"宇宙人は実はいました。"
■作品について
佐藤竜雄が原作・監督・脚本・シリーズ構成の全てを担当したもので、佐藤の初原作作品。
音楽は大野雄二が担当。大野が連続テレビアニメの作曲を手がけたのは『ルパン三世 PARTIII』以来で、実に16年振り。
既にアニメ制作の主流がセルからデジタルへと移りつつあった2001年当時としては珍しく セル画を用いて制作されていることで有名。
■感想
隠れた名作としてよく名前が挙がる作品の1つ。
精神的に成熟した人々の織りなす、壮大かつ緩やかな昭和ノリが特徴的なソフトSF作品。
舞台は2070年の日本。
地球には密かに宇宙人がいて、伝統ある一族の子ども達が異能を使い侵略者と戦うもの。
全体的な雰囲気がなんとも奇妙で独特。
宇宙人が侵攻してきて政府が「実はいました」なんてあっけらかんと発表する世界観。
そして、SFロボット作品でもあり、超能力作品でもあり、青春学園作品でもあり、それでいて、雰囲気は終始ほのぼの。
主人公たちは基本的に健全で楽しい学校生活を送り、過剰なラブコメ演出もない。
一応SF要素はあるが、話のほとんどは学園内がメインとなっている。
また、毒々しいキャラクターが一切登場しないことも特徴的。
主人公をはじめとしたキャラクター全員は精神年齢が高く、達観している性格をしている。
個人的には特殊能力を持ってしまったヒロインが、実は2人の男の子に支えられている構図が凄く好き!!🥰
劇半はルパンで有名な大野雄二が担当しているので、優美で刺突な曲が多め。
OPは昭和の青春ドラマ、次回予告は某国民的アニメ、EDはルパンだから頭バグったw
ただ、全体的に設定が荒い。
物語の筋を優先したいのか、物語の雰囲気を優先したいのか分からない。
銀河連邦と宇宙連盟の対立の歴史、勇者、各超能力が絡まっていない。
極めつけは一見すると物分かりが良い年不相応な精神年齢高めの登場人物たち。
精神年齢高めの割には各々の思惑と行動が全く一致していない。
達観するのは良いが考えていることと行動が一致していないのはご都合主義もいいところ。
ムリョウは結局なんだったのだろうか?
調べたら答えはでてくるのだけど、この設定も全く活かせていない。
そんなこんなで放送当時の視聴率も悪かった模様💦
とても隠れた名作とは呼べないけど、良作であることには間違いない。
雰囲気は独特でハマる人にはハマる作品なので、気になったらぜひ。