ぜんらまるさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ぜんらまる

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ダーク・アンド・ウィケッド(2020年製作の映画)

2.9

「正体を表さないこと(不合理なもの)」の難しさを再認識させられた。脚本に致命的な欠陥を抱えた駄作というほかにない。

 冒頭から構図にこだわりが見られ、画面に映るモチーフはアイデアもある。音の使い方も
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

個人的には「楽しい」ホラー映画。
序盤はホラー然とした撮影の凝り方で恐怖を煽る一方で、序盤で攻めすぎて中盤以降は事の起こりまで概ね予想ついてしまう。が、てっきりそのまま落着かと思ったら、終盤でまさかあ
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ミューン 月の守護者の伝説(2015年製作の映画)

3.8

フランス国際映画祭で鑑賞。

てっきり何かしらの伝説をモチーフにした筋かと思っていたら、監督陣の創作ストーリーであるらしい。そのことから、むしろ古来よりある伝説然とした潤色が巧みだったのだと感じた。一
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ドラマ版から引き続き視聴。
画作りはもちろん、アドリブの勘所や編集によるテンポのコントロールも絶妙で、言葉にしづらい「おかしみ」が全編通して漂っている。内野聖陽の役柄を理解したメタ的なギャグシーンは声
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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『ペイル・コクーン』『イブの時間』『サカサマのパテマ』の吉浦監督らしいSF観を存分に発揮した傑作。「今の時代から見た未来像」を提供することはSFの王道であるが、本作はそれに加え、いわゆるミュージカルア>>続きを読む

彼女はひとり(2018年製作の映画)

4.1

力のある脚本ならそれだけで映画として成立しうるという好例。コンテや編集に違和感は残るものの、構図に対する意識は強く(撮影の芹沢氏の力が強いか?)、またやはり随所に黒沢清を彷彿とさせる演出もあって、一見>>続きを読む

燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

キャスティングはハマっている。エログロから逃げなかったことも評価できる。
構成には根本的な問題を感じた。終盤までほぼ土方の回想として進行するにも関わらず、途中で唐突に雪の視点が挿入され、回想終了後も雪
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.8

ビジュアルイメージやモチーフそのものにキャッチーさやこだわりが見られる一方で、展開や演出に意外性が乏しい。

序盤のクロスカッティングやアクションつなぎは多少目を引いたが、かえって筋を分かりづらくして
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空白(2021年製作の映画)

4.5

傑作。誰しもに理由があり、また誰しもに同じ正しさはない。

真に迫る感情芝居と、丁寧な伏線回収。何よりに人物の造形が見事で、生者たちの醜さや生きづらさを緻密に描くことで、対照的に明確には語られぬまま終
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箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

再鑑賞。筋が若干分かりづらいので、細かい話までは覚えていなかったが、構図と配色の良さが際立っている。配役も素晴らしく、特にウジョン役の女優(名前は存じ上げない)は、寄りで長尺を移し続けても画面が保つほ>>続きを読む

女優霊(1995年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』にパロディらしきシーンがあったため、確認のために久しぶりの鑑賞。ジャンプスケアを多用し、主演の演技は拙く、ラストは霊の姿もはっきりと描写されているにもかかわ>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.7

ベネディクト・カンバーバッチ目当てで鑑賞。撮影とVFXには若干の危うさを感じたが、硬派で丁寧なストーリーに引き込まれた。痩せこけてさえ色気のあるカンバーバッチの芝居、流石イギリス1セクシーな俳優といっ>>続きを読む

プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

TV版から引き続いての鑑賞。黒星紅白のやわらかいキャラクターデザインらしからぬハードな展開が続く。1章はアクション面で若干の寂しさがあったが、2章では短いながらもキレのある殺陣も見られる。惜しむらくは>>続きを読む

リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

テニプリミリしらでも冒頭からかなりの牽引力があった。レイアウトはジャパニメーション、ルックや芝居は海外のCGアニメーションらしいのは、日本のディレクターが海外スタッフを使って作ったと考えると妥当か。国>>続きを読む

降霊 KOUREI(1999年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

最悪の状況を作り出すのがうますぎる。カメラワークと演出で見せる、ジャンプスケアに頼らないJホラーの傑作。
意図的に構図にホワイトスペースを設けたり、左右移動を繰り返すカメラワークによって、背景に「いな
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

3.6

原作未読。ヨハン・ヨハンソンの初監督作にして遺作と聞き鑑賞。動きのない画面とひとり語りに終止する、言うならばエスキースを並べたような印象のあるフィルムだが、通しでのレイアウトとシェイプはこだわり抜かれ>>続きを読む