平田一

新世界よりの平田一のレビュー・感想・評価

新世界より(2012年製作のアニメ)
4.1
上下合わせてページ数1000ページを越えている、貴志祐介さん原作の同名小説のアニメ化。呪力と呼ばれる念動力を手にした1000年後の世界で、少年少女の壮絶な運命が描かれる。

10年前にこのアニメがやっていたのは知っていましたが、途中から入ったので、ようやくの完遂です。

正直前半クールにおいては作画の出来にムラがあり、お話の運び方もいかんせん遅いです。もっとも後半に繋がってく伏線の紹介や、劇中世界に誘うためには必要とも感じられ、だから後半クールになって、化けていって嬉しいです。後半から動き始めてしまった壮絶な反乱。その裏に隠されていた切り札と真の狙い……早季と覚が取り残されて、それでも未来を生きるために一緒に戦う姿には感情が揺れました。すべてが終わった後に待つ野狐丸の叫びとか、早季が最後に決めたこと……どれもこれも良かったです。

個人的にオススメなのは早季と覚が中心の第5話のお話と17話から最終回に至る最終章ですね。コミカライズではこの二人がもっと掘り下げられていて、アニメとはまた違ったラブストーリーになっていますが、アニメはアニメでまた違った工夫やアレンジがあって、ドヴォルザークの「家路(~交響曲第9番《新世界より》~第2楽章(冒頭))」が一層際立っていて良かったです。
平田一

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