よくある映画化ゆえの大がなりな設定がないところは良かった。とはいえ、ドラマ向きの作品、とは思う。
その世界観に魅了される。ポップでキュート、それでいて、いじわるで、ひねくれていて、皮肉めいていて。でも、心の奥底に横たわる純粋さに満たされる。
みんながみんな狂ってる。それも、だいぶ突き抜けている。ほんの少し、時折垣間見る真っ当な葛藤さえも、どこか妙。そして絶妙。
歯がゆさ、くすぐったさ、ひたむきさ、無邪気さ。おとなになる、ほんの手前の青春のひとコマ。おとなになって観ると、こっぱずかしさもある。
メディア、SNSによる情報に踊らされるなんて簡単、それも確か。けれど、身近なものことでさえ、容易に、日常的に記憶を書き換え、都合よく処理する、人間の弱さが軸。偶像と実像、何を信じるか。自分はどこに在る>>続きを読む
潔いとしか言えないほど、至極シンプルなストーリーに2人の男の狂気、執念。対峙するは目の前の男、自分、音。彼らが見る景色が見たい。
青青と、まっすぐな高校生たち。もう、ほんとバカ…!という感覚が懐かしく肌馴染みのよい青春映画。
この先に、子どもたちに明るい未来がやってくるのだと信じたい。少なからず、そう希望を持って観られる。
なんでもない1日は、ほんの少しずつ、なんでもなくない出来事によってできている。いつか、それが愛おしいと思う日が来るもの。
おおかみと人間、ふたつの血を引く2人の子ども。葛藤と宿命と、絆と幸福。
この世界観は圧巻。めぐりめぐり、出会いと別れを繰り返す。どこまでも女優、その人生。
しょーもない男はどこまでもしょーもない。けど、女は逞しいよ。笑えて、スカッとする映画。
俳優陣の力を見せつけられた。ぐっとくる。ほんの少し、運命がやさしかったら…と思わずにはいられない。(もちろん、そしたら話が成り立たないんだけど)
ダメな男を愛しちゃう女はいるもの。騙された女たち、というよりは、松雪泰子演じる、しのぶの献身的な愛、とでも言おうか。
あれこれ難しいこと考えず、とりあえず笑っとけ。という映画。くだらないって、必要なこと。
団地、というある種特異な場所と、その時代。突拍子もない設定や展開だけれど、バランスを崩さず、描くべきことを捉えている。
ペ・ドゥナ、かわいすぎ。心を持った人形の恋のお話。人形って言ってもね、ぬいぐるみじゃないしね。だから切ないのよ。
まっすぐ、愚直。だから、愛すべき存在。バカなんだけど憎めない、愛おしい存在。愛される人というのは、見ていて良いものだ。
園子温、恐ろしい。とことん疲れるし、本気のバカに置いてかれつつ、追いかける感じもある。
THE エンターテイメント。感情移入もしないし、幸世は相変わらず痛いし、真木よう子と仲里依紗の贅沢使いは気にならなくもないけど観ちゃうってのは、面白いってことか。あと、長澤まさみの反則級のかわいさ。
夢うつつ、というよりは、どこまでも寓話のよう。リアリティのなさが良いのかもしれないけれど。
救いようのない人たち、救いようのない人生、未来。まさに底辺、だけど、そこに光が差す。はじまりの物語、きっと希望。
恋する映画。好きな人、その人と過ごす時間、かけがえのないものは失って気づくものなのか。失ったら、それは取り戻すことができないのか。
中島哲也監督らしい。もちろん、いい意味で。原作の良さと、映画(エンターテイメント)の良さが拮抗している。
チャーミングで、オシャレで、クスッと笑えて、ちょっとキュンときて。観ると幸せな気分になれる。
学校、塾、部活。狭くても、それが全ての社会に、持てるエネルギーを注ぐ。大人になった今、「そんな些細なこと」と片付けてしまいがちの出来事も、高校生時分には大事件。ひとつの出来事も、取り巻く時間の流れや重>>続きを読む
安藤サクラが素晴らしい。予定調和な物語ながら、魅せられるのは、安藤サクラ在ってこそ。
2時間弱の映画にすることの限界を感じざるを得ない。けれど、序章としては良い映画。