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マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON-浅き夢の暁-のブタブタのレビュー・感想・評価

5.0
『シン・マギアレコード完結編~誰も知らない、私たちの記録~』
『結城友奈は勇者である』が『まどかマギカ』へのアンサーでありアンチテーゼならこのアニメ板『マギアレコード』はその更に先の話しだったように思う。
謂わば『まどかマギカ』本編がスターウォーズのルークやベイダーみたいな神話世界の話しだったとしたらそれ以外の有象無象のキャラクターの物語が『マギアレコード』だった。
だから「誰も知らない、私たちの記録」
ここまで誰も少なくとも物理的には救われない話しはないと思うけど単なるバッドエンドの一言で片付けたくない。
いろははウルティメットまどかみたいにならず飽くまでも弱いままで「みんなで手を繋ぐ」って方法でハイパー化して皆を救うってクライマックスもよかった。
あの病室の3人といろはの関係は『賢者の贈り物』みたいに互いに互いを思いつつ最初の時点で決定的に間違ってたって分かるのが切ない。
いろはを主人公にしつつ、やはりいろはは狂言回し的なキャラクターであり全ての名も無き魔法少女達が主役の話しだった。
シーズン2が何か隔週で作画がおかしくなったり不安だったけどとにかく完結。
最終四話は魔法バトルの超絶作画よりも会話劇が多いし内容も哲学的なテーマに終始した感じでそこが不評の原因か。

特に黒江と名も無き魔法少女のエピソードはこのマギアレコードを象徴する様な珠玉の出来だった。
黒江の余りに悲しい最後はさやかの最後に 匹敵する衝撃だったし、ドッペル化から魔女化のあのデザインも素晴らしかった。
アリナ・グレイがいい意味でハリウッド映画的な悪役というか全て計画は失敗してるにも関わらず人類皆殺しみたいな事に突き進むのは本当にいい悪役で、「全人類魔法少女化計画」とかシンエヴァのゲンドウにも匹敵する出鱈目でヤケクソな真の悪役としての役割を果たした。
それから「ワルプルギスの夜」がバットマンにおけるジョーカーみたいに絶対的な存在でどうやっても倒せない(倒しても又現れるので意味無い)ある種の「概念」と化してる。
ほむらの時間転移を見るにこれもまたほむらが体験した無数の世界のひとつだと思うし、ゲームの方の結末では円環の理に導かれたいろはによって病室の3人は救われた?とか最後の写真を見るに未だ結末は決定されてない的な(そもそも之はゲームだから結末は無数にある?)
『ワルプルギスの廻天』で全てに決着が着くか?
しかしエヴァみたいに完全に終わって欲しくないって気持ちもある。
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