肉体が失くとも、魂がそこに在る。触れず交わさずの愛は記憶をたどり、時を彷徨う。彼女が解いてくれるその日まで。
この女たちは知っているのか、
この男が「彼」の愛した男であることを。
その視線の先に彼を映しているのか窺えない。
生きてるだけ、
それだけがどうしてこんなにも苦しいのか。それでも社会とつながりを求めてしまうのはどうしてなのか。
傷つくことは避けて通れない。
切り裂かれるような痛みも、
行き場のないもどかしさも、
それが愛おしい過去になるから。
嫌われ者のババアがとんでもなくキュートでファンキー。愛もわがままも詰め込んで駆け抜ける、その姿に感服。
家族も恋人も友人も、仕事も趣味も、好きと嫌い、大切なものといらないものと、価値観と向き合うことは、自分の未来を作ること。
勇気ってなんだ。
愛するってなんだ。
生きるとは。
からまる青春、在りし日々。
血が繋がっているなんて、マジ勘弁。
ぶつかれるのも兄弟、
姉妹だからぶつかれる。
できることなら関わりたくはない。
それでも、いなくなったら寂しいけど。
ぬくぬくしてたい。あったかいお布団にくるまって、なんならお花畑をスキップしてもいい。頭の中の恋人は私を傷つけないし、いつでも素敵。
現実はいつだって面白くないことが多すぎる。それでも生きていかなきゃな>>続きを読む
記憶と記録。
さいごを迎えるその日まで、
過ごした時間と紡いだ言葉たち。
どこかで掛け違えたボタンは、
どこかで絡まってしまった糸は、
気づいたときにはもう遅い。
掛け直せばいいだけなのに、
ゆっくりほどいていけばいいはずなのに。
ふつうにあったかい、それを求めただけなのに。どうして間違いとわかるほうの道を選んでしまうのか。心が進む、流るるままに、そこに温かな日常があったらいいのに。
ほんのちょっとのバランスの悪さがあってこそ、均衡が保たれる日常。詩を綴るように、言葉を紡ぐようにゆるやかに流れる日常は、ごくごく自然になじむ。
壊れてく。愛する人を失った者たちの、行き場のない壊れた心。行き場を失ったはずの思いは長いときを経て、形を変え、その狂気が社会に問う。
恋愛は勇気。
矛盾と葛藤と、ほんの少しの偽り。
その偽りは人を欺くためではなく、
自分を強くするためのもの。
人生においての悲喜こもごも。切なさと哀しみと、やりきれない夜も煌びやかなひとときも、軽やかに流れゆく。時は進むし、日々をとりまく環境も変わる。人も変わる。否その実、変わっているのか、変われないのか、変>>続きを読む
夢がある。愛がある。喜びがある。
ひとりでは何者でもない彼らが、
歌と、仲間と、
そして、夢の力で輝く。
モラトリアムは続かない。おとなになって、そんなのはわかりきっている。まっただ中の彼女を見ると、その時間が愛おしく、羨ましくも思えてしまう。不器用で痛い少女がとんでもなくキュート!
知らなくてよいことは、
意外と身近に溢れている。
知らなければ幸せなのか、
知ることが不幸なのか、
知らないことこそが不幸なのか。
手のひらに、
その指先に秘密が潜む。
ダメな男、ダメな女。
人生の巡り合わせなんてわからないもの。
出会ったそのときから、
それが運命だなんて、ただの思い込み。
すべては選択しているのだから。
夢とロマンスを音楽に、
あふれる感情をステップに乗せて。
ほとばしる情熱を鍵盤と舞台に映す。
すべての夢追い人に、
美しく在ることを問う。
愛するひとを失ってから、男はひとりだった。だけど、ひとりじゃないこと、思い出したら人生は幸福に包まれる。誰かの手をとり、肩を寄せ、少し頭をもたげれば、そこに温もりがある。
一途で在ることは、強い。
…ところどころ最初から違和感はある。冒頭のお見合いシーンだって、彼のこれまでを鑑みるとたぶんない。
信じる。言葉にすることは容易いのに、その裏にある、言葉にならない入り混じった感情に人は揺るぎ、惑い、ときに見失う。信じることこそが守り守られ、愛し愛され、赦し赦されることと思いたいのに。
印象に残るはラストの数シーン…韓国のふたりの入浴、訳あり中年のふたりの自転車、ナゲットを囲むふたり。染谷将太、前田敦子演じるふたりの未来はまだ見えない。
女のあざとさと、強かさと。一方で男の純粋さと、幼さ。前田敦子の「たっくん」が、妙にハマる。
しかし、原作を読んで観てはダメ。そして、ラストの丁寧な種明かしも要らない。
ガサツで皮肉屋で頭でっかちで、そして臆病で。いつの間にか負け犬に転じてしまったアラサー女子と、妻に捨てられた40男。偶然も奇跡も全部、前に踏み出した者のみが、その一瞬を輝きに変えられる。
ささやかなエピソードの記録。記憶をたどって、シーンをつなげて。恋人でも友だちでもない、男と女の500日のアルバムをパラパラと。
ファンタジックにドラマティックに、バカタレ青年の数奇な運命。人生操り操られ、偶然も必然も、瞬間の重なりが思いがけない未来を描くもの?
歌舞伎町で生きていくには、この男、優しすぎる。限りなく闇に近いグレー、その境界線に生きる者たちの明日。幸も不幸もない、今日を生きて明日を迎えるだけ、その繰り返し。
頭で考えて考えて、
それでも、わけわかんないから人間。
必要なのは、その愛くるしさと滑稽さだけ。
余分なものが多すぎる。
ダメな男女の純愛なんて、
笑っちゃう。
甘すぎるふたりも、陳腐な過去も、
全然くだらない明日も、
笑っちゃうけど、ま、いっか。