ユーキさんの映画レビュー・感想・評価

ユーキ

ユーキ

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

イスラム教的な価値観により、男尊女卑や家父長制が社会に蔓延する近代のサウジアラビアを舞台に、それらの抑圧を打ち破る象徴として、自転車を手に入れ乗ろうとする女の子の話。

子供は親の背を見て育つというけ
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キートンの蒸気船/キートンの船長(1928年製作の映画)

4.0

バスター・キートンの古典。

終盤の暴風雨コントが見もの。
ジャッキー・チェンやザ・ドリフターズ、或いはアメトーーク!の巨大扇風機芸の元祖とも言える。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

人類自身を絶滅できる兵器を作り、世界を不可逆的に変えてしまった科学者の、栄光と罪。

1回の鑑賞では理解できない程の、主要登場人物の多さとストーリー展開。

それでも、編集力と画と音の迫力によってスク
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ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4K リマスター版(1968年製作の映画)

3.8

ゾンビ映画の記念碑的作品。

悪意のある人間や足を引っ張る人間のほうが、ゾンビより恐ろしい。

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.8

ゾンビ映画の記念碑的作品。

悪意のある人間や足を引っ張る人間のほうが、ゾンビより恐ろしい。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

幼少期の頃に想いあっていた男女の、24年越しの再会。

タイトルの通り、過去に生きる心情。

人生にもしもは無いけれど、過去をやり直せるとしたらどうするだろうと考えてしまう。

また分別のつく大人にな
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

視界いっぱいの砂漠や巨大建造物が、IMAXの巨大スクリーン映え。

また夕日や砂嵐の中など照明が不足しがちなシーンも多いので、ドルビーシネマとの相性も良い。

オースティン・バトラーのサイコ演技、存在
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.0

52ヘルツで鳴くクジラの鳴き声は、他の仲間には聴こえない。

その孤独なクジラの鳴き声が、苦しさや寂しさを抱える、劇中の人々の心の叫びに例えられている。

自己中な近親者に自尊心が削られ人生を食い物に
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アフリカン・アメリカンがエンタメ業界で置かれている現実に対する、皮肉的な一作。

白人の罪悪感を軽減するために、黒人が黒人らしく振る舞い偏見を強化する作品が求められている。

当人である黒人作家たちが
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

アメリカ人兵士とアフガン人通訳を主人公にした、タリバン支配地域からの脱出劇。

一見アメリカ資本によるプロパガンダでヒロイック的な話に見えるけど、それよりは立場を超えた対等な友情や報恩の精神の方を感じ
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.9

期待されてるいつものマブリー💪🏼

話運びがもたつくとすぐアクションが挟み込まれるので、退屈する暇が無い。

3人のヴィランはそれぞれに個性的だけど、國村隼の使い捨ては勿体無いので再登場して欲しい。
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

3.8

高慢で自分勝手な気象予報士が、田舎町での2月2日をループする状態に置かれることにより、他人を幸福にする事に目覚め人格が磨かれていく話。

タイムループ×ラブコメの佳作。

でもピアノ教室をクビになった
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

雪山の山荘での転落死。
それは事故か、父親の自殺か、母親による殺人か。
その裁判を、遺された子どもの親権争いに重ねて描いた映画。

見る人によって真実は幾つにも分かれる。
しかし、決定的な証拠がなく確
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クイーン:ロック・モントリオール1981(1981年製作の映画)

4.3

レギュレーションとして発声&スタンディング可能上映だった事も手伝い、まるでライブ会場のような盛り上がり。

(スクリーンに光や影が映り込むのと、視界でチラチラされると気が散るので、個人的にはサイリウム
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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.0

原作マンガは昔サラッと読んで、アニメはながら見した程度。

映画としてはキャラクター性に頼った作り。
両サイドの観客は泣いていたので、今作までの過去のドラマに思い入れのあるファンにとっては、名作だった
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

現実と妄想が混ざり合う、悪夢のような帰省。

毒親な母親とそれに怯える息子の愛憎が明らかになるクライマックス。

アリ・アスターの頭の中がどうなってるのか見てみたい。

正直179分は長過ぎるので、キ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

PMSやパニック障害、介護や子育て。
人が抱える問題や苦しみは様々だけれど、互いを知る事で優しく助け合う事は出来る。
お互い様の精神。

目の前が不安で真夜中のようであっても、夜空の先には同じように考
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.3

4Kレストアされてるだけあり、絵も音も良い。

何度も椅子から立ち上がり、踊りたくなった👯

「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ(2024年製作の映画)

3.8

隣席ガチャに敗れ上映中にスマホをイジる連中にウンザリしたけど、ブロックノイズのないアクションや色彩は良い

スティング(1973年製作の映画)

4.0

コンゲーム映画の名作。
展開を知っていても引き込まれる。
スコット・ジョプリンのジ・エンターテイナーも名曲。

『人を騙す』という能力。
正直が美徳とされる世界では敬遠されがちだけど、それも使う相手や
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

3.9

デンマークの片田舎を舞台に、信仰と料理、それによって紡がれる絆をテーマにした、お伽話のような映画。

食事や晩餐のシーン。
どのような食材をどう調理してどう味わうか、同席した人と何を話すか。
キッチン
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.2

原作から省略されたシーンや綺麗すぎる衣装などが気にならないわけじゃないけど、キャスト・舞台・アイヌ文化の再現度、アクションの迫力といった完成度が高く、二〇三高地戦では鳥肌が立つほどだった

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.2

カラー版をドルビーシネマで先に観ていたので、モノクロ版でおかわり。

夜のシーンなど、絵が黒過ぎて描写が分かりにくくなる箇所もあったけれど、モノクロの方が時代性には合ってる。
セットの粗も隠れるし。
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

紅だァーーーッ!!(ドンドコドコドコ)

前半はコントみたいだけれど、話が進むにつれ正反対だった男たちの関係性が強まるエモバディムービー。

選曲のセンスや、脚本とのシンクロっぷりもいい。

上映時間
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一見奇妙で奇想天外な映画だけれど、一人の女性が自由と幸せを求める冒険と成長の物語、という本筋はしっかりあった。

ヤリチンはプレイボーイと誉れ高く扱われるけれど、ヤリマンは売女やビッチとして陰口を叩か
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.1

銀座のバーのママとして生きる女性の、人生録。

華やかな世界の裏で、建前と本音、プライドや弱さといった多くの情念が渦巻いている。

これで幸せになれるかも、というところに落とし穴があるのもまた人生。

怒りの日(1943年製作の映画)

3.9

魔女狩り、家族や男女の愛憎、そして告発。

社会規範から逸脱し自由に生きようとする女性に対する、体制側からの反発、という要素もあるのかな。

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

3.9

ジャンヌ・ダルクの裁判記録をもとに、取り調べから火刑の瞬間までを再現。

多くのシーンが役者のクローズアップで、表情での演技が求められる、極端な撮影スタイル。

聖女ジャンヌを英雄ではなく、一人の苦悩
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奇跡(1954年製作の映画)

4.1

神は与え、神は奪う。

信仰と生命、家族の話。

信仰心により生じる葛藤や苦悩、そして奇跡。

吸血鬼(1932年製作の映画)

3.8

幻想的な雰囲気、浮遊感。

話の筋がよく分からなかったところもあるけれど、独特の撮影美、恐怖があった。

ちゃんとした解説を聞いてから再鑑賞したい。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

フィンランド・ヘルシンキの片隅で、孤独を抱えそれぞれ生きる中年の男女。

貧困/アル中/戦争など、閉塞感のあるままならない社会だけれど、最後には枯れ葉のようなささやかな希望と愛が残る🍂

細やかで軽い
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

役所広司演じる無口なトイレ清掃員の、穏やかな日常、ささやかな幸せ。

一見同じことの繰り返しで、劇中何か大事件が起きるわけじゃない。
でも世界は木漏れ日や水面のように揺らめき、少しずつ変化していて、同
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.8

🍫🎩🦯

ウォンカが大衆にチョコを振る舞うシーンなど、目を引き多幸感のある展開や美術装飾は所々あったものの、ミュージカルの楽曲があまり刺さらず、またウォンカらが悪役達に打ちのめされるダウナーなシーンの
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