ユーキさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.7

タイトルに似合わぬ怪作。

青い魚顔のドラーグ族が支配し、人類が愛玩動物あるいは虫のように扱われているという世界観。

漫画雑誌ガロを思い起こすタッチ。

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.0

9年ぶりに再会した元恋人たちの会話劇。
心の中の柔らかい箇所をなぞられているかのよう。

それぞれの人生経験があり、それを持ち寄ってのとりとめの無い会話。
歳をとることも離れていた事も、意味があり悪く
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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

エキセントリックなクェス、嫌い。
それに執着するギュネイもハサウェイもどうかしてる。

シャアは急進的なエリート主義で旧人類に絶望していて、クェスのことも兵器としてしか見てなかった。
アムロはニュータ
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糧なき土地(1932年製作の映画)

3.6

1930年代、スペインの貧しい村のドキュメンタリー。
悲惨な村と立派な教会が対照的。

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.7

白昼夢のような実験的映画。
ダリの影響か、衝撃的な絵作りが独特。

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

久美子が吹奏楽部の新部長になり、3年生編への助走/序奏としてのアンサンブルコンテスト中編。

編成や立場が変わる事で、部員や組織に対してそれまで見えていなかった違う側面が見えてくる。

過去作において
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.0

北アイルランド・ベルファストのカトリック系小学校が舞台。
哲学をベースに、生徒への教育や宗教的・政治的対立の刷新に取り組もうとする、校長先生たちの話。

憎しみや暴力の連鎖という歴史、あるいはドラッグ
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機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-(2005年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

先日新文芸坐で劇場版ガンダム三部作を観たので、続いてこちらを鑑賞。

新組織や新キャラといった固有名詞が多く、付いていくのが大変。

ブライトさんはシャアに気づかなかったし、シャアとホワイトベースの乗
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ストーカー(1979年製作の映画)

3.8

何とも言えない余韻の残る作品。
タルコフスキーは『惑星ソラリス』も観たけど難解。
でも映像美はある。

ゾーンのあの部屋は、鬱屈感のある変わり映えのしない生活から見た、人を動かす為の希望の象徴だと捉え
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

真相が徐々に明らかになる後半から尻上がりに面白くなった。

タイトルから想像できるホラー要素に加え、ラッセル・クロウ演じるガタイが良くてお茶目なベテランエクソシストと真面目で成長著しい新米神父という、
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憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

4.0

2023WBCのドキュメンタリー。

結末は分かっていても、決勝のアメリカ戦の攻防、中でも大谷vs.トラウトには手に汗握った。

準決勝で被弾し降板した佐々木朗希の姿にはもらい泣き。

選手や監督への
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DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン(1983年製作の映画)

3.2

アマチュア時代の庵野秀明監督らが作ったウルトラマン。

今作と比較すると、シン・ウルトラマンは技術的にも演出的にもかなり進歩してたんだなあ。

無防備都市(1945年製作の映画)

3.8

ナチス占領下のローマで、レジスタンスとして戦った市井の人々の話。

ユーモアを交えながら、逞しく抵抗活動を続ける名も知られぬ民草の姿が描かれていた。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.1

息もつかせぬアクションシーンの乱れ打ち。
還暦を迎えても無茶苦茶するなあ、トム・クルーズ。

ハリウッドの映画制作の現場でAI導入に対するストライキが行われている今、AIが敵役となりそれに生身のアクシ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

少年の冒険活劇/ビルドゥングスロマンという体裁を保ちつつも、宮崎駿監督のセルフオマージュや集大成的な意味も盛り込まれた映画。

喪失を受け入れる為の時間や経験、或いは形は違えど支えてくれる周りの人々と
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

3.8

水の流れのような愛。

監督の美学や哲学が集大成的に描かれているようだけど、自分には合わなかった。

幼稚な性格やメンタルのバランスに問題がある人間には近寄るなって事くらいかな、共感できる部分としては
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ウンベルトD(1952年製作の映画)

3.9

借金を返せず下宿を追い出されそうになる、ウンベルトお爺さんの苦悩と転落。

お金が無いという事は、生活の基盤、更には人間の尊厳まで奪われかねない。

世間がインフレの中、蓄えが無く年金だけでは暮らして
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戦火のかなた(1946年製作の映画)

3.9

戦時下のイタリアにおける人間模様。
6つのドラマのオムニバス。

戦争にハッピーエンドはなく、ただ無残。

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

京都の旅館を舞台にした、カジュアルなタイムループSFコメディ。

主人公の行動原理や恋愛周りの描写がもたついていたのは不満。
それよりは問題解決への試行錯誤やコメディの描写に力を入れて欲しかったかな。
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.0

フラッシュの特殊能力である超速移動と、タイムトラベルやマルチバース設定の重ね技。

クソ真面目な印象のあるDC映画だけれど、その中でも軽いキャラクターやコメディシーンは緩急が付いていた。

ただ、ヴィ
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.3

『スパイダーマン』としての運命と選択の話。

スパイダーマンの歴史を踏まえたストーリー展開に加え、前作からキャラクターやタッチのバリエーションも増え、またビジュアル表現も更に磨き込まれていた。

後編
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怪物(2023年製作の映画)

4.2

単純な消費や安易な解釈を許さない、多角さと多様性と深みを兼ね備えた映画。

パズルの穴が一つ一つ埋まっていくかのように、複数の登場人物からの視点が積み重ねられ、一つの物語が生成されていた。

人間は立
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

4.0

理不尽な現実に翻弄されながらも、生きる希望を求め獅子舞に青春を燃やす少年たちの話🦁

現代の中国を舞台に、少年マンガ的なスポ根モノをやろうとすると、こういう作品になるんだなあ。

癖のある3D CGや
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.8

アドニスとデイム、それぞれの過去の過ちとそこからの再起がテーマ。
シナリオは予測のつく展開で、ドラマ的にも過去作と比べるとやや薄口。

試合のシーンは、IMAXカメラでの撮影もあり大迫力。
マイケル・
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海の上のピアニスト(1998年製作の映画)

3.9

4Kデジタル修復版で観てたので、感想はそちらで
https://filmarks.com/movies/92337/reviews/96331727

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.2

MCUで例えるならインフィニティ・ウォーに相当。

ワイスピシリーズ持ち前の荒唐無稽さと、車を使った力技での問題解決能力は健在。

ワイルドなブリー・ラーソンや甥っ子の成長を見守るジョン・シナ、そして
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

著名指揮者の栄光と狂気、その先にあるもの。

モンハンについて知らないと呆然とするラスト。

色んな解釈ができるけれど、能力や権力が人間を怪物(モンスター)にし、その怪物は人間(ハンター/大衆)に狩ら
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ソー ラブ&サンダーとGotG3の間を繋ぐ番外編。

大切な人々の幸せを願い、共に過ごす祝祭。

回想シーンがアニメなのは、幼少期ピーターかヨンドゥの役者の都合かな。

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

テレビドラマ版は未見。

捻りのなく分かりやすすぎるほどの感動的なシーンと、緊張感のあるシーンの、乱れ打ち。

リアルじゃないという批判も承知の上で、ドラマチックな路線を貫いたのだと感じた。

エンド
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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

70年代~80年代のアメリカンポルノ産業に関わった人々の栄枯盛衰。
日活ロマンポルノや全裸監督を彷彿とさせる、青春群像劇。

マーク・ウォールバーグのイチモツは無修正だったけど、本物?

元素材と新文
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ジェームズ・ガンからの最高の置き土産。
ありがとうガーディアンズ。
ガーディアンズのメンバー、一人一人を抱きしめたい。

虐待とそこからの回復。
動物や子供、傷つけられた者や改心した人への優しさがあっ
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セブン(1995年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

名画座目黒シネマで、念願の劇場鑑賞。

無関心と悪徳の栄える世の中だからこそ、戦う価値がある🫠🔫

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.2

ワイワイ声出し&歌いながら観たい、ポップコーンアトラクションムービー。

マリオ他、任天堂のゲームやキャラクターに対する愛情や小ネタに溢れていて、上映中ずっとニコニコしちゃった🍄⭐️

リバティ・バランスを射った男(1962年製作の映画)

3.9

法と秩序と、その裏付けとしての暴力。
ジェームズ・ステュアートの出演作『スミス都へ行く』へ繋がるような、民主主義の政治劇から西部劇への惜別の思い。

「ここは西部。伝説と事実なら伝説をとります」という
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