オクラ時々猫さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

オクラ時々猫

オクラ時々猫

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僕の好きな女の子(2019年製作の映画)

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渡せない缶ジュース、渡せないケーキ。いつもふたりは楽しいし、君の笑顔をずっと見ていたい。でも、ほんとはもっとちゃんと触れたい。近づきたい。手を伸ばせば届くはずなのに、いつまでも届かない。

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

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「しょうがない」って言い聞かせないとやってられないことも多いけど、「しょうがない」で片付けたくないことはあるんだ。

真ん中も端っこも、その声はグラウンドの君と、ここにいる自分に届け。

ブリット=マリーの幸せなひとりだち(2019年製作の映画)

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1日、1日ずつ今日を積み重ねる。昨日と同じは、そっと心を仕舞い込んだら退屈も冒険もない。
心を解くとき、一歩踏み出す場所は分からないことだらけだけど、新しい今日は始まる。

ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

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きらびやかに、それでいてすごく慎ましい。ある俳優のほんの数年、もっとも濃密であったであろう月日を少年の視点で紐といていく。
不可解な死への謎解きでも、スターと少年の間に交わされる寓話でもなく、これは母
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

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ニューヨークの街に雨が降る。
めまぐるしく移ろう風景と、彼と彼女の心もよう。見えるも見えないも、誰しも自分や家族、身近な人物に想いを馳せて、そして、とらわれて。

そんななかでたどるのは、実に「らしい
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今宵、212号室で(2019年製作の映画)

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愛は思い出の上に築かれる。
夫婦が刻んだ時間、共有する思い出には必ずしも同じ愛が築かれるわけではない。イベントという非日常における大義名分がないと互いを求めない。されど、心はどうだろう。夫と妻、それぞ
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

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これを作家の在り様と見るのか、ひとりの男を愛した女たちの物語と見るのか。女は強く男は脆い。3人の女たちは、みなそれぞれにしたたかであり美しい。男に翻弄され堕ちるようであり、むしろ太宰という天才を意のま>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

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葛藤、覚悟、歓喜、対峙、勝敗、解放、恍惚…音楽の神さまに導かれし者たちの揺らぎと光彩がピアノの音とともに。神が宿る音楽と、神に宿る音楽と、画が魅せる。

町田くんの世界(2019年製作の映画)

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町田くんはやさしい。誰にでもやさしいはときに人を傷つけるけど、町田くんのやさしいは、誰かの背中を押したり、忘れていた大事なものを気づかせてくれたり。好きを知ったその日、彼はもっとやさしく、ずっと強くな>>続きを読む

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

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商売人の最後の大勝負。商売人の心を捉えたその一枚が、家族をほどいていく。名画と言われる作品が画家の魂であり、その身が滅びてなお後世に継がれるように、画商の魂もまた、その絵とともに継がれていく。

Red(2020年製作の映画)

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「どれだけ惚れて死んでいけるか」
その一方で「惚れることで生かされる」もある。分つ春まで、ふたりは生を全うしたのだろう(と推測する)。そのうえでの彼女の喪失をどう捉えたものか。

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

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かつては確かに愛していた。今なお変わらぬ相手への愛しみも尊敬もある。それでも別離を決めたとき、夫婦が築いた日々と、裏腹に紡がれる言葉で描くストーリー。そのどちらもが夫婦のこれまでであり、これからの物語>>続きを読む

転がるビー玉(2019年製作の映画)

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ビー玉が転がるのは上から下に傾斜があるとき。或いは、外から力が加わったとき。いずれは止まる。転がって、また止まって、何かの拍子にまた転がる。
似たり寄ったりで違う3人、もがきながらも今日を生きる。

his(2020年製作の映画)

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人と街と空気と。柔らかな想いが交差する。ひそやかな日常に訪れた過去と言うにはあまりに鮮明な記憶。
「生きていく、彼とこの場所で」
一歩踏み出すための物語。

影裏(2020年製作の映画)

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表があって裏がある。裏があれば表もある。光が当たるところを見るのか、生まれた影を見るのか。いずれかであっても、そのどちらもであっても、触れた顔が自分にとっての「誰」かだ。

37セカンズ(2019年製作の映画)

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出会いは人を変える。
出会いは人を強くする。

自分に潜めていた新しい世界を、彼女は自らの手で切り拓いていく。そうしてまた強くなっていく。一歩踏み出す人に出会いは訪れる。

ファンシー(2019年製作の映画)

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散文的なようにも、詩的にファンタジックなようにも見える。さびれた温泉街に、外れた人たちが生活をする。その喧騒と線を画すペンギンの住まい。物語は終わって、また続く。

ラストレター(2020年製作の映画)

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かけ違えたボタン、だろうか。絡まって、ぷつっと切れた糸をたぐり寄せるように、想い出をたどり、美しいままにそっと箱にしまう。迷うとき、躓くとき、どこかで思い出す時代があっていい。それが一歩踏み出す勇気と>>続きを読む

mellow(2020年製作の映画)

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気がついたら恋をしていた。色とりどりの花に囲まれた店主に。少し不器用で、どこまでも鈍感で、やさしさをまとう青年に恋をしないほうがおかしいのだ。

ロマンスドール(2019年製作の映画)

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大切な人を失くすまで。出逢い、恋に落ち、穏やかに食卓を囲み、過ちを犯し、そして夫と妻は生きる。作家は消えゆく妻をなぞらえ、命を吹き込むかの如く。しかし、そこに妻の魂は宿らない。それでも生きた証、愛した>>続きを読む

キャッツ(2019年製作の映画)

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歌と踊り、躍動感あるステージがそこに。人間の表情に心の機微、そして猫の振る舞い。どことなく感じる違和感も、これはこれで新しい世界。

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

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地下でもない地上でもない、半地下から見た社会。家族が寄生するのは、明るい陽の差す富裕層一家であり、光と闇を併せ持つ社会そのものでもある。青年が最後に見た未来もまた、温もりと仄暗さを潜めている。

音楽(2019年製作の映画)

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魂が揺さぶられる瞬間、ってある。奥底でくすぶっていたエネルギーが爆発する感じ。気持ちのよい音楽の時間。

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

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静かに力強い。

だれと出会い、だれと食事し、
だれと風景を共有するかが、
明日の自分をつくっていくのだ。

“隠れビッチ”やってました。(2019年製作の映画)

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トラウマだとか依存だとか、弱さ脆さ、逃避。そのどれもが誰しも少なからずは抱えているもので、ぽかんと空いた穴を何かで埋めようとするのは至極当たり前のことだろう。それで満たされることもあるし、満たされない>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

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現実世界と夢のなか、そのどちらもで人は生き、そしてときに境を失う。とらわれる過去、支配される欲望とおごり、葛藤、妬み、虚無が渦巻くなか、そこにある愛。私たちは生きている、この現実と夢とが行き交う世界に>>続きを読む

彼女の人生は間違いじゃない(2017年製作の映画)

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すれ違ったふたりの終着、新しい命の誕生、戻らない妻の見送り。いずれも新たな旅出がそこにある。
失われたときを取り戻すことも、絶望をやり過ごすこともできないけれど、明日を生きる人たちにほんのひとかけらの
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家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。(2018年製作の映画)

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3ヶ月、3年、危機を迎えやすいというけれど、ふたりが笑顔で想い合う日々を重ねていく、その結果が3ヶ月、3年であり永遠だろう。
死がふたりを分かつまで、あと何日、あと何時間と数えるのではなく、今日も一日
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ひとよ(2019年製作の映画)

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恨んでいない。だって母ちゃんは母ちゃんだから。笑えるけど笑えない家族。
自由に生きて、なんにでもなれる。母ちゃんが守りたかった子どもたちの未来は、やっぱり母ちゃんが在ってこそだ。間違っても、立派じゃな
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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

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なんかうまくいかないし、空回るし、噛み合わない。高校デビューみたいなこと、ある日突然シンデレラなんてこと、そんなの現実には全然なくって、地味なポジションはそのまま目立たず、それでも青春を否応なく突きつ>>続きを読む

若さと馬鹿さ(2019年製作の映画)

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くだらないの続く、自堕落でほんの少しがちょうどいい毎日。省エネ仕様にできている、大人とも子どもとも言えない彼らのエネルギーは、充満して発散されるのではなく、じわじわ漏れているからいつまでも爆発はしない>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

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消えたビートルズを得た青年。偽りのスター、偽りの才能と音楽を愛する真実。人の心を動かすのは、いつだって偽りのない気持ちなのだ。

真実(2019年製作の映画)

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家族だから、母と娘だから、
だから、わかることもあるし、わかり合えないこともある。同じ女で同じ母親だから。積み上げた日々に絡まった糸が、交わす言葉たちによってほどけたり、絡まりを強めたり。

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

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後ろめたさもある。それでも、目を背けたいこともある。知らないことにしておきたいし、過去に変化なんて要らない。寂しくないことが寂しい。心にぽっかり空いている気もするけど、案外忙殺される日々に埋まったりも>>続きを読む

英雄は嘘がお好き(2018年製作の映画)

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「嘘から出た実」とは言うが、彼はどこまでも偽物の英雄。滑稽でもあり、それこそ偽物の真実でもあり。偽物ではあるけれど、ときに逃げない男の姿がかっこよく見えることもある。ごく稀に。

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

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ありふれた出会い、気がつけば一緒にいる誰か、流れゆく日常。劇的でなくても奇跡でなくても、そのひとつひとつに意味がある。あの日あのとき、君に会えてよかった。それだけで悪くない日々は続く。