「初美の体は柔らかくて、暖かくて・・・・・・。この幸せがいつまで続くだろうかって考えると、泣きたくなるほど悲しかったよ・・・・・・。」 初美と葉月。姉妹・・・・・・。葉月にとって初美は、大切な存在。それは、愛情。愛・・・・・。初美の誕生日の前夜。初美の寝顔にそっと唇を寄せる葉月。午前0時…。突然の光。その光に包まれて初美は、消えてしまう。そして、物語は動き出す。
「私は……、臭いに敏感なほうでね……。」突然の衝撃に抵抗できない蓉子。ニヤッと微笑み耳元に顔を近づける将校。背中に冷たい感覚を覚える蓉子。ナイフ……。諜報員。任務遂行。交差する密室劇。ここは夜行列車の世界。
「ぼくだけを愛して欲しいのに・・・・・・。ぼくだけを・・・・・・。」初美を探す旅に出た葉月。そこは本の中に存在する世界…。その本を管理する図書館。管理者の名は、リリス。リリスとの出会い。リリスが語る初美の存在。イブ……!?……そして、物語はまた別の世界へと。リツコという少女。ガルという少年。そして、不思議な力を使うジルという少女。生と死。憧れ。嫉妬・・・・・・。刻のイタズラが紡ぐ悲しい結末。……結末。いや、それは始まり……。ここは、錬金術の栄えし世界。
「どこ?あなたは、どこにいるの……。」とある王国の姫君・マリエルは病床に伏していた。余命僅か……。その命を救った錬金術を使う少女。名前は、リツコといった。マリエル姫の誕生の儀が迫ったある日。そこに現れた青年。名前は……、ガルガンチュア。運命の再会。偶然。必然……。不敵な微笑み。そう。これは、あの小さな村で起きた悲劇から100年余のちのお話し。
「ん~、いい気持ち」言葉の通じない民との遭遇。未開の国。そこで出会う一人の少女。彼女だけが葉月たちと話ができる。儀式……。リリスを神の遣いと信じる民。その理由は…。神に捧げられる生け贄。邪心の像。申し遅れました、ここは原始創出の世界…。少女の名は、クィルと申します。
「ミルカのこと、いじめる?」南海の孤島。そこに住む少女・ミルカ。外界から閉ざされたその島を訪れた葉月たち。ミルカとともに住むセイレン。セイレンが、リリスを見つめる意味。突然の出来事。天変地異……。静寂は打ち破られる。地面は裂け、空は歪む。ペリペリ……?その現象を少女はそう呼んだ。“ペリペリ”とは一体……。
初美と葉月は血の繋がらない姉妹。少女は姉に対して憧れ以上の思いを募らせていた。痛む心…。焦がれる想い。「ボクだけを好きでいてくれなくちゃボクは嫌なんだ。」それは、思春期に見る刹那の幻想なのかも知れない。だけど……。現代世界。これは、初美が葉月の前から消えるあの運命の出来事より過去の二人のお話。
「その人を返してもらいに来た。」竹の砦に住む藤姫。仙格を上げたい為に藤姫に近付こうとする妖狐・メイリン。そして、闇のものたちもまた藤姫の力を狙っていた。ここは、古の日本に似た世界。竹取りの物語を紡ぐ世界……。藤姫と出会った葉月。その姿を見た時、葉月は叫ぶ。「ボクだよ!!葉月だよ……。」
「ありがとう……。」竹の砦で出会った藤姫は、初美と瓜二つであった。初美と同じ櫛を持つ藤姫。戸惑う葉月……。イブの影……。静かなる夜が、邪悪なる闇にかわる時、忍びの者たちが藤姫に襲い掛かる。果たして……。一方、イブの櫛を探すガルガンチュアは、メイリンに近づくのだが……。ジル……。イブ……。ガルガンチュアが、心に封印している事実。さて、今一度錬金術の本を開いてみましょう。「迷子にならないように……。」
「いつか星を見つけて、そこに世界を作るんだ。」漆黒の宇宙。その船は行き先も知らない旅を続けていた。ここは、宇宙移民船が旅する本の世界。少女・レイラと葉月たちは出会う。移住の地は……? 船の秘密とは……。それは、遠い遠い未来のお話……。
「その世界が、すばらしいものであることを・・・・・。」葉月たちは、レイラという少女に出会う。ここは、宇宙移民船が旅する世界。・・・・ルラウ・・・・。船にいた大人たちは、皆死んでしまっていた。・・・16歳の誕生日に消えた少女・・・・。子供たちを育ててきたのは、ララというコンピュータ。コンピュータである彼女の望みは、子供たちのために新しい世界を見つけること。船の寿命が尽きる前に・・・・。移民出来る星を探さなくてはならない・・・・。「さよなら。私の子供たち・・・・。」
「どうして、いなくなったの……。」宇宙庭園。そこには、思いがけない出会いが待っていた。葉月。リリス。そして、ガルガンチュア。イブの存在に戸惑う3人。愛する初美。葉月の想い。……幻想。永遠の約束。ガルガンチュアの心。……償い。想いが交錯する中、自らの世界に戻るとイブは語る……。廻る廻る迷宮の輪舞。そして、綴られるそれぞれの結末……。
「このホットケーキ……。」初美と葉月。姉妹……。葉月にとって初美は、大切な存在。それは、愛情。愛……。…止まない雨。初美の誕生日の前夜。初美の寝顔にそっと唇を寄せる葉月。午前0時…。……16歳の誕生日。今日、昨日。明日。 現在。過去。未来。 今はどこ。その時、少女はひとすじの涙を流す。 そして、物語は終わりを告げる。