学生生活を楽しみながらも、変わらない、変えられない自分にどこか虚しさを感じながら日々を送る-白鳥空(くう)。 彼女は時々同じ"夢"を見ていた。自分を迎えに来てくれる王子様の"夢"……。 学校の女子は学園祭で行われる:ダンスパーティに胸を躍らせている。 ダンスを踊ったパートナーは永遠に結ばれるという伝説があるのだ。 だが招待状を渡す相手が決まらず、空は落ちこんでしまう。 そんな時、彼女の前に、幾度となく"夢"に見た王子様が現れる。 今度は"夢"でなく、"現実"で。 「綾小路京四郎」と名乗る彼は「空」に夢と同じ言葉を掛ける。 「行こう……一緒に」 2人の出逢いは一体何を意味するのか!?
平凡な生活を送っていた白鳥空の前に、突如として現れた謎の転校生、綾小路京四郎。 そして強大な能力を秘めた美少女せつな。 京四郎に寄添うせつなのことが気になって仕方が無い空は、お風呂場で思い切ってせつなに京四郎との関係を聞いてみる。 「私は絶対天使…夢想の刻のせつな…」 「絶対…天使?」 戸惑う空。そこへ…。
罪無き生徒たちの命を吸う絶対天使、バドラスとムラクモ。 その力をもってすれば、簡単にこの世界を滅ぼす事ができるという…。 再び学園の生徒を襲うたるろってと申し訳なさそうに見守るソウジロウ。 空を取り逃がし、ミカの再調整を受け苦しみもがくかおん。辛そうな顔でミカに仕えるひみこ。 京四郎に同行することになった空は、食事の準備をするせつなを見て自分も手伝おうとするのだが…。
たるろっての急襲を受け、地下へと続く空洞へ落ちていく空と京四郎。 さらに追い討ちをかけるバドラスの前にせつなが立ちはだかる。 地底、空を庇い傷ついてしまう京四郎。動揺する空。 廃墟となった学園の保健室へと京四郎を引きずって運び、手当てをしようとするが包帯も見当たらない。 苦しみ悶える京四郎はうわごとで「兄さん」と…。
台所に立ちケーキ作りに悪戦苦闘する空。結局うまくいかず…。 買出しに行きたいと申し出る空に、京四郎は「一緒に行こう」と許可をだす。 一方、東月封魔では再調整を終えたかおんがミカと対峙し…ひみこはその瞳を潤ませる。 そして出撃するかおん。これまでとは違うかおんの様子に戸惑い、心配そうに見送るひみこ。 京四郎との買い物に浮かれる空。アクセサリー売場で立ち止まり、そこで眼にしたのは…。
ミカの命により、かおんの目の前で空にくちづけをするひみこ。 すると空の身体は発光した。自分も絶対天使である事実を告げられ、あまりの衝撃に空は意識を失う。 一方、空を取り戻すために京四郎は、せつなにたるろってを東月封魔へ誘い出すよう命ずる。 自分を呼ぶ声に目を覚ました空の目の前には親友のこずえがいた。破壊されたはずの教室で。
大学園祭を前にして京四郎宛てのラストダンスの招待状をつくる空。 しかし自らが絶対天使であるという事実と、京四郎に対して何もできない現実に空は苦しみだす。 親友のこずえに電話をかけようとするが…。 一方、京四郎も兄の意思を継ぐという使命を自覚しながらも、心は何故か揺れていた。 一度は掴んだと思えた自分の居場所、そして居たい人のために空は…。
自らの存在と、ぶつけた想いに絶望し、大学園祭開幕に沸く街を彷徨う空。 体を湖面に浮かベながら、京四郎も未だ惑いの中にあった。 アパートに戻り、空が居ないことを知った京四郎は馬で駆け出していく。見送るせつな。 廃墟の時計塔から街を見下ろす空は、煌びやかな街に吸い込まれるように歩を進め…。
死んだと思われていた京四郎の兄、カズヤは生きていた。 失われたはずの絶対天使メギンギョルドのワルテイシアを従えて。 喜びも束の間、カズヤの拳を受け倒れる京四郎。 空に近づくカズヤの前にせつなが立ちはだかる。 せつなに対しワルテイシアは…。
空、せつな、かおんに続いて、たるろってを連れ去ろうとするカズヤ。 阻止しようとする弟ソウジロウにも容赦はない。 傷つきながらも、たるろっての救出に立ち上がるソウジロウ。 うちひしがれ、そんな兄をただ見送るしかない京四郎。 自らの塔に戻ったカズヤは宴の支度にとりかかる。
カズヤの塔を舞台に、決戦が始まった! ソウジロウが説得をするも、カズヤは意に介さない。 ミカから引き継いだマナバスターで不意討ちを狙ったひみこの攻撃も圧倒的な力の前に 苦戦を強いられる。 絶対天使たちを融合する儀式は進み、4つのマナの光の柱が天を貫き、アカデミアを包み込む。 そこへ出現したのは…。
ようやく再会した空と京四郎。 空の身体を抱きしめる京四郎、微笑む空。 だが一方、再び大崩壊へと向かう世界。 空は世界を、愛する人たちを救う決意を京四郎に告げる。 空の精一杯の想いに京四郎が語りかける「行こう……一緒に……」と。 二人のラストダンスは、いま始まる!
(C)2007 介錯/「京四郎と永遠の空」製作委員会