頭文字D Fifth Stageの3の情報・感想・評価

エピソード03
ACT.3 デッドライン
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あらすじ
神奈川エリアでの最初の対戦相手は「チーム246」。ヒルクライム対決では、ゴール間際のタイトコーナーで啓介が飛び出し、「プロジェクトD」が勝利をもぎ取った。続くダウンヒルバトルに出場する大宮は、サーキット仕込みのブレーキング技術を発揮して先行逃げ切りを狙う。すると拓海はブラインドアタックで大宮の背後に接近。コーナーへの侵入直前にヘッドライトを点灯させ、相手のブレーキングのタイミングをずらす作戦に打って出る。
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8823peメモ

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このコメントはネタバレを含みます

国民宿舎 丹沢ホーム ヤビツ峠売店 「7秒もの大差がつくなんて…」「怖いな。今日のダウンヒルは」「え…」「おっと、勘違いしてもらっちゃ困るぜ。俺が怖いと思うのは相手に対してじゃなく、自分に対してだ。走り始めたら俺は多分、自分の闘争心を抑えられないだろう。ギリギリまでマージンを削った限界へ近づいていくアタックになると思う。上手くゾーンに入ればいいが、しくじれば命取りだ。それを怖いと思わない自分が怖いのさ」「大宮さん…」「心配するな、上手くやれるはずだ。俺のキャリアの中でも最高のパフォーマンスを今夜引き出してやる」 ★「向こうは1本目、先行を選択したぞ」「そうか。恐らく啓介の走りに触発されたんだろうな。同じ作戦をそのままやり返してくるかもしれない。ここ一発のスピードには絶対に自信を持っているってことだ。逆につけ込むチャンスはそこにあるがな。いいか、後半の勾配のきつい区間が勝負所となるだろう。相手のスピードの変化を柔軟に吸収するんだ。対応できると感じたら1本目から行け。遠慮はいらないぜ」 「ダウンヒルはどうなるかな…見事にひるくを的中させた久保さんとしては」「いやあ、こっちは分からん。俺にも読めませんわ。大宮というドライバーは確かに一流でっけどなあ」 「あのハチロクがあまりに未知数ですね…えらい胡散臭い車に仕上がってるみたいやなあ。おまけにあの若いドライバーがまた胡散臭い。長いこと業界見てますけど、まず滅多にお目にかかれないほど独特の世界観持っとる奴ですわ」「速いか?」「そりゃもう」「そのハチロクのドライバーにはアイツがついている…」「あ?」「高橋涼介がな」「この間から気にしてるようでっけど、なんぞ因縁でもあるんでっか?その…」「高橋涼介…あるよ。いや、俺じゃなくてもっとの因縁のある奴がいる」 「NB8CロードスターとAE86トレノ。共に軽量コンパクトな車体に小排気量、NAエンジンを搭載し、軽快なフットワークを信条にワインディングロードを疾走する。そのコンセプトは共通だ。生まれた年代は異なるが、車のポテンシャルは限りなく接近したものになっている。ゆえに勝敗はそれぞれのドライバーの感性に委ねられる。大宮智というNB乗りの感性と、藤原拓海という86乗りの感性…どちらがより車との感性が合っているか、この勝負はそれが結果を分ける気がする」「まるで生き物みたいだな。二人が乗っている車は」「そうかもしれないな。車からの一瞬の声を聞き逃した方が負ける」 「北関東エリアを負けなしで駆け抜けてきた伝説のチーム、プロジェクトDとはどんな走りなのか…どうせならそれを後追いでじっくり見てみたい。小早川はそう考えた。俺にも同じ気持ちはある。だけどそこに落とし穴があった。相手を見るということは、自分のペースを守れていないということなんだ。あのハチロクを見て行くのは危険だ。そんな気がする。これは俺の勘だ。だから俺は先行で行く。目前には何もない状況で自分のペースを作る。勝つためにだ」 「簡単には勝たせてもらえないだろうな。ぶっちゃけレベル高いよ、ここの連中は。俺にしたって結果から見るほど楽な勝負じゃなかった。特に今、藤原が相手にしてる奴は手強いぜ。公道ランナーとしてはほとんど完成の域に達してる奴だろうな」 「隙がない…空間の全てが埋め尽くされてる感じだ」 「先行するNBが溜めに溜めてどっかでスパートを掛けてくる。コースを知り尽くしているだけにペースを握れる先行は地元にとっては有利なんだ」「てことは勝負所は…」「終盤の勾配がきつく、路面の割れた区間だろうな」「サスペンションの基本設計が古いハチロクにとっては不利な区間ですよね」「ま、そういうことになるな。だけど不利なのは今に始まったことじゃない。あえて敵地で戦うのはレッドサンズ時代からの俺たちのテーマだ」「そうっすよ」「兄貴が練り上げたアウェイでの戦いのノウハウはいつも完璧に機能する。向こうがコースに特化したスペシャリストなら、こっちは敵地攻略に特化したスペシャルチームだ。どっちのスピードが最終的には相手を上回るのか…それが結果的にはすべてだろ。〈高橋涼介という天才がいる限りプロジェクトDに不可能はない。俺はそう思ってるけどな〉」 ★「ピタリと着いたまま中間地点を通過していった…ここまでは同じ展開だ。何処かで必ずスパートを掛けてくるのは分かってたんだ。来る来ると思いながらなかなか来ない相手に俺は焦れていった。何故だが酷く追い詰められた気持ちになっていた。同じことはあのハチロクのドライバーにも起こっているんじゃないのか。これは大宮のペースだ。一瞬たりとも気が抜けない状況が続く」 「まだまだ半分終わったばかりだ。テンションは目一杯振り切れそうだ。だが、俺にはもう1段階ある。その闘争心のスイッチが切り替わる瞬間が何処かでくる…」 「コースの攻略という観点から言えば、ダウンヒルで一番重要なのはブレーキングだと俺は思っている。平坦地に比べて制動距離が飛躍的に伸びる下りではブレーキングのミスは命取りになるし、サーキットのように距離を示してくれる看板のない真っ暗な公道で正確にブレーキングポイントを設定するには…研ぎ澄まされた感覚だけが頼りなんだ。目印は役に立たない。人間の脳の持っている潜在能力というのは、つくづく凄いと思うよ。藤原は特別にブレーキングの感覚が優れている。走り慣れた地元のドライバーを相手にしてダウンヒルで勝ち続けられるのは、そのセンスのおかげなんだ。練習だけで身につくものじゃないよな」「間違いなく天性のものでしょうね」「テールツーノーズで後ろから追っかけながらブレーキングを見ていれば相手のドライバーの実力はすぐに分かる」「確かにな。難しいことじゃない」「実力が拮抗していれば尚更でしょう」「逆に言えば、見せないことが駆け引きにもなる。本気のブレーキングを見せる時は…勝負に行く時だ!」BGM - I CAN'T STOP LOVIN' YOU 「遅れた…ほんの少しだけど、確実に!さっきのロングストレートからのハードブレーキング…たった一回きりだけど、ブレーキングで遅れた!」 「100%ガチンコモードだ。デンジャラスゾーンに突入だぜ」 「見るからに危なげな動きに見えますけど、あの時代の車は足を固めていくとああいう挙動になるんですわ。ハチロクらしいと言えばらしいんやけども、あれは平均スピード100キロ以下のステージ限定で最強目指して本気で作り込んでますわ」「ハチロクという車種の選択にも意味があるのか…涼介の考えそうなことだぜ」「空力系のパーツを一切排除してるあたり間違いなく確信犯やねえ。けど…あのレベルになると、いくら低速ステージでも瞬間的には途方もない速度に達しますよって。サーキット走行でなければ効かないと言われてるGTウイングもあのレベルになればただの飾りじゃおまへん。勝負の分岐点は空力かもしれまへんな」 「マツダの後輪駆動は基本的にロール軸が前下がりに設計されているのが特徴なんだ」「FDも同様ですが、特にロードスターはフロント荷重で舵の利きを良くしてハンドリングに軽快感を出してますからね」「だけど、攻め込んでいけばリアの荷重不足でオーバーステアが出てくる。ロードスターをチューニングしていくうえではそれがひとつのテーマになる。やり方は色々あるだろうけど、基本的に素性としてオーバーステアが出やすい点は変えられない。そのあたり、どういう処理をしているのか」「ダウンヒルでオーバーステアはまずいよな。むしろアンダーステアの方が遥かに速く走れる。あれだけの相手だからな、車は完璧に仕上がってると思うが…何かの拍子にバランスが崩れるようなことがあれば藤原にとってはチャンスなんだが…」 「クッ、追いつかねえ…けど、差が広がってもいない。前の車のラインとスピードをトレースしてるだけなのに」「ん、そこまで走れるとは…ある意味奇跡だな。ここから先、バックミラーは用なしだ。ここまでくれば、もう駆け引きもない。ただひたすら前を向いて攻めるだけだ!後ろを気にするのはゴールに飛び込んでから…その時俺は勝っている」 「ブラインドアタック、藤原が得意とするこの技は相手を動揺させると同時に攻撃ルートを悟らせないという二重の効果を狙った揺動作戦だ」「だが、コースを熟知し尚且つ、相手が異常に集中している時は…」「そうだ。狙ったはずの効果は生み出されない。しかし…リトラクタブルのヘッドライトは上げた状態よりも下げた方がCD値が下がる」「空気抵抗が少なくなりますからね」「僅かながらも空気抵抗を減らすことにより、トップスピードを稼ぎたいという気持ちが藤原にそれをさせたんだ」「執念か…藤原の」「その執念が突破口を…開くことになるかもしれない」 「ブレーキングを開始するほんの僅かに手前、よく分かんねーけど…多分!ここだ!」BGM - FULL METAL CARS 「早かった…ほんの少し。いったい何が起こった?クソッ、負けっかよ!ここまできて!俺のスペースはキッチリもらうぜ。着いてこれっかよ!」 「ウイングをやっちまった…これは長引かせるわけにはいかない!1本目で絶対に終わらせるぜ!」 「車が妙なふらつき方をする…ウイングがどうなってるのか知らないが、左右のバランスがおかしいぜ。いっそのことちぎれて吹っ飛んでくれた方がマシだったな…クソッ、言い訳はしないぜ!気合いで限界を上げりゃいい!」 「今日は俺の日じゃ…なかったってことか」
TEN

TEN

アニメの作画が良くなる毎に涼介のブサイク化が止まらない
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