朝食の準備をしている静流とお婆ちゃんは、瑞生がいないことに気付く。七草探しに出かけた瑞生を心配して探しに行く静流。一方、植物図鑑を片手に七草を探している瑞生。そんな一生懸命な瑞生に、不気味な影が伸びてくる。。。
静流は瑞生との登校中、稲荷神社のお供え物が無くなるという噂話をする。静流と分かれた瑞生は、その稲荷神社に差し掛かかる。そして稲荷祠を覗いた瑞生は、不穏な気配を感じ振り返る。すると瑞生の両肩にドーン!と衝撃が走る。
静流は小さい頃、見えた妖怪に関して他言無用とお爺ちゃんと約束した。その約束を今も守り続ける静流は、町中で陰気な受験生の後ろに大きく裂けた口をもつ妖怪を見ても誰にも言えない。それが偶然にもその受験生がクラスメイト・亜季のお兄さんだとしても・・・。
走ることが得意の瑞生は、マラソン大会に向けて張り切っている。そんな中、久佐子との下校途中、書店で立ち読みをしている瑞生はゾクッと何かを感じる。帰宅後、肌身離さず持っている護符(フダ)を見てみると、なんと大きく裂けていた。
ずっと雨が降り続いていることに憂鬱になる静流、亜季、信乃。だが扶美は「日曜には晴れさせる!」と力強く公言する。そんな中、クラスメイト・野球部の高梨は、「雨でいい」と言う。高梨の意見に反発する扶美は、高梨と天気予報の勝負をする。
庭に落ちた枯葉を集め、焚き火をしている祖父と瑞生。すると、コート姿の老人・澤田が祖父を訪ねてきた。座卓に座り、祖父と向かい合う澤田は、カバンから箱を取り出した。その中には、白くふわふわした綿毛のようなものが入っていた。
登校途中、久佐子を発見し駆け寄る瑞生と優。どこか元気のない久佐子を心配しながらも、愛用のマフラーをしていないことを聞こうとした瞬間、瑞生は危険を感じ取る。2人をごまかし、別ルートで学校に向かう途中、瑞生の首はフワッと白いモノに巻きつかれてしまう。
お爺ちゃんと静流からと離れ、修学旅行に参加する瑞生。不安がありつつも、旅行そして写真係を楽しむ瑞生。次の目的地に向かうべく駐車場へと向かう途中、背中を強く引っ張られる瑞生。「憑かれた!」と思った瑞生の前には、白髪まじりの大柄女が立っていた。
霧が立ち込める夕暮れ時。芙美は文化祭で知り合った女子高生・佐保を静流、信乃、亜季に紹介する。喫茶店に入り、談笑する一同。そんな中、拝みに興味を持つ佐保から「祖父にお話を伺えないか?」と相談された静流は困ってしまう。
学校帰りの瑞生は、下校中の静流と亜季、芙美を見つけ駆け寄る。卒業後の進路について語り合う静流たちの会話を聞いて、話しかけられず、その場に立ちすくむ瑞生。そんな寂しげな瑞生の前に、笠をかぶったイタチが仁王立ちしている。
師走に入り、町自体も忙しない雰囲気の中、信乃、亜季、芙美と下校する静流。一方、瑞生は道祖神の前に落ちている針を、危ないと言いながら拾い上げる。すると、背後から声がして、焦った瑞生は辺りを見やる。
朝、慌てて家を出た瑞生は、古びた橋で豪快に転んでしまう。始業ベルが鳴り響く校庭に駆け込む瑞生。一方、凧あげ大会の話題で盛り上がる教室。そのタイミングで入室してきた瑞生は、凧あげ大会のメンバーに加わることになる。
暖かい春の日差しの中、静流、信乃、亜季、芙美が歩いてくる。話の話題は“男女の出会い”に関して。だが、静流の無頓着ぶりに笑い合う3人。そんな静流のことが気になり、影から見つめる1人の男子・有田の姿があった。。。
満開に咲く大きな一本桜を、瑞生が感嘆し見上げていると、一瞬奇妙な風に邪魔される。あちこちに花びらをつけたまま登校した瑞生は、久佐子と優にはらってもらいつつ、次回の壁新聞の話を始める。その結果、写真を掲載することになり、それを瑞生が撮ることに。
暖かな陽の光が射す神峯町。人間が活気付く初夏。それは、モノたちにもいえること。いつも見ているとは言え、あまりにも多いため憂鬱な気分になってしまう静流。静流は、瑞生とお爺ちゃんに相談はするものの「気にし過ぎだ」と軽くあしらわれてしまう。
時々、校舎裏にある準備室からなんとも言えない音楽が聞こえてくる静流。悪いモノではないと感じた静流は、その部屋へと向かう。そこには、使われていない楽器がたくさんあり、和音を奏でながらスーッと飛ぶ白いモノたちもいる。
勉強をしている静流と暑さにぐったりしているに瑞生の所に、日吉のおばあちゃんとひ孫の一真が訪れる。一真の強引な誘いを受け、虫取りに行く瑞生。鳥居をくぐり、神社の社につく2人。一真が見つめる先には、祀られた御神木があった。
夏休み中の静流と瑞生は、お爺ちゃんの友人で神社の宮司・大垣さんの家に遊びに行く。静流と瑞生のところに駆け寄ってくる一人娘で柔道部所属、高校二年生の薫。瑞生が部活の話を聞きだすと、薫は浮かない表情を見せる。すると静流には、薫の首に組み伏すようなモノが見えてしまう。
暑さ厳しい中、静流は予備校の合宿に、瑞生は薫に教わった柔道を始める。道場に通い始めて半月位経った頃、練習に励む瑞生を見たコーチが「試合に出てみるか?」と声を掛ける。気合十分で練習試合に望んだ瑞生だったが、なんと骨折してしまう。
抜けるような青空の下、墓参りを終え敷地内を歩いている瑞生、静流、お爺ちゃん。すると、近所の中原さんとその息子が言い争う声が聞こえてくる。その声に気付いた瑞生と静流は気まづそうに挨拶する。ふと空を見上げると、何かの予兆かのように夕立雲が現れる。
今も柔道教室に通い続ける瑞生。久佐子も瑞生に憧れて一緒に通い始める。全員が練習に励んでいると、コーチから昇段試験の話を聞かされる。瑞生は昇段のため練習に励む。そして、試験当日。なんと瑞生の対戦相手は、一番強いと噂される合田だった。
学校帰りの静流がふと公園内を見てみると、大きな茶猫と向き合う三毛がいた。よく見ると、その茶猫の尻尾は、ふさふさと太く長く二股に割れている。静流の視線に気付いた茶猫は、スクッと2本足で立ち上がる。そんな茶猫を見た静流は、思わず立ちすくむ。
最近、休みがちなクラスメイト・永澤の家に、学校帰り信乃と一緒にプリントを持っていく静流。永澤家のどっしりとした門をくぐり、古い日本家屋の玄関に向かう2人。すると、庭石に座り、頭巾を被りキセルを吸っているロクサンがいた。
真夏の陽光に輝く川の横で、見慣れぬ少年・冬吾がふけっている。お父さんを亡くした冬吾は、ここのところ毎晩ある夢を見ているらしい。お父さんと一緒に川で遊ぶ夢を。その場所を探す協力を申し出る瑞生。一方、少し前からおばあちゃんの具合が悪く・・・。