目がパッキパキのカンバーバッチを見るためだけの短編。
こんなワンテーマでもちゃんとウェスアンダーソンの作品になってるのはすごいね、というくらいの感想。
短編全部17分で終わらせるのはすごいかもしれな>>続きを読む
なんか冒頭の排水溝から3人の顔のクロースアップが印象に残っているけれど、それ以外はスクリーン上の画があまり面白いと思えなかった。
多分、ウェスアンダーソンは毎回意図的に「何か」を見せないんだけど今回>>続きを読む
ウェスアンダーソンの中で一番好きかもしれない。計算され尽くされた画面の奥行きを存分に使いながら右から左からあれこれ飛び出す。
白鳥のところもオシャレ。
話はめちゃくちゃ嫌な話だけれども、映像の魅力で>>続きを読む
お金配りおじさん、警官に怒られる。
僕も世界中飛び回りながら毎月3億円もらって社会貢献したい。
個人的に、ウェスアンダーソンは長尺だと情報に疲れ果てるので、こういう中編くらいの尺の方が嬉しい。
映画>>続きを読む
各々の視線の交錯を描き続けた映画だからこそ、最後に来るものがある。
彼が背けたのは、過去の自分か、あるいはそれを見ている老いた自分か、はたまた……。
ここ最近、自分の人生をやり直したいと考えている人>>続きを読む
不安と不穏という概念を真空パックしてそのまま流水で解凍したみたいな映画だった。
ただただ自分が誰かに監視されているという妄想に取り憑かれた男が、不運なことに犯罪者に間違われる。
視点の転倒と脚本の切>>続きを読む
タイトルはRise Roar Revoltの略とのこと。
過剰な演出は個人的にはあまり好みではないんだけど、そんなことどうでもよくなるほどの熱量と随所にちりばめられる圧倒的な「決め」の映像にやられる>>続きを読む
「邦画のあまり好きになれない部分」が濃密に感じられて、いいなと思うところがそれなりにあっただけに残念な気持ちがより深く広がった。
少なくとも彼女が犯した罪を真剣に償わせようとする人の存在は必要だと思う>>続きを読む
「エル・スール(南へ)」。
父の振り子から始まる物語。街と家の境には国境。彼は北へ来たかったわけではない。あくまで、最後まで「異国の人」であったんじゃないかと思う。
本当はこの後、南の街のパートがあっ>>続きを読む
敢えて何も知らずに観たけど、「カセットを持ってきたよ」の冒頭からノンストップで身体に色んなリズムが入っていく感覚で最高だった。
音楽はひとりでもできるけど、みんな合わさったらより最高なことになるし、>>続きを読む
「哀れなるものたち」やら「ミツバチのささやき」やら最近、やたらと引用された作品にあたるので鑑賞したら、古典的名作だったし、湖のシーンの刹那の美しさと、それ故の悲惨なその後を中心に映像表現による物語の巧>>続きを読む
こういう映画をもっとたくさん観たい……。そんな耐え難い誘惑が自分の中にあって映画を観ることをやめられないんだなとしみじみとする。
大学1年生の時に「怪物論」みたいな講義で観たけれど、当時はなんかめっ>>続きを読む
冒頭の「2001年宇宙の旅」のオマージュから面白い。その後も、ちょこちょことメタなセリフが差し込まれてて、めちゃくちゃファンタジーな世界の中に敢えて入り込ませず、現実社会との繋がりを意識させようとして>>続きを読む
人種、性別、世代、国籍、所属……。さまざまな自分に当てはめられる枠組みにとらわれずに本当に自由な「個人」であることは可能か?その色眼鏡を通らずに誰かに自分を見てもらうことは可能か?という結構重大っぽい>>続きを読む
アジア人男性と白人女性の組み合わせに「よくやった」と思うことも、アジア人食いの白人男性(この言い方の下品さ!)に偏見を抱くみたいなのも「自分は絶対ないな」と思えないのが難しいところである。(かと言って>>続きを読む
原作読んで「これは原作が面白いのでそれで良い」と思ってたんだけど、それを超えるくらい面白くて何で今まで観なかったんだと後悔した。それくらい面白かった。
というか、普通に後半の「本当の彼」が明かされてい>>続きを読む
変な映画。
(海パン一丁で)「歩いて泳いで帰る人」だった。
ただただ、豪邸のプール→移動→豪邸のプールの繰り返しの中で1人の男の転落を見せるという。
洒落っ気があって女好きで言動に余裕を見せる筋骨隆>>続きを読む
めっちゃ面白かった。世界は全然団結できない。きっと。
多分、人類が滅亡するとしたらこんな感じなんだろうなと思うくらい。
今の社会は情報が溢れていてあらゆる問題に「わからない人」「理解を間違えている人>>続きを読む
犬とロバ、ロバと馬、ロバとキツネのカットバック。
スコリモフスキ監督はものすごく動的なんだけど、省略が美しかったり、たまに美しすぎて笑っちゃいそうになるショットが入ったりで観ていて楽しい。
自分でも>>続きを読む
「ボーはおそれている」の元ネタのひとつ。というか、ボーの後日譚のような趣さえある。
もし、死後送り届けられる世界がこんな感じならとりあえず最高だなというような感じ。
肝心の裁判はよくわからなかったん>>続きを読む
親からの過干渉を受けた子どもはこういう感覚の中で生きているのかもしれないな。どこにいても常に親のレールが敷かれているような。
そういう人たちからすると、この映画がブラックコメディだとかアート系映画だと>>続きを読む
過去のできごとが暗い今を照らす光だと気付くために深い夜がある。少なくともいつかそう思える日がくるということにしておく。
決して「再生」はしないし、「全快」もないけど、しかし緩やかに新しいかたちの自分>>続きを読む
なぜ良いのかの言語化がこんなに難しい映画は初めてだがとにかく何にせよ良いので機会があれば見てほしいと思った。
何の思い入れもないはずのおばちゃんの「ほんとにちょっとだけ弾けるギター」がなぜ心にくるの>>続きを読む
高校の卒業式とかあまりにも受験一色だったせいでほとんど記憶がないので、どこかでこういう青春もあったんだなぁ、と思いながら観てたら、開始1時間で一気に雰囲気が変わって、ただの卒業ムービーから不穏な空気を>>続きを読む
タイムループに気づいたら、とりあえず5回くらいはバカンス旅行するし、転職先がこんなに無茶振りしてくるところだったらその時点で転職は考え直すし、最後もまず労働環境の改善を考えるべきではとツッコミは止まら>>続きを読む
「せかいというのはあっちの方へと向かっていけば必ずやがてこっちの方から戻ってくる、そういうものです」
江戸時代の肥溜めを主軸にした異色の時代劇。
モノクロなので肥溜めの抵抗感や臭いがマイルドになって>>続きを読む
単純にひとつひとつの事柄の見せ方が上手いなと感じた。
その分、たまにミュージックビデオみたいな時もあるけど、2つの家族の関係性というか、距離感がよく表現されているなと思ったし、安易なヒトコワとか人種差>>続きを読む
エマ・ストーンの冒険世界旅行、めっちゃ面白かった。
最初は理解不可能でアンバランスな存在に見えた彼女がどんどん身近な1人の人間に感じられてくる。その明確なラインはよくわからないけれど、自分の欲望には>>続きを読む
「なぜ私がここに居てロシア語を話すのか解明せねば」
これだけの人々が動き回る映画をワンカットで撮るという離れ業のようは手法でありながら、それが決していちばんの見どころになっているわけではないことがま>>続きを読む
過激な動物愛護団体から肉屋を襲撃された夫婦のドタバタ復讐劇(?)であり、新感覚カニバリズム映画。
「草食だから美味い」とか「去勢牛が一番美味いから性転換者の肉が一番美味いはずだ」とか、延々とあれこれ>>続きを読む
空を見上げて微笑む役所広司。
日常の手の届くところにある自動販売機(缶コーヒーを補充する人がどこかにいる)でルーティーンをはじめ、朝の空に微笑み、木漏れ日を愛する。
ただ、汚れた場所を前と同じように綺>>続きを読む
ラジオからは気が滅入るようなニュースの連続。
仕事は失敗続き。
理想の自分などいつしか無くなって、現状の自分のままでは受け入れてもらえないとしても、現実に絶望する必要はないのかもしれない。
ただ、自>>続きを読む
新作はまだ九州の外れの街には届いてこないので、まだ未見だった旧作を観る。
基本、アキ・カウリスマキは引き算の美しい作家だと感じているのでめちゃくちゃ好みの作品だった。
無表情かつセリフも最低限のカティ>>続きを読む
経済的なことは子どもにとっては、自分ではどうしようもないことだから、その事でやさぐれてしまったりしてしまうのを責めることはとても難しい。
牛乳泥棒をしたシーンで少年たちが気づくであろう「ある」ところ>>続きを読む
ずっと終わりの予感が漂っていて息苦しくて、80分台と思えないくらい心が削られた。
「縦の糸はあなた、横の糸はわたし」というくらい綺麗な関係で居れる事が理想なのかもしれないが、生きていればどうしても出>>続きを読む
ナポレオンの主な戦いは一応やってくれてはいるし、砦の奇襲にアウステルリッツの戦いのシーンと勝った場面も多いはずだが、戦争が時代がいかに多くの犠牲を出すのかという部分にフォーカスが当たっている。何よりも>>続きを読む