ニュース映画みたいなスピード感といかしたテロップ。写真の接写の扱い方もかっこいい。ショービジネスの姿を、外側からの視線に対して内側から眼差し返すことでかたどっている。
先に見ていたジャン・ユスターシュの「ママと娼婦」を思い出す。人間関係を結ぶことによる苦悩やめんどくささ。現代にもつながるフランスのバカンス映画のエッセンス。時代設定の意味。
内省的なモノローグとともに殺害までのプロセスを味わいつつ、アクションも。孤独さが引き立つフレーミング。主人公の殺し屋がとにかく中心にあり続ける。
ザ・スミスにあらためてはまる。
魅力的な俳優陣と撮影、合戦のスペクタクル。荒唐無稽な忍術勝負も、コントっぽい雰囲気の中でかっこよおもしろい。
全体的にニヒルでシニカル、無常感。
大島渚からの流れを感じさせる性表現。時代背景を除いても>>続きを読む
教団内部から見た社会、特にマスコミ、公安、警察、地域住民の見え方を提示した点では、その逆ベクトルの見方が主流な中で貴重であり、また主題となる教団のあり方について立体的なあり方を提供する。
取材を拒否、>>続きを読む
プラトンのイデアのイメージ。光と影が宗教的な雰囲気を帯びている。寒々しい地方都市の背景が存在感ある。
思いや愛の一方通行というか、伝わらない感じがシークレットサンシャインにも通じる。また赦しや救済が苦>>続きを読む
二つ並んだオブジェクトが少し重なる配置など、画面の構成が美しい。会話や編集のリズムが心地よいのと、父と娘の2人が、結構キャラの違うその他の人物たちの中で、物語が進むにつれてどんどん際立っていくのが良か>>続きを読む
公開年より少し古い香港映画みたいなテイスト。バイクギャングや鉄工所など映えるロケーション。葡萄棚はなぜそういう場所どりかわからなかったけど、バイクのアクションや銃撃戦は楽しげだった。
伊福部昭のスコアと、人間的な意思を感じさせない自然災害のように迫るゴジラの迫力ある表現がマッチして、ぞわっとする。ドラマパートは戦争経験者のトラウマというか、戦争を引きずった心理がメインになっているが>>続きを読む
見えない人間関係や、変化する社会に置かれた人間の変化を手触り感というか、目に見えるくらい感じさせる。人を信じる、みたいな意識の働きすらも視覚的に表現している感じ。それを強化する装置として、障害を持った>>続きを読む
相米慎二のお引越しじゃないが、自然と土地の力と、家族関係や恋愛関係、生死の変化に関わり変わる若者の様子を描いているのが普遍的な良さを持っている感じがする。スケールの大きな現地ロケが、その時代のインドの>>続きを読む
そこだけ切り抜いたらかっこいい、良い感じのショットが多数あったが、一本の映画にすると陳腐というか浅薄な感じがする不思議。二大スターをかっこよく見せようとする方向性によってか、臭く感じる部分が多く、良い>>続きを読む
和紙の質感をイメージさせる肌理と浮世絵っぽい彩色、筆の線が良かった。犬神家の一族みたいな話と少年漫画みたいな演出とスプラッターと、色んなものが混ざって薄まっていた感じがした。
バーンスタインの配偶者フェリシアの目線にから、20世紀の音楽・舞台芸術の豊かさをバーンスタインの周辺を通して味わいながら、また同時に鏡写しのようにバーンスタインの目線にも同化し、見つめ返されるフェリシ>>続きを読む
情報化社会における様々な事象のデータ化と、それによってシステムにとらわれることへの抵抗を、ドイツの社会情勢になぞらえたか。
被写体との命を賭けた共犯関係から生まれる政治エンタテイメント、と思ったが映画の制作側は割と安全圏なんじゃないかともあらためて考えた。おのれの闘争を消費させることで戦うことの新しさが記録されていた。
三峡ダム建設をテーマに、個人から国家まで、しかもその存在以前以降も含めた壮大なスケールでそれぞれの時間を扱うことにより、宇宙的、哲学的な深さまで思索を巡らすきっかけになりえそう。またこの映画自身も、ダ>>続きを読む
ルーズからロングのショットが美しい。手前にものをひっかけたりなど、オブジェクトの配置が巧みで、そうした空間がその中にいる人物や物語に作用している。
絵画的な視線の誘導をショットが持ちながら、映像からま>>続きを読む
メディアによって幻肢症的に増幅された仮想の身体感覚や知覚、リアリティ。現実を侵食する非現実。
極端なアクションが謎の説得力と快楽をもたらし、それを天井をも透視する異常な視点のカメラワークで楽しむ。
イ>>続きを読む
美しい色を出すほか、物質的に、被写体と関わって例えば2人を貫くように陽が差す感じなど、光の使い方がおしゃれ。
また音のオン/オフが結構極端で、劇場ですごい緊張感を演出する。
スター気分みたいな自己顕示欲はあるかも知れないが、被写体が「撮られること」を自分たちが生きるのに利用していない感じにみえる見せ方が印象的。10代という歳の若さが興味のフックにはなっているが、そこに固執>>続きを読む
単に題材としてビデオゲームを扱っている以上に、ビデオゲームとその仮想空間の現実への身体的な延長・知覚の変様と、現代映画における表現の関連性についてかなり示唆的な映画なのかもしれない。特に同時期にジョン>>続きを読む
光が、何か目に見えないものを感じさせたりするように映されるのが美しい。
赦しや見返りを求めない愛に似た信仰みたいなものの様々なあり方が複数の登場人物を通して描かれる。
催眠と殺人の教唆みたいな目に見えない人間の行動への影響を映画という視覚芸術で描くということ。他者からの影響と自身の内側から起こる行動原理や思考のことを考えされられる。
統制されたビジュアルと複雑な構成の物語にどこまでハマれるか。
モーションピクチャー、動く絵という印象のスタイルはアクション性が高まっていく映画の方向性とはまた別のアプローチで、現代の映画のあり方の模索>>続きを読む
様々な映像的な効果や美術が用いられており、技術やセンスの見本市みたいになっていた。ホラー、ミステリーの映像表現における演出が今の表現にも通じるものがあり興味深い。
ホン・サンスのスタイルはこの作品にもあった。ローファイな音楽が、現場でスピーカーからなっているように感じる。
反復される台詞や主人公の姿が、映画全体と相似形になっているというか、自己言及的な内容だった>>続きを読む
フレーム内にカチッと配置された人物がひたすら話したり聞いたりする映像の構図が面白い。2人以上になった時の、会話の外にいる人の様子とかがとても自然だった。フレーミングやカメラのアクションがかなり作為的で>>続きを読む
ノスフェラトゥの造形のすごさ。でかくて禿げてるアイコニックなやつは走ったり襲ったりするアクションがなくても、そこに存在したり現れたり、発見させられたりするだけで恐怖というかインパクトがあった。
恐怖演>>続きを読む
バスターキートン的なアクションの面白さの連続体。また映画からインスパイアされて作られたビデオゲーム、特にアンチャーテッドシリーズなどをモロに彷彿とさせるようなシーンなど、映画の普遍的な要素と技術の中で>>続きを読む
語られる話の強度や深度のすごさと、そこに生々しさや滑稽さ、愚かさや悲哀やセラピー的な巻き込み感などいろんな味が織り交ぜられて、だからこそ社会性を持ち、かつヒップで、それがミニマルな舞台で巧みな語りと身>>続きを読む
何かを託されたような読後感で余韻がすごい。
おもしろいのかどうかや、どうおもしろいのかとか、記号をどう読み解くのかとかどういう話なのかみたいな解説とかよりも、いろんな感じるポイントの連続っていう感じだ>>続きを読む
バービー人形の実写化というテーマでここまで刺激的な作品を作れるクリエイティビティがかっこいい。何度も笑わせられたり泣かされたり、気まずい感じにもなったりと、短時間の間にいろんな感情に揺さぶってくる。>>続きを読む
表現主義のアートがおもしろい。
カメラワークや編集など、映像的に情報を伝えるのがすごい巧みだと感じさせる。
ラスウルデスの実際に生きている人々が記録されている価値。スクープ的なものはないが、ナレーションで色々語られる背後に映される人の表情と、文化の記録に興味を引き立てられる。
多視点で淡々と進んでいく。各キャラクターごとに展開するストーリーがあって飽きずに楽しめる。