3本の糸だけで、あれだけ多彩な音を鳴らせるのは素晴らしいな。
課題曲がありながら、アレンジの許される幅がとても広くて驚く。
団体戦も個人戦もどれ一つとして同じ演奏はなくて、それぞれがそれぞれの音を鳴らす。聴かせる。
誰かの、ではなく“自分の”音を鳴らす。
伝わればいいな、届けばいいなと願いながら。
自分の意思で。自分の手で。魂で。
楽器を鳴らせる。
音が気持ちよく跳ねる。
大会での評価や順位はどうあれ、自分が楽しく演奏できてそれが自然と周りに伝わるのは“良い”演奏だと思うけどな〜
気持ちを乗せ弾き語る演奏は、聴いている人に色や景色を見せる。
目の前が急に開けるような、開放感、爽快感を感じさせる。
ところがそうも言ってはいられない勝負の世界。
上手い（ちょい悪めに言えば点数をとる、大会で勝つ）演奏と、伝わる演奏は違う。
大会の各々の順位が漫画とかドラマによくあるそんなのあり！？な展開ではなくすんごい現実的な結果だったから逆に新鮮。
うん、普通そうだよね、と妙に納得した。
それにしても、随分と主人公にスパルタな終わり方したな…
厳しいね、自分の演奏に点数がつけられる世界っていうのは。
雪は終始クールなので伝わりにくいけど、親との関係、師匠でもあるじいちゃんの音…たくさん重いもの背負いながら、三味線と向き合って自分と仲間と向き合って、彼なりのペースで前に進んでいたように見えた。
それでもまだ足りない部分があるってこと（まぁ、まだ彼高校生だし）
自分の音を見つけること。
周りに認めてもらうこと。
自分に足りないものを探すこと。
雪にとっては、課題が山積みなラストでした。
