ソラアユム

進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)のソラアユムのレビュー・感想・評価

4.4
題名:進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)
鑑賞日時:2023年11月12日
鑑賞方法:NETFLIX
評価:4.4(MAX5.0)

『死ぬところまで足掻いてみようぜ。俺たちは往生際の悪い調査兵団だからな。』
 

□鑑賞期間:2023/11/12
2023年13本目
原作読了済み


□エレン・イェーガーによって引き起こされた大災害≪地鳴らし≫を阻止するべく奔走する兵士たちの活躍を描く大ヒットアニメの完結編

 緻密な世界観と設定、伏線回収、衝撃的で残酷なストーリーラインで世界を魅了し続けてきたビッグコンテンツの満を持しての完結編…簡潔に言えば感無量である。

 自由を求めた先にあるのは戦争であり、いくら平和が訪れようと人類の歴史は繰り返される。ヒストリアの最後の手紙にもある様に、エレンの自由を求めた代償はあまりにも大きく、歴史に大きな爪痕を残す。主人公兼ラスボスを訓練兵時代の同期+αで打倒し、世界を正しい方向に導こうとする姿には、応援せずにはいられない感情と、居た堪れない気持ちが混在する。

 地鳴らしが齎したものは大虐殺…なのは変わりないが、一時の平和を作り出したのも事実だ。各キャラクターが大儀を掲げながら、最終的に感情の起爆剤となるのは超個人的で矮小な動機なのが良い。エレンがアルミンに伝えた“本音”には進撃の巨人らしいシュールかつコミカルで、しかし切実な感情が渦巻いている。

 個人的にはジークがボールによって感情が引き起こされるシーンが大好き。キャッチボールという“捕って投げる”、その行為の繰り返し。何の意味もない人(人類)の行為の繰り返しと循環。しかし、その行為には人の美しさが刻まれている。野球少年だった自分は懐かしさと、言葉では言い表せない特別で普遍的な感情が引き起こされた。

□まとめ
 未回収の伏線や設定が多く残されたが、あえて腹落ちさせないのも一興である。エレンの進撃を阻止した彼らの勇姿を称えたい。超面白かったです。


以上