ファーストショットが上戸の手であるように、愛を視覚的に見せるために「手」が主題として用いられる。お互い疑心暗鬼になり傷つけられた薬指は仲直りしたあと治療→修復される。
まな板でモノを切る音、花火、ク>>続きを読む
これはちょっとよくわからなかった。
自転車や駆けっこする主人公達を真正面から捉えるショットは良かった。
これって、目を離してしまった為に業を背負ったトム・クルーズが、見ること(というよりそのまんま目玉を使って)トラウマを克服しようとするという、なんともシネフィル向けなテーマなんだけど、普通にめっちゃ面白>>続きを読む
普通のPOVホラーかと思って観ていると、途中からカメラが2台になり、登場人物が編集までしだすので、いつのまにか非常に高度な映画になってて笑える。
いやぁ凄い映画だ。ファム・ファタールの少女の名が小明で、つまり光と影の映画なので、とかはどうでもいいなコレ。全てが規格外。
最強キャラの逃走劇というフォーマットがそもそも完成されてるし、マンゴールドも演出力があるので普通に面白い。けど、フークアの『ザ・シューター』、コレット=セラの『ラン・オールナイト』などよりもドラマ的な>>続きを読む
いわゆるマフィアの一代記モノだけど、エル・ファニングの説教シーンなんかを観るとチミノの『天国の門』やPTAの『ゼア・ウィル・ビー〜』なんかに近い気がする。
ただいかんせん脚本がボロボロすぎんか。時系列>>続きを読む
これは凄い。野川由美子をどう美しく撮るかという映画であって、お話なんて1ミリも関係ない。風は彼女のために吹き荒れる。
爆発と閃光が行き交う戦場を走り抜ける野川由美子を横移動で捉えたシーンの素晴らしさ…>>続きを読む
役者がすげぇ良い。特にケイシー・アフレックの演技は天才的。
いくら「わたし」の物語だとしても、人物を被写体深度を浅く接写するだけで退屈。鈍重。
脚本家は頑張って小説を映画向きにしてるような気はするが、監督が全く演出できてない。驚きがない。
撮影や照明の安定感、古典的な趣きさえ感じる。告白する際にわざわざ川を渡ったり、棺桶を家に入れる際にハンマーで戸をぶち壊したりと、荒唐無稽なアクションが面白い。
なるほど、タクシーという不特定多数が出入りする装置を用意すればそれだけで映画になるということ。
フロントガラスをフレームとしたファーストカットから素敵。
(当たり前なのかもしれないけれど、人の出入り、>>続きを読む
本題に入るまではスムーズなのだけど、そこからが少女の回想、別視点からの説明があってテンションの持続を妨げているように感じる。
密室での監禁なわけだし、もう少しサスペンスを構築してほしい。鍵や覗くという>>続きを読む
もうダメだ!となってから強烈な逆光の中から登場するイーストウッドのカッコよさと来たら!
そこで皆殺しになって終わるのかと思いきや、悪役をわざわざ高い所に登らせて縦の構図を作るんだけれども、まさかそれは>>続きを読む
例えば、夜中に自然と目が覚めて窓を開け煙草を燻らす、あの何気ない瞬間こそが映画だな~と思うし、そういったシーンが普通に撮られていることがうれしい。電話、というかスマートフォンの映画という印象だったが、>>続きを読む
圧倒的な「顔」の映画。ナタリー・ポートマンを正面から捉えたアップのショットはどれも力強い。テレンス・マリック的な逆光の(夕陽の)中のシーンも美しい。
なんとなく会話の映画だろうとは思うものの、二人の会話をロングのショットで収めたり、一方もしくは全く関係ないものにクローズしてオフ画面から声を効かせるなど、かなり演出が効いている。
ラストも会話をよそに>>続きを読む
アイデアは面白いけど、もっとスキンヘッドナチ集団を心理を介さない不気味な集団として撮るべきだったのでは。これだけ丁寧に描いちゃうと単純に彼らの手際の悪さが目に付く。ガンとか犬とか「モノ」でサスペンスを>>続きを読む
カメラはグラグラ揺れる。カットは細切れに。近接か超ロングのショット。すべては「リアル」のために、緊迫感を出すためにある。
これでパルムドールを獲るわけだが、個人的には前作の方が好きだ。それでも下手くそなドラムをBGMに踊るシーンやラストシーンにやられる。
アンバーハードが走る走る。そこには説明も台詞もない。アクションとサスペンスの応酬。89分。なんて贅沢な映画。
彼女が受話器を取り電話を掛けようとする→振り向きざまに電話本体で攻撃→何もいない→立ち去る>>続きを読む
例えば、液体(水、海、精液)や分け合うモノ(マリファナ、ワイン)といった諸記号は配置されているのに、それらがしっかり機能していないのが勿体無い。
音楽だって、意味がある音楽が流れるのではなく、音楽が流>>続きを読む
灯りをつける/消す、目撃する/される、その全て瞬間にゾグゾクする極上のサスペンス。
その最たる例がイーストウッドのコトがバレてしまうシーンか。階段を転げ落ちるところもカットを割ってない。
そして夜が美>>続きを読む
霧、煙、雪が画面に絶えず出でくるのはソ連らしく映画らしい。雪を踏みしめる音、扉が軋む音なども強調される。
ジャングルの蒸し暑さや男のむさ苦しさが画面から伝わってこないのが厳しい。
ピント送り多い。
「社会的だなぁ」という外部の力以上の映画的な何かを感じれなかった。
カット割りだとかシーン繋ぎだとか音楽/回想の使い方だとか、かなり大胆。
しかし中心には「物を壊す」というシンプルなアクションがあって、ギレンホールが走り出すまでの映画でもある。
当方シューカツ中なので>>続きを読む
前作にあった酩酊感や没入感はどこに?
撮影がルベツキでないせいか、そもそもマグマや大地創生、深海生物といったリアルな映像は驚きに欠ける。
類人猿が出て来たところが1番面白く、やっぱり映画は人を撮るべき>>続きを読む
カットを割らないため、人物を追うために全編手持ちカメラなのはダルデンヌ兄弟っぽい。
けど、演出が予定調和に感じて退屈してしまった。これで2時間越えはちと長い。
走る、殴る、物を壊す、舟を漕ぐ、とひたすらアクションを駆動させて来た原田美枝子が盲目になって以降、そのアクションが封じられ、結果的に物語の残酷さを浮き彫りにしている。
夕陽をバックに見送るようなラスト>>続きを読む
これは怪作。
エマ・ストーンにウザ絡みする脚本家に「ぼくの脚本はリアルさに定評があるんだ」と言わせるあたり、チャゼルは映画=嘘という前提でちゃんと映画を撮っているのがわかる。だから、エマ・ストーンがス>>続きを読む
ショットの強度が尋常じゃない。
白衣、白いシャツ、白い壁、横断歩道と、ひたすら強調されていた「白」が最後に赤で汚れる衝撃。
まず冒頭の、家族団欒食事シーンから姉と父のセックスシーンまでその間2分であって、日常から非日常への雪崩れ込み具合がハンパではないし、それを「盗み見」てしまうところでタイトルを持ってくるあたりも映画を感>>続きを読む
傑作。紛れもなく「見ること」の映画。窓/鏡を通した視点、人を盗み見ることが常に映画にサスペンスをもたらす。終始プラピ寄りだったカメラは重大な事実が発覚した後マリオン・コティヤール側に移る。
異様な、>>続きを読む