いめーじ

魔女の旅々のいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

魔女の旅々(2020年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ド派手な魔法や奥深い人生を描いた壮大な世界観が素晴らしく、コミカルかつショッキングな構成も秀逸で、女の子のかわいさにおいては他作品の追随を許さない、どんなオタクも思わずため息をこぼしてしまうほど魅力的なアニメは一体、何でしょうか?
そう、魔女の旅々です!

なんで個人が勝手に兵器並の戦闘力を身に付けてんの?
男性の魔法使いは偉くなれないとか性別格差が甚だしいな?とか、単純な疑問が生じる隙はある。
イレイナは膨大な力を持っているくせして責任感も無く旅人の立場に甘えて傍観者を気取っており、都合のいい時だけ偉大な魔女面してんのがタチ悪い。
1話で「我慢しない」精神を教わって以来、エゴイズムにナルシズムの権化として自分を貫き通すので、顔が好みじゃなかったらヘイトが溜まるだけの主人公。でもコイツはかわいい。いいかげんにしろと言いたくなるほど凄くかわいい。嫌いだけど好き。本当に腹が立つよ。

奴隷娘のエピソードは特に印象的。
ニノちゃんがかわいすぎて、乱暴に扱いたいと思ったゴミは俺だけじゃないはずだ。ニノちゃんが姿を現した時に服のボタンを慌てて付けた流れを事後の演出なんじゃないのかと読み取った感想を目にして脳を破壊された者もいるらしいですね。
村長はまだ手を出していないと信じたいが、既に性奴隷的な扱いを受けているからこそ、エミルが他人の幸せを見せた時に絶望の涙を流してしまい、自ら命を絶ってしまうかもしれない含みを残して話は終わったのだろう。
村長を殺そうとする可能性もあるが、ニノちゃんのような娘は自分を終わらせてしまうと思う。
狭い世界で何も知らないほうが幸せだったかというとそうでも無いだろうし、エミルが父親に言い返してニノちゃんを勇敢に庇うシーンが1度でもあったら、こいつなら幸せを見せた責任をしっかり取れるはずだと信用できる奴だったら、ほんの少しは希望を感じられたのかもしれないな。
それでいて俺の頭の中は「かわいそうはかわいい」って言葉で埋めつくされていたのでした。

4話は城からジャバリエを眺めながら会話する間や誘導作戦の絵力は凄いし、雪の結晶みたいな国の形が表すようにミラロゼが自分の世界に閉じこもってしまったラストカットの余韻はなかなか。

フラン先生と再会して学校で講師をする5話は街中を飛び回る映像が良いアニメーションだったし、生徒との交流を心から楽しむイレイナがかわいかったけど、新たな旅立ちみたいな事をされても5話目じゃ積み重ねに欠けるので、ふーんって気持ちになってしまった。
思い返せば2話でイレイナが教える側になっていたのも気の早い変な構成だな。
5話だけモノローグが妙に細かいのもビミョー。
でも生徒のオドコ(かわいい)、イケメ、チャラみたいなヒデー名前は笑えるし、王国セレステリアはイレイナが最も気に入った場所になって、イレイナが本を出すことも示唆される重要な回だった。

本当のことしか言えない書けない国に訪れる6話でのクソダサい剣には一番笑えたかもしれない。俺も正直に言うならイレイナと結婚したいし、ペンダントをかける時に見えたうなじはエロすぎ。
ここからレギュラー化していくサヤの狂信的なイレイナ愛には共感するが、同族嫌悪を感じて引いちゃいますね。

7話はぶどう踏みおじさん達が少しキモいけど笑えちゃう。イレイナ以外の視点で終わったのは珍しい。

8話は女性の髪を狙う切り裂き魔に襲われてショートなったイレイナちゃんが良すぎ!

9話は冒頭に注意書きが出るほど悲惨で話題になったエピソード。
親友のために命を懸けて過去へと戻るエステルの姿はイレイナと真逆だ。親友はおろか執着する他人は特にいない、魔女歴マウントをとる恥ずかしい性格、そんな未熟で旅人で魔女でしかない自分を思い知り、さすがのイレイナも金のことは忘れて号泣してしまった。
俺もセレナでブヒブヒしてたらサイコなロリになっちゃって心の中で泣いた。
セレナ父が何気なく「うなじの感じとか首のラインはエステルちゃんと同じだ」なんて言っていた気持ち悪さと、そこに母親がノーリアクションだった違和感が、彼らの裏を感じさせるには絶妙でしたね。3話の村長がイレイナを足元からジッと見たシーンでも思ったが、変態演出に関しては優秀。

11話ではサヤの妹であるミナがマジでかわいすぎた。特に顔が!
最後の「ただの灰の魔女で、ただの旅人でありたいと思います」ってセリフは、結局それなのかよと少々ガッカリ。9話のラストがどうでもよくなってしまったのはマイナス。

最終12話はパラレルなイレイナがいっぱい。イレイナ闇は一家に一人は欲しい。
前回で「ただの旅人でいる」と宣言した時には拍子抜けしたけれど、ここでいろいろなイレイナを見ることができたからこそ、主人公であるクソ生意気なイレイナも様々な選択を経て達した唯一無二の尊い存在なんだなと肯定的になれました。まぁ少しね。

いろんな回で時々映り込んでいたダンベル男は何だったのだろう。

つまりは女の子がかわいい良作!OPも良い。