よつゆさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

異端の鳥(2019年製作の映画)

3.9

観たことがある人であれば、誰もが『炎628』を連想したと思う。
どちらも戦争の最中、少年が過酷な世界を文字通り彷徨うロード・ムービー的な作品。
とても残酷で恐ろしいが、『炎628』と比べれてしまえば大
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.0

特に理由はなかったが、『哀れなるものたち』を観に行く前日にぼけーっと観てて、あんまりにちゃんと観てなかったもんだから『哀れなるものたち』を観に行った次の日に観たら、別の人間の肉体に別の人間の脳を移植す>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

ちょっと逆張りだったり天邪鬼な稚拙さがでている感想かも知れないが、思ったより普通だった。
結局物語自体はしっかり進行するし、あり得ないほど理解不能な物語でもないし、世界観もすごく普通だった。

そもそ
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サンライズ(1927年製作の映画)

3.8

少し期待しすぎたかもしれない。
もう約1世紀前の作品という補正もあり、不朽の名作に違いないと思っていた。

不朽の名作なのには違いないのだろうが、純粋に自分の感性とは合っていなかったのかもしれない。
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仇討(1964年製作の映画)

4.7

初の今井正監督作品。

色々と言いたいことはあるが、先ず主演の萬屋錦之介(中村錦之助)について。
めっっちゃ『修羅』の中村嘉葎雄に似ている…!
一瞬で分かった、というか中村嘉葎雄なんだと思った。
それ
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屋敷女 ノーカット 完全版(2007年製作の映画)

3.5

やばい…。
もう二度と観たくない。

動物とか、子供とか、妊婦とか、もうこれに関連して口にも言葉にも出したく"それ"のグロは本当に無理だ…。

こんなにも目を覆ってしまった作品は2つあるくらいだ。
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DOOR(1988年製作の映画)

3.3

中盤まではすごくよかった。

昭和バブル時代に完成されていった団地、高層マンションなどとった、集合で暮らしていながらも、人と人との関わりが冷めがちな環境において生まれる犯罪、サイコロジカルホラーがしっ
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陽炎座(1981年製作の映画)

3.9

鈴木清順による大正浪漫三部作、『ツィゴイネルワイゼン』に続く第二弾。

大正時代といえばエロ・グロ・ナンセンス。
そして、大正時代に明治時代からの流れを汲むロマン主義の円熟。
それらを1980年代に、
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黒い家(1999年製作の映画)

4.4

圧倒的不快感。

映像、演技、登場キャラクター、そのすべての演出が不気味で気持ち悪い。
演技がかなり誇張気味で、物語にもおかしい部分があるが、本作はリアリズムを意識した作品ではなく、寧ろそのどこかおか
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ユリシーズの瞳(1995年製作の映画)

4.8

初のテオ・アンゲロプロス。

バルカン半島を映す映像美に圧倒される。
今まで観てきた映画の中でも随一の映像美だった。

はじめはマナキス兄弟のバルカン半島最古の映画、幻の3巻のフィルムを追うロード・ム
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奇跡(1954年製作の映画)

4.0

ドライヤー作品の中でもかなり評価が高い本作。
『裁かるゝジャンヌ』がめちゃくちゃ好きだったので鑑賞しにイメージフォーラムまで。

死と再生、和解、信仰、そして奇跡。
普遍的で扱うのが難しいテーマを取り
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.5

大好きなタランティーノ作品。
パルプ・フィクションでタランティーノを知り、レザボア・ドッグスでタランティーノを好きになった。

ハーヴェイカイテルがカッコよすぎる。
世界一すき。

わざわざこっちにも
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

ルー・リードの『Perfect Day』だったか…。
何か音楽が流れる予感はしてたけど、完全に忘れてた。
他にもアニマルズとかパティ・スミスとか、すごく良かった。
でも、ちょっとカセットにフィーチャー
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(1960年製作の映画)

4.2

ジャック・ベッケルの遺作。
ジャック・ベッケルは『現金に手を出すな』しか観たことがないが、こちらの方が面白かった。

狭い監獄の中、脱獄囚たちの信頼と疑惑、監視の緊張感どれもが良かった。

物語ラスト
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老人Z(1991年製作の映画)

3.0

あんまり…かな…。
江口寿史っぽいな〜って思ったら、やっぱりキャラクターデザインでしたか。
絵はきらいじゃないけど、大友克洋ならキャラクターも大友でみたかった。
あんまり大友のメカと江口寿史の描く女性
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.7

超有名なラブ・ストーリー。

結構面白かった。
寒さが伝わる映像でありながら、暖かみのあふれるストーリー。
正直舐めてたけど、映像が本当にきれいでよかった。
ポスターがかなり微妙というか自分好みではな
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.5

アル・パチーノ主演、ジョン・カザール助演。
1972年に実際に起こった事件を元にした犯罪映画。

序盤から終始妙なリアリティがあり、常に緊張感が走る。
はじめは単に強盗犯が銀行に立て籠もり、警察との対
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影武者(1980年製作の映画)

3.5

うーん、長い…。

影武者という要素でここまで膨らませるのは中々だけど、内容が全体的に薄くなってしまっている気がする。

主人公が武田家の命運をかけて亡き信玄の影武者を演ずる。
影武者として成長してい
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サムライ(1967年製作の映画)

4.3

めちゃくちゃカッコイイ。
個人的なノワールのイメージが体現されたかのような作品。

アラン・ドロンを全面に押し出し、そのかっこよさを遺憾無く表現している。

孤高の暗殺者。
機械的な行動。
暗殺者と美
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天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

3.3

ほぼハーヴェイ・カイテル目的で鑑賞。

かなり王道な展開で、先が読みやすい。
様々な登場人物の成長がしっかりと描かれ、修道院内における成長、そして閉ざされた修道院からの脱却、そこからしっかり物語が展開
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上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)

4.5

何かに従って生きてきた人間が、一つのきっかけで180度逆の決断をする。
完全な縦社会、そして忠誠なしもべであることを求められる武家社会に於いて、それがかなり顕著とも思える馬廻役。
しかも主人公の笹原伊
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ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

4.5

スコセッシとデ・ニーロ、そしてハーヴェイ・カイテル!!
この3人が揃ってしまえば怖いものはない。

本作ではデ・ニーロ演ずるジョニーはいかにも気味の悪い理不尽な役を演ずる。でもホントにこういう人ってい
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(2023年製作の映画)

3.7

映像はすごく良かったが、物語は分からん…。

事実かどうかは置いといて、こういう新たな切り口の時代劇はすごく有りだと思う。
個人的には男色が強調されているのは意外とおかしくないと思う。
実際かなり(痴
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ロリータ(1997年製作の映画)

3.0

先にキューブリックの方を観たかったが、こちらのU-NEXTの見放題が終了間近だったためこちらから。

子どもの頃に好きだった女の子が死んでしまって以来、主人公は過去に囚われ続けている。
そうしておっさ
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.8

まず世界観がすごく良い。
圧倒的に日本を意識した世界が構築され、他に類を見ない世界観を演出している。

物語は継承と発展がテーマになっているように思う。
父から子へ、古きから新たな者へ。
そしてより良
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街の灯(1931年製作の映画)

3.9

観れば分かるが超王道なストーリー。
チャップリンと盲目の女性とのラブストーリー。
チャップリンは滑稽で、けしてお金持ちではない。
そんな彼が自分のことが見えない女性に親切をし、彼女は紳士な態度の彼に惹
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赤ちゃん泥棒(1987年製作の映画)

3.5

ニコラス・ケイジがめっちゃ若い!!
コーエンの長編監督作としても恐らく2作目とあってなんだか若々しい作品。

コーエンがコメディを全面に押し出した本作、子供ができない夫婦がお金持ちの夫婦に生まれた五つ
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ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)

4.5

日本探偵小説三大奇書にも数えられる夢野久作原作の『ドグラ・マグラ』を松本俊夫が映画化した本作。
ずっと読みたいと思っていた作品ではあったが、この馬鹿が一向に読み始めないので原作未読のまま映画から鑑賞。
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BROTHER(2000年製作の映画)

3.4

これはちょっと分からなかったな…。
日本とアメリカの異文化が、アウトローで混じり合う。
たしかにBrotherという言葉は本作のタイトルにもってこいだろう。
ヤクザにおける兄弟、アメリカにおけるBro
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怪談(1965年製作の映画)

3.7

原作は小泉八雲による文学作品。
タイトルは八雲の最も有名な作品集『怪談』から。
八雲の小説では最も有名だろう「雪女」もある。
映画はオムニバスで進行し、全4本の怪談が映像化されている。

「黒髪」はい
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心中天網島(1969年製作の映画)

4.0

流石ATG、また一風違った作品を作った。
原作が人形浄瑠璃なだけあり、黒子が劇中にも登場し異質な存在感を放ち、独特な世界観を構築している。
篠田正浩の作品を観るのは『卑弥呼』に続いて2作目。
『卑弥呼
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

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アメリカン・ニューシネマはやっぱり分からねえ。

カウボーイ気取りの田舎者がニューヨークから出てきて痛い目見て、なんか友だちになるって話でした。

やっぱりアメリカン・ニューシネマはやな終わり方をする
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

3.0

正直あまり面白くなかった。
『七人の侍』っぽいが、それぞれのキャラクターに大したドラマがない。
島田は最初からやることが決まっているから最後まで何の変化もなく、新六郎もやると序盤に決めたあとは特に何も
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.0

俳優の格はすごい。
すごいんだけど、完全に若手が消えちまったよ…。
みんな年齢が高すぎて観ていてなんか不安になる…。
完全にそっちに気を取られたし、むしろ観ていて疲れてしまった。

そしてもう無理矢理
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アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

3.3

どうした石原…!笑

石原は大友を裏切り出世。
若くして山王会二代目会長加藤の右腕にまで登りつめる。
しかし、若いため舐められまいとしてなのか、すごく吠えまくっていて逆にチンピラみたいになっている。
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