ソラアユム

地獄楽 第1期のソラアユムのレビュー・感想・評価

地獄楽 第1期(2023年製作のアニメ)
3.7
題名:地獄楽 第一期
鑑賞日時:2023年7月2日
鑑賞方法:NETFLIX
評価:3.7(MAX5.0)

『ここからは罪人も処刑人も協力していきましょう』
 

鑑賞期間:2023/4/7~2023/7/2
2023年9本目
原作未読

≪短評≫
 原作は一話だけ試し読み。王道寄りのストーリーで見てはいられるが、良作に一歩及ばない程度の作品に感じた。

 物語の根幹を成す設定の突っ込み所が多分に気になる。罪人たちが無罪放免を勝ち取るために神仙郷なる未知の孤島で不死の仙薬を探し出すため奔走するというのが大筋のストーリーだ。まず、この罪人一人に処刑人一人が帯同するというシステムがおかしな話ではないか?人的コストを掛けたくないから、命を無碍にできる罪人たちを未開の地に探索隊として派遣するという体なのに、幕府お墨付きの貴重な人材を罪人と同数派遣してしまっては意味がないだろう笑。案の定、貴重な人材である浅右衛門たちも罪人たちと同様に未開の地の化け物たちに次々と命を奪われ殺されていく笑。無駄に多くキャラクターを登場させては短いスパンで退場を繰り返すインスタント人間ドラマには若干引いてしまう。

 罪人たちも強すぎる。どれくらい強いかというと、超常的かつ物理法則を無視したパワーやスピードを持つ主人公のガビマルを筆頭に人外だらけ。10m級の巨漢もいれば、標準体型で5m以上の大斧を振り回したり、面妖な妖術を使うものまでいる。世界観で言うと同じ忍び括りでも『NARUTO』の中忍〜上忍クラスだ。一方で処刑人である浅右衛門の強さはというと東海編のゾロレベル。島に上陸し、両者ともに異様な環境に順応して強くはなっていくのだけれど、基本的には罪人>処刑人の構図は変わらない。ではなぜ罪人たちは幕府に捕まってしまったのか?大切な人を人質に取られているから?全員?話の通じない10m級のあの巨漢はどのようにして捕まったのか?少年誌の設定への突っ込みが野暮なことは理解している。私も少年漫画は大好きなので、ある程度の“甘え”は許されると思っているが、今作に限っては大筋の設定のネジが緩み過ぎているのではないか。

≪まとめ≫
 タオと呼ばれる未知のエネルギーを扱い始めてからは世界観が整って見やすくなったと思う。後半では毎話タオ講座なのは作劇として雑だと感じるが…第二期は見る予定。
 

以上