リオン66さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.0

 レビューの犠牲になった映画。

 あまりにも周囲が、悲惨な映画。胸糞が悪くなる映画。鬱映画。なんてことを散々言われているので頭の中で沢山の準備、いや防備をして臨んだ。

 うーん。現実はもっと悲惨で
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ヴィタール(2004年製作の映画)

3.0

 キレイな記憶が相手が勝ち目がねぇじゃねえかよ。

 この映画はこのセリフにつきる。記憶という過去が美しければ何も手を出すことはできない。出来ることはただ歯を食いしばって未来に目を向けることだけだ。
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[Focus](1996年製作の映画)

3.5

 日本では珍しい全編モキュメンタリーの作品。古い作品のため、映像、小道具、服装、町並みなどは時代を感じる。

 けれど、この作品が伝えようとするメディアに対する問題意識は古くなっていない。

しかしな
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上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)

4.0

 時代劇の見本。

 圧倒的な映像美。揃いも揃った役者陣。見事な殺陣。無駄のない橋本忍脚本。現代にも通づるメッセージ。そして、繊細な武満徹の音楽。

 どれをとっても一流。こんな時代劇はもう作ることは
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.7

 よくできた映画。

 オシャレなサスペンスで最後まで飽きることなく見ることができた。

 余談だが、刑事コロンボは本作の影響を受けているのではないだろうか。最後のシーンなんて刑事コロンボの有名なエピ
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ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

3.6

 うーん。一度見ただけではわかないのだが、うーんというのがこの映画を見終えたときの心境。

 一番のイマイチは音楽の雰囲気が好きになれなかったことか。また、町並みがパットしなかったことか。はっきりとし
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ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ(1985年製作の映画)

4.0

 緒形拳と三島由紀夫は似てないし、かけ離れている。けれど、観ているうちに段々と似てくる。この時点で、この映画は成功している。

 それに加え、三島の人生と作品を交差することでミシマという独自な映画を作
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花様年華(2000年製作の映画)

4.4

 昔の人は知られたくない秘密があると山で木を見つけて幹に穴を掘り、そこに秘密をささやいて土で塞ぎ永遠に封じ込める。
 
 この映画はまさに秘密が多い。

  ただ、一つ正確なのは夫あるいは妻を持った男
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憂国(1966年製作の映画)

3.8

 原作を読んだ上での本作鑑賞をオススメします。

 映画はあまりにも淡々としている。真っ白な世界で繰り広げられる男女の交情に美醜を覗き込むことができる。また、三島演じる将校の腹切は猥褻さを除くあまりに
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

1.8

 機動戦士ガンダムの登場人物たちにこの令和の時代に会えたこれだけが奇跡と言えよう。

 アムロとカイが二人で掛け合いをしているだけで感涙ものである。

 しかし、それ以上でもそれ以下でもない。ストーリ
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メランコリア(2011年製作の映画)

3.5

 フェイク・ニュースやポスト・トゥルースが蔓延る現在。

 この映画は制作時よりもことなる解釈ができる映画になったとではないかと感じる。毛色は違うが、ドントルックアップに近いものを感じる。頭ではなく、
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人斬り(1969年製作の映画)

3.9

 時代劇の傑作の一つとして挙げていいのではないでしょうか。勝新太郎の武骨な感じがいい。そして、三島由紀夫の緊張感ある演技もエスプリが効いてよい。

 また、本作は自分の嗜好にあった時代劇であったと言え
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マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

3.0

 ストーリー。人物設定。テンポ。演出。そして、特に乗り物と照明。いつもの監督らしさなのだが、何か腑に落ちない。何もかも配分を間違えてしまった映画。

 そして、見終えたときに観客だけが取り残される不思
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処女の泉(1960年製作の映画)

3.9

 キリスト教や聖書を把握している訳ではないが、本作を観ていてヨブ記を思い出した。

 神の理不尽さというか、神の沈黙というか、日本で平凡に生きていては味わえないものが映画にはあった。

 とはいえ、本
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.8

 心温まる優しいドラマかと思ったら単純ではなかった。

 人と人がぶつかりながら関係を構築していく、熱いヒューマンドラマだった。

 

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.7

 相変わらずのウェス・アンダーソン。
 ただ、オムニバス形式の映画のため、一つ一つの味が薄味かつ、量が少ないので物足りない感じがした。
 

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.9

 素晴らしいファンタジー。

 キャラクター、演出、音楽、ストーリー、テンポとどれをとっても丁寧に作られている。そして、メッセージとラストも上手に据えられている。また、現在においてピノッキオを作る意義
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僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

3.8

 古くなる映画と古くならない映画という分け方をしたときに本作は間違いなく後者の映画と言えるだろう。

 はっきりと申し上げて、筆者は戦争を経験したことはないのでどれほど悲惨なものかを共有することもでき
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徳川セックス禁止令 色情大名(1972年製作の映画)

3.5

 前半は観ている方が恥ずかしくなるくらいのネタのオンパレード。
 後半はまさかの日本における性問題と真っ向勝負という、凄まじい映画。

 現代でも、時代劇とエロティシズムの組み合わせを観てみたいと感じ
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

3.5

 見ている我々がマイノリティーになれる不思議な映画。
 ただ、ストーリー自体はありふれたもの。

サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

4.0

 サスペンスとか。ミステリーとか。ホラーとか。ヒューマンとか。いろんなジャンルにまたがる映画だが、これはホドロフスキーの映画だ。

  

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.0

 おらこんな村いやだー、おらこんな村いやだー、東京へ出るだー

 吉幾三の俺ら東京さ行くだのお馴染みのワンフレーズだ。この映画を見ているとこの歌がずっと流れてくる。日本でも、アメリカでもどこでも変わら
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愛のコリーダ(1976年製作の映画)

3.9

 2013年に大島渚が逝去したときに、みようと決心したもののdvdのパッケージやあらすじを踏まえて、尻込みしていた本作。

 ようやく、Netflixでみることができた。いやはや、これはポルノ、わいせ
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Helpless(1996年製作の映画)

3.0

 やり場のない暴力が画面から溢れ出る一本。

 ストーリーは無く、キャラクターも滅茶苦茶で、空撮もグラグラで、そして構図もカッコイイものの引きが多いなど。どれもチグハグだが。

 そして、見ていて決し
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マックス、モン・アムール(1986年製作の映画)

3.7

 途中までの怖いもの見たさをくすぐる展開は目を見張るものがあった。

 人妻とチンパンジー。この2つでこのようなストーリーを考えつくとは人間の想像力には改めて畏怖の念を禁じ得ない。

 しかし、残念な
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死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット(1993年製作の映画)

3.6

 死霊のはらわた三作目。

 二作目も一作目と異なりコメディ色の強いものになっていた。そんな流れの三作目。まったく異なる味付けとなっていた。

 いわば、暗黒中世騎士譚というところだろうか。そして、二
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

-

 論理で動く合理的な近未来の話。これだけ取り出すと現代にも通じる面白い映画なのかと思える。だが、そんな単純ではない。なんだか小難しい。

 やはりゴダールは苦手だと再認識した本作。

 素人が言うのも
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夜と霧(1955年製作の映画)

-

 ウクライナ戦争を日本からみていると遠い場所の特別な事情で起きた事柄ではないかと思いこんでしまう。

 そして、本作のホロコーストにおいても同様にどこかで遠い場所での特別な出来事だと寝た子を起こすなで
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キネマの神様(2021年製作の映画)

2.9

 この温かみのある人間関係。

 もう、博物館や図書館の資料でしか見られないような古き良き幸せがここにある。

 ギャンブル気狂いのおじいさん。部屋からでない根暗の孫。失業中の孫。そして、妻はおじいさ
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欲望の翼(1990年製作の映画)

3.6

 脚のない鳥。

 本作はこの言葉に収束されるだろう。人と人が純粋に愛し合えなくなった今。祖国というものをイメージしにくくなった者が増えた今。
 この映画の持つ力が発揮されるのではないだろうか。

 
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RRR(2022年製作の映画)

4.3

 文句無しの傑作。こんな時代に素晴らしいアクション映画が見られるとは。感涙するしかなかった。

 上映3時間。濃密な時を過ごすことが出来た。どのアクションも、どのカットも見事だ。そして、制作陣の熱量に
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.1

 うーん。現代的な題材であり、テーマとしても一切風化していない。

 ただ、どうも説教臭い。小さな頃からお説教されているので映画でもチクチク言われてしまうと縮んでしまう。

 とはいえ、ロメロらしい世
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.8

 大変評価の難しい映画。

 ストーリーや表現で評価すればイマイチ感は否めない。クリスチャン・ラッセンばりの映像美や終わりから最後までの単調なストーリー。人物もどこかでみたような設定ばかり。これらの映
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三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(2011年製作の映画)

3.0

 ツッコミどころ満載ながらも最初から最後まで楽しくみることができた。アクションもそれなりでワクワクする。
 しかし、ストーリーは単調だ。そして、展開も一本調子。

 ただ、不思議なのはミラ・ジョヴォヴ
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