンリーですごい満足感。メッセージ性がどうあれ美しいものを映し切ると映画は価値ある作品になる。リーフェンシュタールの撮ったナチ>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.6

設定だけが売りのよくある不謹慎ホラコメかと思ってスルーしていた。プロットは並みだが、会話内容が練られていて面白い。数日後にジワジワ思い出したりする。ヴィーガンの多様性の表現、彼らの発言内容が秀逸すぎる>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.8

この映画の雰囲気が懐かしくなって見返した。洋画なのになぜか平成のにおいがした。海辺で散歩するシーン何度観ても泣けるわね

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.9

大学生の頃入っていた弱小映画サークルがこんな優しい世界だったね。
特段運が良くなくても、みんなが当たり前に優しい世界にありつける社会になりますように。陽光の下にいる人たちも、夜明けを待つ人をそっと見守
>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

人類共通の記憶?のようなノスタルジーが詰まっている。
魔女の宅急便のようなハリー・ポッター1のラストシーンのような赤毛のアンのようなキアロスタミのような
こんなの好きに決まってるんだ!!!アイルランド
>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.5

ディズニーらしさ全快で描く
【ホラー映画】自己愛性パーソナリティ障害
VS
境界性人格障害

脚本はとても残念な仕上がり。100周年ていろ制約もあったのだろうけれど勿体ない。曲はディズニークラシカルな
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

ヴァージニア・ウルフの「オーランドー」とブラック・ジャックのピノコのことを考えながらみた。古典作品ようなどっしりとした骨子にちょっと悪趣味なSF要素を一匙、物語が動き出す。美しく奇天烈な主人公の視点を>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.8

あと+30分使っていいから依存性と孤独、自傷行為、自死について深堀りしてほしかった。
ホラーエンタメ作品なのでしゃあないかもだけど、見やすさと飽きさせない目的に固執しすぎていたような気がする。

目の
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

さすがヴェンダース、グッと来るカットは多かったしTOKYOの光をこれほど素敵に撮れる人はいないのだろう、けど大好きとは言い難いかも!
過去のフィクション作品は舞台が海外だったからかちょっとした香ばしさ
>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

ひとりでヨルゴス・ランティモス特集。

めちゃくちゃ面白い!!

「正常」の異常さ、異常のなかの美しさ、誰にも奪えない価値。下手なモロダシLGBTA作品より自然にクイア視点を投げかけるキレ味。
そして
>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

知性も運も金も愛想もない。おまけに性格だって別に良くない、遠くない場所では人が人を殺戮している

でも犬、かわいいな!世界の一部だけでも愛おしいと思えるな!
今年は冬を乗り越えられるかも、という一握り
>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.6

世界変えられてないよ〜
前作とはまったく別物とはわかっていてもウォンカさんには夢よりサイコ感を求めてしまうね

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.9

ありとあらゆるジャンルのオタクを意識した要素が詰まってて笑った。腐女子ちゃんと平成初期頃の古き良きオタク君(エルフェンリート原理主義者)がタッグを組んで懐古厨まで懐柔したみたいな。
思想はゴジラ−1.
>>続きを読む

最初に父が殺された(2017年製作の映画)

3.7

カンボジア旅行の往復路の飛行機で鑑賞。
クメール・ルージュ支配下でのカンボジア大虐殺時代、とある富裕層家族にふりかかる悲劇。クメール・ルージュ関連の記事やWikipediaは読み込んでいたつもりだが、
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.3

馬鹿らしい〜!!ヤクザムービーに求めてるものはこれ。秀吉たけし軍団のアドリブがサムいのも含めて茶番感がたまらん
そして何よりドンパチじゃなくてチャンバラってところがいいよねぇ

加瀬亮と遠藤憲一が終始
>>続きを読む

「A」(1998年製作の映画)

4.1

公安の理不尽ムーブから正義おばちゃんたちにドヤ顔で説教される流れ、現代でも似たような光景をよく見るよね

サブカル女はカルト教団の温厚なイケメンが好き 

じゃ、また。(2023年製作の映画)

4.1

ぴあFFにて。
私的で極微細なきらめきや苦しみが普遍的な救済になる得るということ。
自主界のシン・エヴァ。ありがとう、ごめんなさい。

リゾートバイト(2023年製作の映画)

3.9

洒落怖、ホラージャンルへの愛に溢れていて胸が一杯になった
めちゃくちゃ怖くて久しぶりに映画館で声だした

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.6

男の子のSFへの憧れの寄せ集めみたいな映画

この感覚を愛おしいと思えるかどうかで賛否分かれてると思うわ 
新規性や哲学性に欠ける。ステレオタイプ多すぎ。
戦争シーンとメカ系は全部かっこよくて、よく描
>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

漫画原作実写化を久しぶりに観た。前ほどはアレルギーがなくなったか、この作品自体がけっこう良かったのか、どちらか。
キャストが全員揃ったあたりでありゃりゃりゃルッキズムえぐ〜と身構えてしまったが、容姿設
>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

-

ザ・スミスききながら作業すると「わたしって殺し屋♪」みたいな気分になれる
そんな気付きをくれる映画

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.4

半歴史修正主義映画のひとつの答えとして。

ディカプリオがベスト好演。かなり役に入り込んでいたので精神に異常をきたしていないか心配!
1920年代のアメリカは本当に最低、映画の舞台としては最高。善良な
>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.5

酒気帯びコミュ力をデフォだと思ってしまうとキツイよね、
何かしらの身体能力拡張しないと自己充足が難しい時代には普遍的に響く作品かも。エナジードリンクも、アプリでの顔面加工もそうだし、抗うつ剤でも同じよ
>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.0

2023ワースト入り確定

多少不出来な映画でも愛せるポイントがあれば良いと考えていますがこれはあかん

ゴジラの造形出で立ちは普通、IPの強さと音楽でギリ耐え、
脚本は破綻(ミリタリーものとして完全
>>続きを読む

>|